このところ最近導入した「ひかりテレビ」の新型チューナーにすっかり嵌ってしまった。なにしろ100万もの曲目が聴き放題だし”頭出し”が簡単ということもあっていろんな曲目を指定リストに入れているが、その中でもよく聴いているのが「なごり雪」。
ずいぶん古い曲だが、隣室に居る家内にも音が洩れ伝わっているとみえて、日頃は音楽にまったく興味を示さないのに「♪ ~去年より ずっと きれいになった~ ♪」と“くちずさみ”ながら、「この歌いいわね!」と言う。
「そうだな~」と生返事をしながら「な~に、お前の場合は“♪~去年より ずっと シワ・シミ増えた~♪”だろ」と、思ったが、実際に口に出すと非常に恐ろしいことになりそうなのでぐっと我慢した(笑)。
それにしても我が家には音楽好きのマニアがいろいろお見えになるが、総じて「女性ボーカル」は人気の的である。
先日のブログでも紹介したように「母親の胎内に居るときから女性の声を聴いているので大人になっても郷愁を覚えて安らかな気持ちになる」という説も十分頷けると思っている。
それに年齢を重ねていくと、オーケストラやオペラなど大掛かりな仕掛けを要する曲目と段々縁遠くなっていく傾向があるように思う。実をいうと自分の場合、近年こういう曲は聴く前から何だか気分が重たくなってくるのである。ベートーヴェンのシンフォニーなどは最たるもので、なかなかCDに手が伸ばないが、音楽鑑賞といっても重量級ともなると何かしらの心的エネルギーが要るのかもしれない。
さて、去る4日(土)に我が家に来てくれたオーディオ仲間たち(3名:福岡)にも女性ボーカルは総じて評判が良かった。
藤田恵美さんのCDもそうだが、とりわけ好評だったのが「有山麻衣子」さんの天使の歌声。
さすがに「宇野功芳」(音楽評論家)さんが見込んでCD化しただけあって、「まるで心が洗われるような声!変に技巧をこらしていないので清純、可憐そのもので実に曲目とマッチしている。」と、感嘆の声が上がった。
内容は「十五夜お月さん」「七つの子」「牧場の朝」などの唱歌集(全24曲)。ちなみに、この分野では「鮫島有美子」さんが有名だが「CDを持ってるけど何だか魅力に乏しくて、何度も聴こうという気にならない。」と、どなたかから発言があったが自分もまったく同感。
この有山麻衣子さんのCDについては「是非、欲しい」との声が上がったものの、「コピーは法律違反になるしねえ~」と、ハタと当惑(笑)。
我が家のCDコピー機は「プレクスター」(現在発売中止)といって、今でも世間では評判がいいようだが、発売以来かなりの時日が経過していることもあり、度重なるOSの変化に対応しきれず、書き込み速度となると「4倍速」しか選択できないのでコピーに時間がかかり過ぎるのも難点。そういうわけで、この場では涙を呑んでもらった(!?)。
ところで、6日(月)の朝一で別の用事があって「AXIOM80」仲間のKさん(福岡)にご連絡したところ、用件の終わりがけに「4日(土)の試聴会の結果はいかがでしたか?」
「それがですね~、一番評判が良かったアンプは意外にも“刻印付き2A3アンプ”でしたよ。」
「エッ、71Aアンプでボーカルを聴いてもそうでしたか?」「はい、皆さんどちらかと言えば協奏曲や管弦楽などの重めの曲目がお好きなようでJBLシステムの出番もかなりありました。なかなか思惑通りにはいかないものです。」
「やや大がかりな曲目になると71Aアンプにはちょっと厳しいかもしれませんね。しかし、刻印付き2A3アンプが評判が良かったことは十分納得がいきます。この球は別格ですからね。」
今さらだがアンプやスピーカーの好みは日頃聴く音楽のジャンルによっても大きく左右されるようだ。たとえば、「AXIOM80」は自分のようにボーカルや小編成を主に聴くタイプには向いているが、大編成の音楽を好きな人には明らかに不向き。
音の好みは“人それぞれ”で、「スピード感重視派」や「スケール感重視派」などのいろんなタイプがあって、自分の嗜好が普遍的なものだとはけっして思わない方がいい。そういう意味では自分の愛器を冷静に見つめるいい機会になった。
ただ、ボーカルなどの小編成とオーケストラなどの重量級を両方とも十全に再生できる万能タイプのシステムとなると非常に難しい。片方を立てれば、片方が立たずで、繊細・緻密さと豪快さは両立しない。両方とも中途半端に再生するのならそういうシステムは要らない。
これには異論のある方もいるかもしれないが、もしボーカルを「AXIOM80」以上にうまく再生できるSPユニットがあるのなら教えて欲しい(笑)。
それにしても、あれだけ念を入れて4日の試聴会のために準備したつもりが、終わってみると機器の突然の不調などがあって反省点がいくつもあった。
多彩な感性を要するオーディオという分野で完璧を期すのはどうやら並大抵の努力では追い付かないようで~。
ま、本人の能力不足もあるのだが(笑)。