「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「二番手」が好きな理由~その3~

2022年08月20日 | オーディオ談義

前々回の「その2」からの続きです。

たった1枚のビニールシートをSPボックスの開口部(底板)に敷くことによって激変した「AXIOM80」(オリジナル:以下「80」)を、うまく鳴らせそうなアンプを次から次に登場させようというシリ~ズだが、その前にこのSPユニットの歴史に触れておこう。

10年ほど前に非常に熱心な「80」の愛好者で知られるSさん(福岡市)からいただいた資料がこれ。

「私がAXIOM80購入時に調べたユニットの見分け方の情報があったので、ご参考までに添付しておきます。確かに、カンチレバーもコーン紙もオリジナル版は復刻版よりも軽く造られています。反面、復刻盤は耐久性を重視したのかも知れません。それと、第Ⅰ期のものはマグネットの材料と磁束も異なるようです。ただしその分、時代が経っているのでかえって復刻版より磁束が落ちているかも?ですが。」 

   

   第Ⅰ期

    第Ⅱ期

   第Ⅲ期

 

    オリジナル

 初 期

後 期

   復 刻

製造年

 

 

 

1950年代末

~1960年代前半

 

1960年代

   後半

 

1970年代

   前半

 

1984年

~1985年

製造工場

 工場名

 場所

 

WEMBLEY

ミドルセックス州

 

WEMBLEY

ミドルセックス州

 

HAVANT

ハンプシャー州

 

HAVANT

ハンプシャー州

マグネット

形状

材質

総磁束

磁束密度

 

Rエッジ

チコナル

62,000maxwell

17,000gauss

 

   45°角エッジ

   アルニコ

   58,000maxwell

16,000gauss

 

  45°角エッジ

  アルニコ

   不明

      不明

カンチレバー

材質

厚さ

 

  ベークライト

    薄

 

ベークライト

 薄

 

強化繊維PT 

  厚

 

  強化繊維PT

    厚

高域用サブコーン

 材質

 色

 

 ベークライト

茶or 黒

 

ベークライト

  黒

 

パルプ

 

   パルプ

    黒

フレーム

 材質

 製造法

 塗装

 

亜鉛合金

ダイキャスト

無塗装

 

亜鉛合金

ダイキャスト

    無塗装

 

   鉄

   鋳造

   グレー塗装

コーン紙

 形状

 厚さ

 コルゲーション

 

 折返しエッジ

    薄

   表・裏

 

折返しエッジ

  薄

 表・裏

 

切放しエッジ

  厚

  表

 

  切放しエッジ

    厚

    表

さらに追加して、ご自身が所有されている(最初期の)「80」の写真を添付していただいた。機能に徹した“姿かたち”と見た目の美しさが渾然一体となって実に素晴らしい。

     

というわけです。

結局「オリジナル」と「復刻版」の見分け方は「マグネット部分が丸エッジかor角エッジか」に尽きるようですよ。

で、いよいよ「三番手のアンプ」の登場です。我が家で一番お金のかかっていないアンプです(笑)。



来歴を述べると、当初は知人に「チャンデバ」用として組み立ててもらったのだが途中から方針変更。

なぜかといえば、オークションで「TRIAD」(トライアッド)製のごく小型のプッシュプル用出力トランスを運よく落札。たしかペアでたったの7000円くらいだったと記憶している。

で、何とかこのトランスを活用したいとの目論見で「K」さん(大分市)にパワーアンプ用として改造していただいたもの。

音質にもそれほど期待しておらず、ただ「部品を遊ばせておくのがもったいない」という程度の軽い気持ちが発端だった。

当初は、前段管が「6SL7」出力管が「6SN7」だったが、響きの素っ気なさに不満を覚えて、ソケットの変換アダプターを使って前者を「12AT7」へ、後者を「6FQ7」(RCA:クリアートップ)へ、そして整流管を「GZ32」(ムラード:英国)へと交換したところ、期待以上の音質に唖然とした。

安物のアンプ、しかもこんなミニチュア管からこういう音が出ていいのか(笑)。

音にスピード感があるし、響きも十分だしまったく言うことなしで、とても信じられない!

そもそもは前段管(電圧増幅管)として使用されるのが一般的だが、この「6FQ7」と「出力トランス」のプッシュプル接続が絶妙な効果を発揮したのに違いない。

「80」はアンプに対して常に厳しい姿勢を取ると思ってきたが、逆に埋もれたアンプを発掘し、育てる面もあるんですねえ・・。

感無量ですぞ!(笑)

以下、続く。



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