先日(3月26日)、我が家にお見えになったSさん(福岡)は生粋のブリティッシュ・サウンド愛好派である。
使用されているアンプとスピーカーはすべてイギリス製だし真空管にしてもアメリカの球はいっさい見向きもされない。自分のように音がいいとなれば国籍を問わず何でもかんでも飛び付くノンポリ派とは大違いである(笑)。
当日の試聴中に丁度いい機会とばかり相談を持ちかけた。
「このところ気になっているのがAXIOM300の高域部分です。今でも十分鳴ってくれているのですが、ツィーターを加えるともっと良くなりそうな気がして仕方がありません。
折よく、ワーフェデール(イギリス)のコーン型ツィーター(アルニコ・マグネット)がオークションに出品されてますがトテモ迷ってます。明後日の月曜日(28日)が落札日になってますがどうしたもんでしょうかね?」
「ワーフェデールはとてもいいですよ。実はAXIOM80を購入するときにどちらにしようかと随分迷いました。ツィ-ターをあらぬ方向に向けたりしてコンサートホールの雰囲気の再現を目指したメーカーです。クラシック音楽の鳴らし方をよく知ってますが、どうしてもボーカルの定位が物足りなくてAXIOM80にしました。しかし、今でも未練があります。とてもいい買い物だと思いますよ。グッドマンのウーファーとワーフェデールのツィーターの組み合わせは最高でしょう。」と、Sさん。
「そうですか・・・。」
迷いが吹っ切れたので、ひとつトライしてみますかな~。口径がわずか10センチそこらの小型ユニットである。マグネット部分が赤色というのは「AXIOM80」もそうだが、「赤色にハズレなし」という伝説があるのをご存知だろうか(笑)。
入札数が20件にも及びかなりの人気だった。予想外の高値に渋い顔だが、墓場にお金を持って行けるわけでもなし、ま、いっか。
出品者と順調に連絡を取り合って、いよいよ本日(金)に到着予定。
さ~て、どういう使い方をしよっか。
1案 AXIOM300はフルレンジのままにして、ワーフェデールをマイカコンデンサーでローカットして超高域分だけ使う。
2案 2ウェイ式のネットワークを使って周波数を分割する。
1案が一番無難な使い方だが、そのうち欲が出てきて2案に移行するのは目に見えている。そこで手頃なネットワークがないかしらとオークションを覗いてみると丁度いいのがあった。
パイオニアの「DNー7」である。12db/octで16Ω式、2ウェイ/3ウェイの切り換えが出来るようになっており、2ウェイのときは4000ヘルツがクロスオーバーとなって丁度頃合いのいい数値。メチャ手頃なお値段だったので即決で落札。
おそらく高域用のアッテネーターが要るだろうが、来てから考えましょう。この「DN-7」も本日(金)到着予定。
スピーカーはフルレンジに限ると思うが、2ウェイなどに発展させるとヴァラエティが豊かになり手間と時間がかかること請け合いで暇つぶしにはもってこいである(笑)。
最後に、Sさんから「モニター・シルヴァー入りのオリジナルのタンノイ・オートグラフ」の続報が入ったので紹介しておこう。
「日本にやって来たシルバーinオートグラフは、思った以上に調整に時間が掛かっていて、試聴が出来るようになるのは4月の後半以降になる様です。何しろ60年以上も前の製品ですから仕方がありませんね。
そして、既に購入希望者が7名も居るそうです。TEACからは自社主催の試聴会を開催したいので、売却する前に一度貸し出して欲しいとの依頼があってるみたいで、実際に売りに出されるのは、もっと先の事になりそうです。しかし、店主は売却先をどうやって決めるのでしょうかね?」
こう返信した。
「あんなに高額なのに7名も購入希望者がいるとは驚きです。売却先は結局、札束で両方の頬っぺたをヒッパタいてその回数の勝負ということでしょうかね。久しぶりにオーディオ界に衝撃が走りましたが、オーディオにも血沸き肉躍るような夢が必要な気がしてきましたよ(笑)。」
すると、こういうメールが届いた。
「残念ながら私は一回しかヒッパタけませんので端から勝負になりません。しかし、歳はとってもオーディオファイルの情熱、まだまだ覚めやらずと言ったところでしょうかね。最終的にどうなるのかは全く予測がつきませんが、WINNERが中韓でない事を祈るのみです。」
そうなんですよねえ・・・。