「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

魅惑の真空管アンプ~その6~

2016年11月01日 | 魅惑の真空管アンプ

今回のブログはテレビ用の真空管「6FD7」を使ったアンプが登場するので「魅惑の真空管アンプ」シリ~ズとして分類しておこう。また、カテゴリーとして新たに「魅惑の真空管アンプ」を15番目に設定したのでバックナンバーをご覧になりたい方はどうぞ~。

さて、去る29日(土)、およそ9か月ぶりに我が家にお見えになったSさん(福岡)。

その間、我が家のシステムの方もかなり変遷しているので頭が混乱しないように事前に主要なテーマを設定しておいた。

 新たに導入を決定したデモ用アンプ「6FD7」の試聴

 ウェストミンスターの箱に容れた「AXIOM110」(25センチフルレンジ)を核とした3ウェイシステムの試聴

 「AXIOM300+スーパーツィーター」の試聴

 大改造した「PX25アンプ」の試聴

 我が家のベストの組み合わせを探る

こうして書き上げてみると、改めて9か月間にすっかりシステムが様変わりしていることに驚くが、はたして変化することがいいことなのかどうか、確たる自信があるわけでもない。こういう状況のもとで同じスピーカー「AXIOM80」(グッドマン)を愛用している仲間から意見をもらうは大いに参考になる。どうせ「似た者同士」だが(笑)。

午前9時半から午後3時まで昼食を挟んで、5時間半みっちり試聴してもらいながら意見交換を行ったのでその模様をおいおい述べていくとしよう。

まずから。

           

関西のMさんに貸出していた「6FD7」アンプだが、この日の試聴のために27日(木)に約束通り返してもらった。余談になるがMさんはなかなかお気に召されたようで既に製作を依頼されたとのこと。

さて、この日は始めから我が家のエース級のシステムで聴いてもらうことにしたので日常用のワディアのDAコンバーターの出番はいっさいなし。したがってシステムの構成は次のとおり。

CDトランスポート「ラ ヴェルディ スカラ」(dCS) → DAコンバーター「エルガー プラス」(dCS) → プリアンプ「大西式プリ」 → パワーアンプ「6FD7シングル」 → スピーカー「AXIOM110+ワーフェデールのコーン型ユニット+JBL075ツィーター」3ウェイシステム

スピーカーを前半の部(午前中)は同上のとおり3ウェイを、後半の部(午後)はフルレンジに分けて、試聴することにした。

はじめに、女性ボーカルを聴いていただいたが、Sさんの第一声は「低音域のエネルギー感は目を見張るものがありますが、中高音域の透明感というか抜けは今一つですね~。」

長いお付き合いを背景に、思ったことをズバリと指摘されるのがSさんのいいところ(笑)。

「プリアンプを外してDAコンバーターのエルガー・プラスから直結にして聴かせていただけませんか。」

そういえば、ワディアとの直結はしょっちゅうやっているが、エルガーとの直結は滅多に試したことがない。これもボリューム調整機能が付いているので可能だ。RCAコードを差し替えるだけだから簡単そのもので1分で完了。

「いやあ、これは素晴らしい!何よりも気になっていた中高音域に透明感が出てきました。やっぱりプリアンプが邪魔していたんですねえ。この音はわたしの大好きなブリティッシュ・サウンドそのものです。6FD7アンプは私も是非欲しいですね。それに出力管もさることながら出力トランスの優秀性が際立っていると思います。」

広い帯域を身上とするこの出力トランスに目を付けられたSさんの慧眼には驚いた。

「市販されている機械巻きのトランスと違って個人の丁寧な手巻きによる出力トランスですからその効果は歴然としています。それこそ製作者は福岡市近郊の方だそうですよ。北国の博士が優秀性に着目され実際に使用されていますので折り紙つきです。このトランスの存在なしに、この音は語れないでしょう。」と、自分。

それにしても、Sさんは絶対的なプリアンプ使用派だと思っていたので「プリアンプを外す」というご提案は意外だった。

「ケースバイケースでプリアンプの程度次第ですよ。中途半端なものなら入れない方がいいです。この6FD7の特徴は無色透明なところにあるようですからスピーカーの個性をそっくり活かすならプリアンプ無しの方がいいと思いました。これがテレビ用の球だなんてとても信じられませんよ。」


さあ、ここから我が家の手持ちのアンプテストに入った。このDAコンバーター直結状態のもとで次々にアンプを取り代えて試聴した。何しろアンプの個性が一目瞭然に分かるのだからこたえられない。

そして「171シングル」「71Aシングル」「71Aプッシュプル」「2A3シングル」がいずれも枕を並べて討ち死に~。何も比較してやらなければ誇り高く生き残れたものを・・・、無念(笑)。

それにしても、このチビちゃんアンプ「6FD7」は出力トランスが出力管を生かしているのか、出力管が出力トランスを生かしているのか、どうも両者の主従関係がよく分からない。いい真空管アンプとはそういうものだろう。もちろん、独特の回路も良質な整流管も陰の主役だ。

なお、併せてのテストもしたわけだが、この“にわか作り”の3ウェイシステムは十分鑑賞に耐え得るものだった。自画自賛になるがフルレンジのときよりもずっと広帯域になってハーモニーにも違和感はない。

ちなみに前々回のブログで紹介した時と比べると、「~1100ヘルツ」は従来どおりだが、「1100~9000ヘルツ」はワーフェデールの「コーン型ツィーター」に、「9000へルツ~」はJBL「075ツィーター」に変更している。

高音域(9000ヘルツ~)に加えたJBL075ツィーターは、ブリティッシュ・サウンドとは異色の存在にもかかわらず「生かさず、殺さず」で、挿入したマイカ・コンデンサー「0.1μF」が功を奏したようだ。

以上で午前の部は終了し、昼食を挟んで今度は午後の部へ~。

いよいよ「PX25アンプ」による「AXIOM300+スーパーツィーター」、そして「AXIOM80」の駆動という我が家の生命線の登場だが、ここでも意外な展開に心の底からビックリ(笑)~。

以下、続く。
 

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