「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

音のスピード感

2014年10月04日 | オーディオ談義

さあ、今日(4日)は待ちに待った我が家でのオーディオ試聴会。

「音楽とオーディオ」好きの仲間たち(福岡高校の同窓生3名)が高速バスでやって来る。前回は4月上旬だったのでおよそ半年ぶりの再会となる。

今回も「出来る限りいい音を聴いてもらおう」と、このところ準備におさおさ怠りなかったが、実はこれまでのおよそ7回ほどの試聴会では、事後になって「しまった!もっと組み合わせ次第でいい音が出せたのに~」と後悔することばかりだった(笑)。

それもこれも、自分の耳が「イマイチ」のせいだが今回はどうやら完璧の態勢で迎えることが出来るようだ。

その安心感の由来は同じ「AXIOM80」仲間のKさん(福岡)。

タイミングよく2日(木)にお見えになって4時間ほどみっちり試聴してもらった結果、「これまで聴かせてもらった中では最高の音です!」とのお墨付きをいただいた。

この日もいろんな真空管を持ってきていただいて「球転がし」をしながら二人で痺れまくったが、その顛末をかいつまんで述べてみよう。

はじめに聴いたのが「刻印付き2A3」出力管アンプだが、Kさんが持参されたのは1930年代の「一枚プレート」のアクチュラスとシルヴァートーン。まず滅多に手に入らない高価な稀少管である。

これは横綱同士の戦いをみるようでいずれも甲乙つけ難しだったが、後者の方が製造年が古いだけ音の厚みの点で一日の長があるように見受けた。初心者向きの球とされる「2A3」だが、ピンからキリまであってこのクラスになるとまったく別物である。

ちなみに試聴盤(CD)はKさんが持参された「フルートソナタ集」(バッハ)。レーベルはフィリップスで奏者はラリュー。通常フルートといえばランパル(フランス)が有名だが、Kさんによるとラリューの方が音楽性が豊かとのこと。レコード盤で擦り減るほど聴かれて、CDで復刻されるとすぐに手に入れられたそうだ。

楽器の中でもフルートとギターの再生はシステムのアラをたちどころに出す傾向がある。音のスピード感が悪いと何の変哲もない音になってしまうが、その点、「AXIOM80」はスピードに関してはまったく不安がない。

ひとしきり、2A3アンプの試聴を終えて今度は「71A」アンプへ。

ここで、試聴盤にボーカルを加えてみた。先週の土曜日にお見えになった近所のYさんが優秀録音盤として置いていかれた「藤田恵美」さんのCD。

         

「まるで唇の動きまで分かるような克明な再生音です。これはスピーカーから出る音ではありませんよ。もう肉声に近いですね。類稀(たぐいまれ)な音のスピード感がないとこうはいきません。ずっと浸っていたい音ですねえ~」とKさんが感嘆しきり。

耳のいいKさんがここまで“べた褒め”されるのは極めて珍しい。

家庭にオーディオシステムを持ち込んで本格的に音楽を聴くとなると、とても一筋縄ではいかないのはマニアならご承知のとおり。再生するに当たっていろんな留意点があると思うが、低音や高音がどうとかこうとかいうよりは、「音のスピード感の有無」が一番ではなかろうかと最近思うようになった。ちと、遅きに失したかな~(笑)。

ただし「音のスピード感」といっても、ちんぷんかんぷんの方もいるだろうが、まあ、俗に言えば音の立ち上がりと立下りのときの時間的なスピードのことだが、おそらく1000分の1秒ぐらいの世界だから、こればかりは他流試合で自分の耳で体験して実感するしかない。

それにしても、71A真空管のなかでも最初期(1930年前後)に作られた「特殊な71」管の威力はもの凄い!最近になってKさんからのご連絡でオークションでペアを運良く手に入れたものだが、まさに僥倖だった。

また、これは個人的な意見だが「音のスピード感」は真空管の大きさにも関係してくるようで、名三極管とされるWE300BやPX25にしても図体が大きいだけスピード感が劣るような気がしてならない。

最近お見えになったお客さんのOさんやYさんもKさんと同様に口をそろえて、“71Aが一番いい”と感心されて帰られたたので、ここまで評価が揃うと実に頼もしい。

         

今日はきっと71Aアンプがオーデイオ仲間たちを心から驚かすに違いない。

もう今から胸がワクワクする~(笑)。
 

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