「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

小型スピーカー「PL100」を楽しむ

2022年04月03日 | オーディオ談義

若いころに「あなたの趣味は何ですか?」と、もし訊かれたとしたら「ハイ、魚釣りと読書、そして音楽&オーディオです」と答えたものだが、近年は体力の衰えとともに一番好きだった魚釣りとはすっかり縁遠くなってしまった。

で、その魚釣りだが「魚釣りはフナ釣りに始まってフナ釣りに終わる」という言葉があるのをご存じだろうか。その意味とは、


「初心者のうちは仕掛けが簡単で済むマブナ釣りを近くの川などで体験し、以後、凝った道具で海、渓流などさまざまな釣りを体験して最後にはまたシンプルな釣りの原点としての面白さ、奥の深さに気づきマブナ釣りに戻る。
ひと通りの釣りを体験した、老釣り師は、安全面、体力面からいってもマブナ釣りに戻ると言う現実的な面もある。」

これってオーディオにもそっくり当てはまると思いませんかね(笑)。

最初のうちは小さな口径のフルレンジスピーカーから始まり、だんだんとエスカレートしていって、大型スピーカーへと変遷し、そのうちその曖昧な「大味」さ加減にウンザリしながら再びシンプルな構成のシステムに落ち着いていく。

いささか我田引水の気味があるが(笑)、さっそく我が家の実践例に移ろう。

昨年(2021年)の秋に手に入れた小型スピーカー「PL100」(英国:モニター・オーディオ)だが、今では「AXIOM80」と並んで我が家のメインシステムとして非常に重宝している。



小型の箱に収まったシンプルな2ウェイ構成だが、何といっても一番の特徴はクロスオーバー2800ヘルツを境にその上から「リボンツィーター」となっていること。

たしかに、その繊細な表現力については目を見張るものがあって、「AXIOM80」を、もし現代に蘇らせるとしたらこういうスタイルになるかもねえと思わせるものがある。

また、口径10cmほどの「メタルコーン」から質のいい低音が出てくるのも特徴の一つで、メーカー公称では「42ヘルツ」まで出ることになっているが、つくづく「低音とは何か」を考えさせてくれる奥の深さがある。

で、その「PL100」にデッカのリボンツィーターを「スーパーツィーター」として追加したらどういう音になるんだろう、同じリボン型同志の組み合わせだからうまくいきそうな気がする・・。

考えるだけで、うずうずしてきて(笑)、即実行。

ジャジャ~ン!



で、この機会にこのSPを3台の真空管アンプで駆動することにしてみた。

画像のとおり「PL100」は2800ヘルツを境にバイワイヤリング式」になっているので簡単に接続できる。



我が家の基本的スタイルは「フルレンジ+サブウーファー+スーパーツィーター」の「変則マルチ3ウェイ方式」だが、今回はサブーウーファーを外して、周波数帯域の分割を「ウーファー:~2800ヘルツ」「中高音域ユニット(リボン):2800ヘルツ~」「スーパーツィーター:10万ヘルツ~」として、それぞれの帯域に真空管アンプをあてがってみた。

「プリアンプ」の出力を3系統にしたおかげでこういう芸当ができるが、この際、小さな問題点は目を瞑ろう(笑)。

で、低音域から順にウーファー用のアンプは「PL100」の能率が低い(88db)ので我が家で一番の力持ちの「EL34プッシュプル」をあてがい、「リボンツィーター」用のアンプは「WE300Bシングル」を、そして「スーパー・ツィーター」には「6AR6シングル」(三極管接続)をあてがった。

これで聴いてみると、サウンドに音の粒子があるとすれば粒がもの凄く細かくなって密度が濃くなった気がする。

もしかして、「AXIOM80」よりも上かもしれないなあ・・、まるで天国に登りつめた気持ち、な~んちゃって(笑)。

で、昨日(2日)の午後にオーディオ仲間に来てもらって聴いてもらったところ、「確かに近代的な音がしますけど・・、AXIOM80が120点だとすると、これは80点ぐらいですかね、ネットワークが入っているせいかいかにも忖度している音のように聴こえますけどねえ~」と、どうも終始イマイチのご様子。

「そうですか、このサウンドを忖度と捉えるか奥ゆかしさと感じるか・・、これぞブリティッシュ・サウンドでいかにもイギリスのゼントルマン風の品の良さを感じさせますけどねえ」

もう、こうなると見解の相違ですねえ(笑)。

それぞれ、耳の形も違えば生まれ育った環境も違うしサウンドに対するデリケートな感覚において万人が一致することはまずあり得ないということなんだろう。

ま、持ち主さえ満足していればそれでいい世界なんですけどねえ~(笑)。


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