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「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~整流菅6本による「音質聴き比べ」~

2009年06月01日 | オーディオ談義

先日のブログで「真空管アンプは整流菅次第で”くるくる”音が変わる」と書いたところ、早速オーディオ仲間のM崎さんから「探してみたら自宅にGEの整流菅があったので試聴してみる気ある?」という申し出があった。

因みに整流菅とは家庭で通常使っている交流電流を直流電流に変換する真空管のことで真空管アンプの製作には必須の球である。さらにGEというのはアメリカのゼネラル・エレクトリック社のことで早い話が日本のナショナル(今は「パナソニック」)みたいな電気の大手メーカー。

こういう話は大歓迎なので早速試聴会を開催することに。期日は5月28日(木)の午後と定めた。

当日は雨模様の中、杵築からわざわざ来訪されたM崎さん。我が家には約半年振りくらいのお目見えである。「あれから結構、音が変わりましたよ~、しかしお気に召すかどうかは別問題です・・・」と、日頃から辛口のM崎さんにすぐに予防線を張る自分。

さて、持参していただいた整流菅が「GE」だけかと思っていたらうれしいことに「RCA」「マツダ」と3本も携行されていたので大喜び。

「よし、今日は徹底的に整流菅の聴き比べといきましょう」。

自分の手持ちが「STC」「マルコーニ」「WE422A」とあるので結局6本による「音質聴き比べ」となった。

                 
        STC5R4GY         マルコーニ5U4G     WE422A

                 
        RCA5V4G          GE5U4GB        マツダ5AR4

なお、自分の現在のシステムの概要はつぎのとおり。

 低域用(約300ヘルツ以下)

アンプ「ケンウッドL-01A」(メインアンプに改) → SPユニット「JBL130A」(ボックスはタンノイ・ウェストミンスター)

☆ 中高域用(300ヘルツ以上)

アンプ「PX25真空管アンプ」 → 中域用SPユニット 「アキシオム80」
                     高域用SPユニット 「JBL-075」

 CD関係  

トランスポート    「ワディア270」

DAコンバーター  「ワディア27ixVer3.0」

 iPod関係

「ワディア170iトランスポート」(電源は吉田苑のENE-BOXを使用)

以上のラインアップで、整流菅を挿しかえるのは中高域用のアンプ
「PX25」である。

さて、その試聴結果だが実に面白かった。

M崎さんによると「整流菅を挿しかえるだけでこんなに音が変わるんなら、アンプの購入や作り替えなんか必要ないな~」とまでおっしゃる。

たしかにソケットに整流管を挿しかえるだけの簡単な手間で、「今日はジャズを主体に聴こう」とか「クラシックを聴こう」なんて、相性のいい整流菅を選ぶことで実にヴァリエーションが豊富になる。

とにかく人間の脳は「マンネリ」を嫌うのでどんなに「いい音」だって毎日聴いていれば「絶対に飽きる」というか「違った音が聴きたくなる」のは冷厳な事実。

こういうときに、真空管アンプを使っていると整流菅や出力菅のいろんなメーカーのものを挿しかえることで様々な音の違いを楽しむことが出来るのはホントに大きなメリットである。

しかも、これらの球の性能自体の差はわずかなもので、あとは「出力菅やトランス、全体の設計回路との相性の問題」なので挿してみなければどういう音が出るかまったく読めないところがあってミステリアスな要素を秘めている。

それでは最後にそれぞれの整流菅の試聴結果を記しておこう。ただしこれは繰り返すようだが出力菅やトランス、設計回路との「相性」の問題であり性能自体を云々するものではないので念のため。おそらく違った真空管アンプとオーディオ装置ではまた別の印象を与えると思う。

 STC「5R4GY」

高域が華やかで派手な印象。どちらかといえばジャズ向きといえるがクラシックの場合は長く聴いていると疲れそう。

☆ マルコーニ「5U4G」

おとなしくてやや暗い印象で、まるで陰鬱な曇り空を思わせるような音。この整流菅でなければという説得力に欠けるが「浮かれた気持ち」を鎮めるときにはいいかもしれない。長い人生においてしんみりとこういう音を聴きたくなるときが必ずあると思う。

 WE「422A」

解像力優先の緊張感に包まれた音。寛いで音楽を聴くときにはややきつい感じでジャズ向きの印象。やはりルーツが同じSTCとよく似た印象を受けた。


 RCA「5V4G」 

音色に艶があって実に魅力的に鳴る。過不足のない印象で我が家の装置にはこれがベストだった。クラシックもジャズも両方いける。さすがに1959年製のオールド・タイプだけのことはある。真空管は「1940年代~1950年代製作のものがベスト」という言い伝えは伊達ではないことを思い知らされる。

 GE「5U4GB」

取り立てて特徴は無いが「中庸を得ている音」の一言。

 マツダ「5AR4」

低域も高域も両端によく伸びていてレンジがひろい印象を受けるが、これも長時間聴くとなると疲れる感じ。しかし、低域はこれが一番伸びていたのでオーケストラ向き。

以上のとおり、全くダメという整流菅は無かったのでこれら6本を1~2ヵ月ごとに挿しかえて聴くとマンネリ化防止になって新製品を購入する気が起こらなくなるのはありがたい。

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