「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

年の瀬に一時行方不明になったプリアンプ

2014年01月02日 | オーディオ談義

「今さらなんだ!」と、お叱りを受けるかもしれないが、このところとみにプリアンプの重要性に目がいくようになった。プリアンプの性能次第でシステム全体の音質が大きく左右されるのでユメユメ油断できない。

現在、プリアンプは3台あり、その中でメインとして使っている真空管式のプリアンプは、非常に熱心なマニアの自作による逸品で昨年初頭に譲り受けてからずっと愛用している。

どこと言ってさしたる不満はないものの、そこはそれオーディオマニアの常で日頃聴いているうちにソースの録音具合によってつい欲が出てしまうときがある。

そこで、例によって厚かましくもオーディオ仲間のMさん(奈良)に持ちかけてみた。「もう少し高域の抜けの良さが欲しいですね、またもっとローエンドへの伸びが何とかなりませんかね?もちろん、やってみたけど思うような効果が得られないという“ダメ元”でも結構ですが。」

おそらくMさんのことだから“よもや知らんふりはなされまい”と、織り込み済みだったのだが、こちらの“読み”どおり「念のため点検してみますので送付してください。」と、年の瀬の押し迫った中でご快諾をいただいた。

「善は急げ」とばかり、プリアンプを送付したのが12月19日(金)で、順調に翌日の午後にMさん宅へ到着。大型のプリアンプなので送料は1580円なり。こういう調子でどれだけクロネコヤマトさんに儲けさせてあげたことだろうか(笑)。

すぐにMさんからメールが来て「無事到着しました。先ずは現状をもう一度把握してからにしたいと思います。」と、試聴していただいた結果、どうやら改善の余地ありとご判断された模様で「しばらく時間をいただいて方針を立てます。」とのこと。

「もちろんです。どうかよろしくお願いします~。」

その結果、改造箇所はプリアンプの音質のカギを握るともいえる「カップリング・コンデンサーの銘柄と容量の変更」「使っている電圧増幅管6DJ8にかけるプレート電流の変更」の2点に落ち着いた。

丁度3連休中で、予定の銘柄のコンデンサーの入手に時間がかかったが無事在庫があって連休明けに到着。それから、すぐに作業に入られた。

そして、今、試聴に入り聴きながらメールしています。これで、良いと思いますが念のためじっくりと聴きこんでから出荷日を決めたいと思います。今しばらくお待ちください。」

と、いった具合に試聴を繰り返しながら細かな手直しをしていただいてようやくゴーサインが出たのが26日(木)。

この「試聴の繰り返しによる手直し」がアンプづくりの大事なポイントで、Mさんはバッハをはじめ無類のクラシックファンで「音楽が分かっている方」なので安心して任せられる。「クラシック好き」と「技術」が両立したアンプ製作者は実に得難い存在だといつも痛感している。

結局、「これで良し」というわけで28日(土)発送の、到着は29日(日)の16時~18時指定としていただいた。

「明日は待ちに待ったプリアンプがやってくる。さあ、どんな音になったことだろうか」、あまりの期待から前夜はあまりよく眠れなかった(笑)。

そして、29日は朝から一日千秋の思いで待つことしきり。スペアとして使っているプリアンプへのケーブルの接続などもすべて取り外して受け入れ態勢は万全。日課になっている娘(帰省中)とのウォーキングも15時半までに早々と済ませて自宅待機。

ところが・・・・。予定の時間帯になっても到着しない!

とうとう20時近くになっても到着しないのでたまりかねてクロネコさんの専用電話にかけてみた。受付嬢に荷物の伝票番号を告げてから「いったい、どうなってるんですか!」と、チョッピリ大人げなく叫んだ(笑)。

「すみませ~ん。年末で混んでいるようです。お荷物の所在が分からなくなってます。まだ集配所には届いてないみたいです」

「そんなあ・・・・」と、思わず絶句した。荷物が行方不明になるなんて初めてのことで、クロネコさんにしては珍しい。きっとアベノミクスで景気が上向き加減なので年末の輸送量が予想以上にドカンと増えたのに違いない。

とりあえず「無事到着」の一報を待って心配しているに違いない発送元のMさんにメールした。「連絡をお待ちでしょうがこの時間(19:48)になっても 未着です。年末で混んでいるのでしょう。 したがって明日、再度ご連絡いたします。」

「そうなんです!クロネコヤマトの追跡調査をしたところまだ奈良の〇〇(集荷所)から更新されていないので今晩は未着かもしれませんが、余計に期待感が倍増されて音が良くなるかもしれませんよ。 」と、いつもユーモアを忘れないMさん(笑)。

こうなれば仕方がないと腹を括って翌日はおそらく早々に持ってくるだろうと諦めて就寝したところ、これがまた甘かった。

翌日の早朝の電話でも「探していますがまだ集荷所に到着してません。」

そのうち、とうとう「只今混みあっていますのでおかけ直しください」の「人工音声」一点張り。自分のような問い合わせが殺到しているに違いない。それならばと、パソコンに伝票番号を入力して検索してみるも「発送中」の表示だけで、まるで「暖簾に腕押し」状態。

おそらく「ヤカマシイお客がいる」と情報が伝わったのだろうか、心配して当方のエリアを担当しているクロネコさんの配達マンが駆けつけてくれた。「荷物を入れる棚が一つ間違うととんでもないところに行きます。まだ誤配送の連絡が入ってませんので大丈夫とは思いますが・・・」

「エ~ッ、お金には代えられない世界に一つしかないプリアンプなんですよ!」と、こぼしてみるもののその人の責任でもなし、ひたすら待つしかないようだ。

結局、到着したのはとっくに夜の帳(とばり)が落ちた19時半ごろ(30日)だった。ああ、行方不明にならずによかった!

          

これがプリアンプの全容で、右上の真空管(2本)の下部の水色でボカして囲んだ部分が生命線とでもいうべき「カップリング・コンデンサー」の入れ替え箇所で、マイカ・コンデンサーを含めて4種類の上質のコンデンサーをパラって接続してもらいました!

さっそく、ケーブルをつなぎ真空管(ザイレックスのECC88)を挿入して試聴に入った。スピーカーはもちろん「AXIOM80」。試聴盤の方は録音の良さを買って、例の「石川さゆり」の8400円のCD。

一聴しただけであまりの音の瑞々しさに驚いた。ギターの音色がとてもいい。しかも低音域への伸びも申し分なし。これは素晴らしい!

これまでが80点とすると明らかに90点は上げられる。後はコンデンサー類がまだ新しいのでエージングをジワジワ続けていけば95点は確実。

同じ「AXIOM80」愛好者のKさん(福岡)によると「パワーアンプに比べてプリアンプはとても難しいです。本格的にいじれる人はそうそうはいませんよ。」とのことだが、1年の締めくくりに当たって最高の音を送り届けてくれたMさんにただ、ただ感謝です~。

このプリアンプは出力が
3系統あるので、2系統をそれぞれ異なるエンクロージャーに入った「AXIOM80」(いずれもフルレンジ)、残る1系統はJBL375ドライバー(16Ω)に繋いだ。

これでいよいよ「無敵艦隊」の出来上がり~。2014年は「酒とバラ色の日々」になるのは間違いなし(笑)。
 

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