「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

男心と春の空

2022年02月19日 | オーディオ談義

オーディオ記事からしばらく遠ざかっていると、過去記事ランキングでその関係の記事がやたらに多くなってくる。もしかして読者から(オーディオ記事を)待望されているのかな(笑)。

で、意気込んでそういう筋の記事を搭載するとアクセスの伸びがそれほどでもないというのがこれまでのパターンだった。

いったいどうなってんだろう。

もしかしてオーディオ記事は「専門的すぎる」として嫌われているのだろうか(笑)。

まあ、照準の当てようがないけど目先を変えることを主眼に置いて今回は久しぶりに「オーディオ」記事といきますか。


さて、「女心と秋の空」
という言葉がある。

「(男女関係において)女心がいかに移ろいやすいかを秋の空になぞらえたもの」とされているが、もともとは「男心と秋の空」とも言ったそうですよ。

で、季節的な移ろいやすさにかけては「春の空」も負けず劣らずなので時節柄「男心と春の空」と、いかに男心が変わりやすいか、
我が家のオーディオを例にとって眺めてみよう。

このところじっくり耳を傾けていたスピーカー「トライアクショム」(グッドマン:口径30cmの同軸3ウェイ)。



渋い茶色のコーン紙がいかにも品よく映り、薄くて軽そうだし反応のいい音が出そうな感じ。

5年ほど前にオークションで手に入れたが、20年以上にのぼるオークション歴の中で「トライアクショム」を見かけたのはこれが最初で最後だった。乾坤一擲の勝負だったなあ(笑)。

以前に述べた「9割・90点主義」(いまだにロングラン記事です!)からすると、まったくドンピシャリのSPである。

「家庭で音楽を聴くのならこれで十分だね」と「緻密さと緩み」が程よくマッチングしたサウンドを堪能させてもらった。

ちなみに、「緻密なサウンド」だけだと次第に耳が疲れてくるし、「緩いサウンド」だけだと論外だから両者が程よく入り混じった感じが大切だと思っている。

ほら、クルマのハンドル、ブレーキ、アクセルなどに限らず何事にも「緩み」は必要でしょうが~(笑)。

駆動するアンプは「WE300Bシングル」。

ところが、1週間ほど経った頃に何の前触れもなく朝起きぬけに突然「AXIOM80が聴きたくなったなあ」。

これだから「男心」はもう・・(笑)。



手軽に持ち上げて入れ替えやすいように、本体の左側面と右側面に金具を取り付けているので、ものの5分もあれば簡単に入れ換え可能。

「やっぱりAXIOM80じゃないと出せない音があるんだよねえ!」と、しばらく悦に入っていたが、そのうちやたらに中高音域が神経質な響きになっていると感じるようになった。

もちろん主な原因は「AXIOM80」にとって役不足の感がある「小振りの箱」(自作、板厚:1.2cm)にあるのはわかっているが、その辺を何とか緩和できないものかと例によってオーディオ・マニアの習性でアンプを交換してみることにした。

「鶏肉を裂くに牛刀をもってする」という故事があるが、要は適材適所ということで、300BアンプはこのSPボックスにとってちょっと「牛刀」のような気が当初からしていた。

で、代わりのアンプとなると「困ったときの71系アンプ」の出番である。



久しぶりの出番なので概要を述べてみよう。

前段管は「AC/HL」(英国マツダ:初期版のナス管)、出力管「371」(カニンガム:トリタンフィラメント)、整流管「80S」(RRIMAR)、インターステージトランス内蔵といったところ。

自画自賛になるがこれほどの古典管、それも1930年代前後の希少管を一堂にそろえたアンプはおそらく日本でこれ1台だけだと思うし、音質も超がつくほどの一級品ですぞ!(笑)

久しぶりに電源スイッチを入れたので30分ほどからが真価を発揮してくれるだろうと踏んでいたのだが、300Bのときに比べて随分聴きやすくなったものの、それでもやや「AXIOM80」特有の自己主張の強い神経質さが漂ってくる。

まだまだ、だなあ・・。

どうも、整流管「80S」の性能が良すぎて(?)「何もかも洗いざらい白日の下にさらけ出す」感じで、もっと「AXIOM80」の個性を抑え気味にしてほしい印象を受ける。

で、外れて「もともと」とばかり、かなり使い古した「ナス」管の「80」に差し替えたところバッチリと狙いが当たり、穏やかで品のあるサウンドへ変身。

改めて、へ~っ、整流管でこんなに音の調整ができるんだ・・。結局「一連のシステム」との相性が良かったのだろう。

整流管の使い方にも「ひと工夫あり」というわけだが、となると「整流管の球転がし」も面白そうだなあ(笑)。



ふと、プレート部分がメッシュ構造になっている古典管「OKーX213」を思い出した。

たしか今から100年前の1920年代に製造された球である。アメリカ製だがメーカーは不明。「当時はラジオ用の真空管メーカーが雨後の筍のように生えていた時代なので、そういうガレージメーカーの一つでしょう」(北国の真空管博士)。

規格上は著名な「80」や「274B」の代用品として使えそうな4本足のピンである。

これって、「WE300Bシングル」にも使えそう。というのもこのアンプはピン足が違う2種類の整流管をさせるようになっているので。

さっそく「274B」を「OK・・」に差し替えてみた。



さあ、お膳立てがそろったので「371アンプ」に代えて「300Bアンプ」の試聴だ・・、といきたいところだがいくら何でも変わり身が早すぎるので、せめて2~3日は遠慮しておこう(笑)。

そして、待ちに待った2日後に鳴らしてみたところ、まったく予想だにしない展開が待っていようとは、その時は知る由もなかった!

以下、続く。


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