つい先日のこと、運動ジムでバイクを漕いでいたら何ともご機嫌なサウンドが聞こえてきた。
すぐに「アバ」だと分かったがこのところBGMで度々かかっていて、丁度「曲名」を知りたいと思っていたところだった。
そこで、バイク漕ぎを中断し勇気を奮ってトレイナーさんに「今かかっている曲名を教えてくれませんか?」
するとチューナーの小窓を見ながら「はい、アバのDon’t Shut Me Downです。」「どうもありがとう」
アバといえば40年以上も前のグループ(スウェーデン)である。好きなサウンドなのでCDも何枚か持っているがこんな曲目あったっけ?
自宅に帰ってググってみると、なんとアバが旧メンバーで再結成して新しいCDを発売したとのことでびっくり。
「ABBA復活!完全新作スタジオ・アルバム『Voyage / ヴォヤージ』11月5日(金)発売決定! 「I Still Have Faith In You」と「Don't Shut Me Down」の新曲2曲が先行配信中! 日本盤CDは、ベスト盤やDVDが付属する3形態を含めた全4形態で発売 」
さすがに画像だと全員の「容色の衰え」は争えないが(笑)、ハーモニーの美しさは相変わらず見事なもので今でも十分通用しそう。
丁度2年前にも似たようなパターンがあったのを思い出した。再掲してみよう。
「つい先日のこと、運動ジムでエアロバイクを漕いでいたら「BGM」で何ともご機嫌なサウンドが聞こえてきた。このところ、聴くと心が浮き浮きしてきていつも気になっている曲である。
バイクを中断して、たまたま接客してなかったトレーナーさん(妙齢のすこぶる美人ですぞ!)に、「今鳴っている曲のタイトルは判りますかね?」と尋ねてみた。
すると、チューナーの小窓を見ながら気さくにメモしてくれた。
「どうもありがとう、あれ、テイラー・スウィフトですか!」
いくらオジサンでも「テイラー・スウィフト」ぐらい知ってるよ~(笑)。
「反トランプ」を旗印にしており、アメリカの若者に絶大な人気を誇る美人歌手である。
さっそく、自宅に戻ってから「You need to calm down」(「もっと頭を冷やしてよ」ぐらいの意味かな)でググってみると、8月下旬にリリースされたばかりで、いきなり「ビルボード誌」で2位にランクされた超ヒット曲だった。道理で・・・。」
とまあ、以上のとおりだがこれが縁でこの女性とは今でも軽口を叩く仲だが、目が合うと「まだ音楽をきいてますかあ」「うん、聴いてるよ。そのうち旦那さんと一緒に聴きにおいで~」「ハ~イ」
まあ、無理だろうけどね(笑)。
さて、「アバ」の新曲は運動効果を期待したうえでの思わぬ副産物だったが、日頃からモーツァルトのオペラ「魔笛」を愛でながらも、こういう通俗的なポピュラー音楽にも興味を示すなんて、もしかしてあまりの落差に驚く向きがあるかもしれない。
そこで、この機会に音楽の「ジャンル」へと話を発展させてみよう。
「職業に貴賤はない」というが音楽のジャンルだって同様で、クラシック愛好家がその他のジャンルを見下すことがあってはならないと自戒しているが、そもそもの区分の考え方は(受け売りだが)次のとおり。
「音楽のジャンルを分ける基本中の基本は西洋音階(ドレミファソラシド)とそれ以外の民族特有の言語としての音階をもとに作られた音楽との二種類に分けられるという。
そして「クラシック音楽の定義」となると一見簡単そうに見えて意外と手ごわい。そもそも定義なんてないに等しいが、結局のところ、古さ(歴史)、曲目の奥深さ、作曲家自身の多彩な人間像などがポップスなどとの境界線になる。」
さて、本格的なクラシックの歴史がバロック時代(1600年~)からとすると今日までおよそ400年余り経過したことになる。
その一方、絵画の世界ではダ・ヴィンチの傑作「モナ・リザ」が描かれたのが1500年頃だからこちらの方が100年ほど古い。
西洋芸術の粋は「音楽」と「絵画」に尽きると思っているが、いったいどちらに優位性があるんだろうと、ときどき妙なことを考えてしまう。
ついては、ずっと以前の朝日新聞の「天声人語」にこんな記事が載っていた。
「絵画は音楽に負ける」と冒頭にあって「音楽に涙する人は多けれど、絵画で泣いた話はめったに聞かない」とあり、興味深いのは音楽側の人の発言ではなく、昭和洋画壇の重鎮、中村研一氏の言ということ。
耳からの情報は五感の中でも唯一脳幹に直結しており、感情が生まれる古い脳に最も近い。
だから、音楽を聴いて一瞬で引き込まれ、涙することもある。音楽の効用の一つに感情の浄化だと言われるのはそのためだ。
この天声人語の最後はこんな言葉で結ばれている。
「心がうらぶれたときは音楽を聴くな」(笑)。
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