「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ訪問記

2012年10月08日 | オーディオ談義

7日(日)はかねて予定のオーディオ訪問日。9月の末頃に来ていただいた別府市内のYさん宅に、オーディオ仲間の湯布院のAさんともどもお邪魔した。

我が家に来ていただいたAさんと連れだってYさん宅に着いたのが13時45分。初めての訪問なので道に迷った時の心配をして早めに出たのだが、分かりやすい目印を教わっていたのですぐに発見。14時からのお約束だったのに早めに着いてしまった。

広い敷地でこれならご近所に気兼ねなしに音楽を楽しめると思えるほどの邸宅だったが、玄関の呼び鈴を鳴らして、出てこられたYさんに、「どうも、どうも、早めに着いてしまいました。」

YさんとAさんは初対面なので、玄関先で自己紹介の後すぐに専用のオーディオルームへ。

            

人のオーディオシステムを拝見するのは実に楽しい。

先ず綺麗に整頓されているのに感心した。正面から見えるのは左の電源コードだけで、ピンコードやSPコードはいっさい見当たらない。我が家の乱雑振りと比べると、まったく穴に入りたくなるほどだが、まあ、我が家は3系統のシステムだし、テレビも置いてるしと内心、自分を慰めながら機器類のご説明を受けた。

プリアンプ(デジタル)、CDプレーヤー、パワーアンプはいずれもアキュフェーズの製品。取り分けパワーアンプはP-5000のBTL接続だそうで、その理由はご覧のとおりSPシステムのユニットの数が多いため、低インピーダンスに対処するということですぐに納得。

我が家でもウーファー(低域用ユニット)が片チャンネル4発なのでインピーダンスが2Ω(8Ω÷4)になってしまいアンプが(オームの法則により)電流供給上、悲鳴を上げるので同じように片チャンネル1台のパワーアンプにより4Ωにしている。

それにしてもスピーカー・システムがなかなかユニークなので詳しくお伺いすると、Yさんは「長岡鉄男」さん(故人:オーディオ評論家)の信者(?)だったそうで、幾多のSPユニットを使っての自作は数知れず、まだその名残の製作品が倉庫に眠っているとのことで成る程。

写真でご説明すると、中央寄りのSPがスーパー・ウーファー、ユニット2発がウーファー、8センチユニット9個が中高音域を受け持ち、ゴールド色のツィーターがその横に置いてある。

早速、試聴開始。

試聴盤はジャズだったが、「ほう、高域が盛大に出ているなあ」というのが第一印象。これに比べると我が家の高音はずっと、ずっと控えめ。しかし、次から次にずっと聴かせていただくうちにこれが普通かもしれないと思わせるものがあった。

五味康祐さんの名著「西方の音」には、他人のシステムを聴くのはひそかに自分の奥さんと比べているようなものであり、試聴中、常に物差しになっているのは我が家の音であって、簡単に取り換えるわけにもいかず(?)、最後にはそれなりの良さがあると自らを納得させる”くだり”があるが、言いえて妙で、大半のマニアはそういう心境に違いない。

そのうち自宅から持参してきた「サキコロ」と「ちあき なおみ」をかけてもらい、我が家での鳴り方と徹底比較してYさん宅の音の傾向については完璧に把握できた。

ひと通り聴かせてもらった後に、今度はYさんからフルートの実演を拝聴した。バッハの1節を吹いていただいたが実にお上手で感心したが、同時に生の音の艶めかしさには正直唸った。

「ウ~ン、自宅に戻ったらもっと高域のボリューム(プリアンプ)を上げてみようかな~。」

そうこうするうちに、Yさんのオーディオ友達のUさんがお見えになったので4人でそれぞれのオーディオの苦労話に花が咲いた。お伺いしてみるとそれぞれ言うに言われぬ苦労を重ねてきたわけだが、苦労というよりも大いに楽しませてもらったというのが本音だろう。

いろんな話題の中に団塊の世代が30代の頃がオーディオ全盛の時代で、今やオーディオは見る影もなくなったという話が出た。本格的なオーディオの楽しさ、素晴らしさを後世にどう伝えていけばいいのか、これはオーディオを精一杯楽しませてもらった世代に課せられたテーマかもしれない。

とはいうものの、「賢者は人から学びたがる」「愚者は人に教えたがる」(チェーホフ)とあるのだが、ただ一つ、あえて言わせてもらえればオーディオの楽しさ、奥深さをもっと味わおうと思えば是非、積極的に他人の家のシステムを聴かれることをお薦めしたい。
 

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