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「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

魅惑の「オーディオ実験」~直熱三極管の両雄~

2018年11月26日 | オーディオ談義

魅惑の「オーディオ実験」シリーズの第二回目は前回の予告どおり真空管アンプの聴き比べといこう。

我が家には現在真空管式のパワーアンプが8台あって、うち1台は知人に貸し出し中である。

ざっと挙げてみると、

WE300B(1988年製)シングル、PP5/400シングル(PX25兼用)、2A3シングル(貸し出し中)、6A3シングル(300B 兼用)、171シングル1号機、2号機、171Aプッシュプル、6SN7シングル

こうやって何の気なしに書いてはみるものの、はたしてどれだけの読者がピ~ンと来られているんだろうかと思うと冷ややかな秋風が身に沁みてくるような気がする(笑)。

とにかく真空管アンプは圧倒的な少数派に属している。ましてや今から90年も前の1930年代前後の古典管を使っているとなると、もうあまりの少数ぶりに「ため息」が出そうだ。

まさに多勢に無勢で古典管の魅力は使った人しか分からないのがとても残念。要らん世話だがその魅力をもっと声を大にして叫びたいほどだ。

それにしてもレコードプレイヤーとかスピーカーとかには、やたらに熱心な愛好家が目につくが、これが真空管アンプとなるとサッパリ話題にも上らず、その重要性があまりにも「なおざり」にされているケースが多いように見受けるのはどうしてだろう


スピーカーとアンプは相互に依存しあう運命共同体であり、セットを前提にしないと何にも物が言えないのに~。

本題に戻って、「どうしてお前はそんなにアンプが必要なのか?」と、ご不審の方も多いと思うが、それぞれの真空管には独特の個性があってスピーカーとの相性も加わり捨てがたい持ち味があるとだけ言っておこう。

ただし、持ち主の嗜好の枠を抜け出て他人に自信を持って聴かせるとなると、やはり定評のあるWE300BとPX25の両アンプに落ち着くのは仕方がない。

ぐだぐだと、身勝手でくだらない前置きが長くなったが(笑)、いよいよ本題に移ろう。

日変わりで来ていただいた二組のお客さんたちを前にして、さあ、どちらがウェストミンスターをうまく鳴らしてくれるのだろうかということで、

実験その2 <WE300BアンプとPX25アンプの聴き比べ>

北国の真空管博士によると「直熱型三極管の両雄である「WE300B」(アメリカ)と「PX25」(イギリス)との両方を鳴らしている方はなかなかいませんよ。」とのことだが、それが九州の片田舎にいるんですよねえ(笑)。

         

左側がPX25シングルアンプ、右側がWE300Bシングルアンプで久しぶりの
一騎打ちである。ちなみに「真空管アンプのカギはインターステージトランスにあり」と、されているが両者ともに使っているのは「UTC」ブランドである。

これまでにもたびたび両者の実験をやってきたが今回は試聴環境がガラッと変わっている。前述したLCネットワーク方式への転換をはじめ、ウーファーの交換、プリアンプ自体も変わっている。

しかもつい最近「PX25アンプ」は北国の真空管博士によって以前よりもはるかにブラッシュ・アップされているのでお客さんたちの反応が興味津々。前段管の「SX-112」(トリタンフィラメント)はたいへんな希少管で、出力管PX25とのコンビで鳴らしているケースはおそらく世界中で我が家だけだと思う。

出力管と前段管もこれまた運命共同体で、両者をセット
にしないと物が言えない。 

そして、もったいぶらずに両者の死闘の結果を結論から先に言えば、周波数レンジ、奥行き感、力感、スケール感いずれをとっても「甲乙つけがたし」で、さすがに直熱三極管の両雄だったがわずかなところで「WE300B 」アンプに軍配が上がった。

音がふと鳴りやんだ時の音響空間における余韻の漂い方に一日の長があったのである。これは真空管の差というよりも、ツクリの差で、たとえば「各真空管のヒーター回路が別になっている」「銅板シャーシの恩恵=磁界の追放」といったところに原因を求めるべきだろう。

ここでPX25の親分筋にあたる「PP5/400」(英国マツダ:最初期版)に換えるとどうかなとも思ったが、ずっと鳴らしていないのでエージングが必要であり今回のテストでは諦めた。

何しろ自分ごときが日頃使うのにはもったいなくて、お盆と正月しか使わないようにしているので(笑)。

いずれにしても、この種のスピーカーで本格的な低音を出そうと思えば「KT88プッシュプル」アンプあたりじゃないと無理だと思っていたが、僅か数ワットのシングルアンプでこれだけの低音が出るとなるともう毎日が楽しくて笑いが止まりませ~ん(笑)。

さて、次回の実験ではウェストミンスターの上に載せるツィーター(4000ヘルツ~)の聴き比べといきましょうかね。

JBLの「075」と「175」、デッカの「リボン型ツィーター」、ワーフェデールの「スーパー3」(ウッドホーン付き)の四者に亘る死闘が繰り広げられた結果、実に意外な結末を迎えた。

詳細は次回で。

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