電解コンデンサーの容量漏れで盛大にハム音が出てしまい仕方なく修繕に出した「300Bシングル」アンプ。
我が家には真空管アンプが貸し出し中も含めて8台ほどあるが、その中では有名トランスの使用といい、凝った銅板シャーシ(磁界が生じないのでSN比に有利)といい、音質にも満足している。
中古市場で一番値がつきそうな大切なアンプなのですぐに電解コンデンサーを4本すべて入れ替えてもらい手元に戻ってきたのがおよそ3週間ほど前のことだった。
「電解コンデンサーの中身はアルミ箔がいっぱい詰まってますからエージングに時間がかかりますよ。少なくとも2週間は見ておく必要があります。」との、識者のアドバイスだったが実際にその通りだった。
戻ってきた当初はやたらに音の重心が高くて、重厚な雰囲気に欠けていたのだがこのほどようやく以前の「音の佇まい」に戻ってきたようだ。
エージングの期間中は息も絶え絶えの「WE300B」(1967年製)を使ったりして実験を重ねたが、アンプが本調子となるともったいないので(笑)、スヴェトラーナの300Bに戻して聴いている。
去る18日(日)の午後、近くのオーディオ仲間に試聴してもらったところ「まだ幾分サッパリ気味ですが、どうやら復調したみたいですね」と太鼓判を押してもらった。
ただし、この「サッパリ気味」というのが曲者で、もっとエージングを重ねていけばコクのある音になってくれるのか、それとも元の電解コンデンサー(ウェスタン製)を使わないと出てくれない音なのか、こればかりは予測がつかない(笑)。
「電解コンデンサーの役割といえば、音声信号回路とは別で・・・」と、展開したいところだが、素人の生兵法は危険なのでこれ以上深入りしない方が無難だ(笑)。
いずれにしても、はたしてブランド次第でどの程度音質に影響を与えるのか、今後も要観察である。
それはさておき、1か月ほど前に仲間から借りていた「リチウムイオン電池」(ソニー製)の件を覚えておられるだろうか。
「新しく容量の大きい降圧トランスを購入したので使ってみませんか」とのご厚意に甘えて現在、2台のDAコンバーターを接続して活躍中である。
電源コードはあの泣く子も黙る「ドミナス」(PAD)とあって役者に不足はなし(笑)。
ようやく念願の「ふわりと音が空気中に漂う感覚!」が出てきたのだから大したものである。我が家にはもはや欠かせない電源機器といっていい。
そこで「200V電源を100V電源に降圧するトランスが古くなったのでそろそろ買い換えたいと思っているんですが、それもこのリチウムイオン電池のお値段次第です。もし譲っていただけるとしたらどのくらいの値段をお考えですか?」と、ストレートにお尋ねした。
すると「ああ、もうタダで差し上げますよ」
エーッと驚いた!
いくら何でも中古とはいえこんな高価なものをタダでいただくわけにはいかない(笑)。
そこで心ばかりの「薄謝」で手を打ってもらった。
今から700年も前の鎌倉時代の随筆「徒然草」(兼好法師)の「第117段」にこういう記述がある。
「友とするに悪き者、七つあり。一つには、(身分)高く、やんごとなき人。二つには、若き人。三つには、病なく、身強き人、四つには、酒を好む人。五つには、猛く、勇める兵。六つには、虚言する人。七つには、欲深き人。
良き友三つあり。 一つには物くるる人、二つには医師、三つには知恵ある友」
「持つべき友」は昔も今も変わらないようですよ(笑)。
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