「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

魅惑の真空管アンプ~その9~

2016年11月17日 | 魅惑の真空管アンプ

このシリ~ズもとうとう9回目になった。「前回からの続きです」と、いきたいところだが、もし初めから事情を知りたいという方は「カテゴリー=魅惑の真空管アンプ」を設けていますのでどうぞ~。

さて、主人公の「6FD7」アンプだが「異人さんに連れられて」放浪の旅に出たのは去る5日(土)のことだった。

それから福岡県の2か所、兵庫県の1か所と他流試合を経て我が家に戻ってきたのがこの14日(月)。

その結果だが、採用が1件、不採用が1件、保留が1件ということだった。採用、不採用ともに奇しくも相手のスピーカーはタンノイさんだったのがご愛嬌(笑)。それも、より低音域が重視される大型システムの方で採用となり、小型システムの方で不採用となったのはこのアンプの重厚な性格をよく表わしているようだ。

兵庫県の別のマニアの方がJBLの「150-4C」(38センチ・ウーファー:片チャンネル2発)の鳴りっぷりが気に入られて、即注文となったのも頷ける。

さらにまた、使われているプリアンプとの相性によって命運が分かれた可能性も否定できない。

なにはともあれ、10日ぶりに我が家に戻ってきたこのアンプを遊ばせておくのは勿体ない。不在中、2台のアンプを繋ぎ替えて楽しんでいたが、今度は改めて実力確認の意味で胸をワクワクさせながら3台による聴き比べを実施した。

       

相手が定評のある「71系」アンプ2台とくれば、不足はなかろう。左側から順にアンプを紹介しておくと、

「471-B」アンプ

前段管が「6SN7GTB」(ボールドウィン)~出力管「471-B」(デフォレ)~整流管「380」(カニンガム)

「6FD7」アンプ

改めて言うまでもないがテレビ用の真空管「6FD7」(複合管)を使っていて、整流管は「6BW4」。出力トランスは個人の手巻きによるもので、製作者によると周波数特性は「7ヘルツ~4万ヘルツ」というから驚異的な数値を誇っている。

道理で、こんな小さな図体のアンプからあんなに深々とした低音が出るはずである。このトランスが(このアンプの)「陰の主役」といっても過言ではあるまい。

「371ーB」アンプ

前段管「AC/HL」(英国マツダ:ナス管)~インターステージ・トランス~出力管「371-B」(カニンガム)~整流管「OK-X213」(メッシュプレート)

そして、試聴に使ったシステムは次のとおり。

CDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS)~DAコンバーター「27iXVer3.0」(ワディア)~上記の3台のパワーアンプ~スピーカー「AXIOM150マークⅡ」で、プリアンプは抜き。

結果からいくと3台とも「いずれアヤメかカキツバタ」、ほんとうに惚れ惚れするような鳴りっぷりだった。

強いて言えば、「471-B」アンプのゲインが少々高過ぎてDAコンバーターのボリューム位置が「30/100」程度となって、どうしても不利な状況となり、この場合に限ってはプリアンプを噛ました方がよかった。

残るは「371-B」アンプと「6FD7」アンプとの一騎打ち。両者ともゲインが同じくらいでDAコンバーターのボリューム位置が「60/100」程度で丁度いい塩梅。

音の陰影というか、彫の深さからいくと「371-B」アンプに軍配が上がり、音の立ち上がり、立下りといった「スピード感覚」から言えば、やっぱり「6FD7」アンプの方が一枚上。

こうなると、もう好き好きだがクラシックもジャズも両方聴きたいと欲張るとなれば明らかに「6FD7」アンプだろう。

ただし、先日購入したフルトヴェングラー・ボックス」の中のオペラ「魔笛」(1951年版:ライブ)を聴くと、明らかに「371-B」の方が舞台の雰囲気の再現性に優れていた。さすがに1930年代の古典管の面目躍如という気がした。

したがって「6FD7」アンプは優れた近代録音盤の方とマッチングがいいといえる。

それに面白いことに気が付いた。「AXIOM150マークⅡ」をウェストミンスターの上に置いているので頭の上から音が降ってくる感じがあったが、「6FD7」アンプに切り替えたとたんに音の重心が見事に下がり耳の高さで音が出ている感覚に襲われた。音にも目方があるのかと驚いたほど(笑)。

それにしても誰が聴いても、「これがアンプとスピーカー合わせて10万円前後の音?」とはきっと信じられないに違いない。


最後にピンコードについて。

実は「これを使ってみてください」と、つい最近いただいた「ウェスタンの単線」を使ったピンコードがある。いろんな線材を試されて、ようやくこの単線に行き着かれたそうだ。

          

実はその昔、ピンコードや電源コードで音の変化を大いに楽しんだ時代があったが、そのうち飽きてしまって「どうせ50歩、100歩」と思うようになった。

したがって、今回のピンコードもその類だろうとあまり乗り気ではなかったが、実際に使ってみて音が激変したのには驚いた。それもDAコンバーターとパワーアンプを直結するときに使うと威力絶大の効果を発揮した。音が艶やかになって生気がより一層出てくるのだ!

さっそく14日(月)の夜、注文した。「是非同じものがワンペア欲しいです。お金は払いますから~。」(笑)。

 

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