「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

旧くて新しいテーマ「プリアンプ不要論」

2018年05月08日 | オーディオ談義

今年の4月から東京に転勤されたオーディオ仲間のSさん。

福岡のご自宅には「タンノイ・ヨーク」(モニター・シルバー内蔵)、「AXIOM80」(最初期版)、そして「タンノイ・チャトワース」(モニター・レッド内蔵)の3つのスピーカーがある。

使用されているレコードプレイヤーは「EMT」、CDプレイヤーはフィリップスの「LHH-1000」、アンプは「PX25」の親玉的な存在の「PP5/400」シングル(モノ×2台)と、すこぶるハイエンドの愛好家である。

    

これからしてお分かりのとおりSさんは根っからのクラシック・ファンである。

おそらくこのたびの連休で福岡の実家にお戻りになっているはずと思って久しぶりに連絡をとってみたところ当たり~。ご在宅中のSさんのコメントは大要次のようなものだった。

「当初は忙しくてオーディオどころではなかったのですがようやく一段落といったところです。マンション住まいなのでスピーカーはチャトワースを持っていきました。CDプレイヤーはリンを新しく購入しました。

私はUSBなどを使ったハイレゾは大の苦手でレコードにしろCDにしろ回転系で音を鳴らさないと何となく落ち着かないのです。パワーアンプの方は現在北国の真空管博士にお願いしてありますので連休明けぐらいには届くと思います。

プリアンプは使わずにCDプレイヤーと直結にするつもりです。優秀なプリアンプなら別ですが中途半端なプリアンプなら使わない方がいいですからね。博士にもその旨伝えていますので、付属のボリュームを特別仕様にしてもらっています。」

やはり、連絡は取ってみるもので得難い情報が手に入った。

レコードからデジタルの時代になって40年近くなるが常に取りざたされるのが「プリアンプ不要論」である。このブログでも11年間にわたって再三再四取り上げてきたように「旧くて新しいテーマ」である。

この論争の行き着くところは結局Sさんが仰るように「優秀なプリアンプなら使った方がいいが、中途半端なプリアンプなら使わない方がいい。」という「ケースバイケース」に尽きるのだろう。

このところ我が家では「いいプリアンプ」に恵まれたので「プリアンプ必要論」に与(くみ)していたが、Sさんの言を聞いて久しぶりに「プリアンプ不要論」の実験をしてみる気になった。

我が家の場合、これまでの傾向としてDAコンバーターとパワーアンプを直結にすると中高音域の響きはGOODだがどうしても中低音域の響きが乏しくなるのが難点だった。そこで、中低音域を独立して音量調整でき、響きを少しでも豊かにできればうまくいく可能性があるかもしれないと狙いを定めた。

そういうわけで、チャンデバ(クロスオーバー:1000ヘルツ)を使った2ウェイのJBLシステム「D130+175ドライバー」の出番となった。周知のとおりチャンデバを使う最大のメリットは複数のSPユニットの音量調整を単独で出来ることにある。

そこでシステムの流れは次のようにした。

使用するDAコンバーターは「ワディアの27ixVer3.0」(ボリューム調整可)。

      

<1000ヘルツ以下>

チャンデバ → パワーアンプ「2A3シングル」(出力管:フランスのVISSEAUX) → スピーカーJBL「D130」(口径38センチ:イン・ウェストミンスター)

<1000ヘルツ以上>

チャンデバ → パワーアンプ「471B(デフォレ)シングル」 → スピーカー「JBL175ドライバー」

こういう場合いつも自画自賛で気が引けるが、「ありのまま」で言わせてもらえば「GOOD SOUND」だった(笑)。

箱(ウェストミンスター)が大きいせいか中低音域の響きは十分だし、音量調整の方もワディアのDACのフルボリュームが100だとすると、通常聴く分は60あたりで十分だし、リスニングの位置からリモコンで遠隔操作できるので便利なことこの上ない。

今のところ我が家では「LCネットワーク」あるいは「フルレンジ」のシステムはプリアンプを使い、その一方「チャンデバ」を使ったときは「プリアンプを使わない」に落ち着きそうだが、ご承知のとおり「気分屋」のところが大いにあるので、このまま1か月ぐらい聴いて本格的な結論はその後としよう(笑)。

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする