「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

18インチの低音ホーン

2017年02月18日 | オーディオ談義
メル友の「I」さん(東海地方)はとてもオーディオに熱心な方で、自分と同様に4系統のシステムを愛用されており、メールのやり取りを通じていろいろ苦労話をお伺いしていると、実際にシステムを聴かなくても「きっといい音がしているだろうなあ。」と思わせるものがある。長年の勘でだいたい分かる(笑)。

その「I」さんからつい先日、次のようなメールが飛び込んできた。

「〇〇さんから、18インチのドライバーを使った低音ホーンを聴きに来ませんかとお誘いがありました。
 
写真にありますのがその低音ホーンです。
 
一辺80数cmのダンボール製です。ドライバー取り付け部は重い木材です。18インチドライバーは映画館で使われていたものだそうです。 
 
音です。いいです。
 
生の音楽の音です。上質なコンサートでは、空気感が一変し、音楽の躍動感が溢れます。そういう低音です。
 
私は、コンクリートホーン等の低音ホーンを、今まで聴いたことがありませんでしたが、なるほどの低音です。低音ホーンは、当方が手を出せることではありませんが、いい経験になりました。」
 
今後の計画も伺いました。このホーンは一辺120㎝に拡大するそうです。最終形は5ウェイになるとのこと。できていく過程を聴かせてもらえると思いますので、大変楽しみです。

            

18インチのユニットといえば「1インチ=2.54センチ」だからおよそ46センチ口径のユニットとなる。

これはもうまったく別世界の音だろう。「段ボール製」というのが、いたく気に入って興味が湧いたので「I」さんから教えていただいた〇〇さんのブログも拝読させていただいたが、その中にとても気になる一節があった。

「音は自然です、と言うより他はないです。箱のスピーカーはどう聴いても、人工物から音が出ているなー、と感じますが、このホーンではスピーカーが空気に触れる、触れ方が自然な為、音像の有り方が誇張される事なく、きわめて自然です。」

日頃から箱に容れたスピーカーに馴染んでいる人間には「人工物から音が出ている」なんて思いだにしないが、もしかして耳が麻痺しているのかもしれない。とにかくホーン主義の方の耳には箱に容れた音がそう映っているのかと、とても興味深い。

長年オーディオに打ち込んできたが最大の難関は低音域の量感と分解能の両立だと思っている。この分野は先達が研究に研究を重ねられていて、とても自分のような未熟者がしゃしゃり出る資格を有しないが、これに対するアプローチの一つがホーンの活用になるのだろう。

すべてプラス、マイナスがあって総合的な視点が求められるオーディオの世界においては、ホーン型式にもプラスとマイナスがあるような気もするが
総じてヨーロッパ系のSPユニットは箱に容れることを前提にして作られている。

たとえば極端な例としてあのグッドマンの「AXIOM80」は、箱の中でユニットの背圧(ユニットの後側へ出る逆相の音)を利用して「ARU」なる器具で低音を出すようにしているほどだ。


その反面、アメリカ系のユニットは箱の利用にはそれほど拘らずユニットの持つ能力をフルに生かそうと「力勝負」みたいなところが見受けられる。JBLのユニットなどはその類だが、これはこれでなかなか捨て難い味がある。
 
いずれにしても、「百聞は一聴に如かず」この46センチ口径の大型ホーンの音をぜひ聴いてみたいものだ。 
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