「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「CDの音をよくする方法」第2弾~

2011年08月21日 | オーディオ談義

前回のブログで「CDを洗うと音が良くなる」との記事を載せたが、真偽の程は別として通常「洗う」といえば衣服とかの汚れたものが対象で、買ったばかりのきれいなCDを洗うなんて発想は、”まさか”のひと言。

CDプレス過程で付着した油を落とすというのが主な理由だが、人間の手脂(あぶら)なども見落とせないのでまあ、半分は頷けるところ。

文中で、実際に”洗う”実行者として紹介されている「中野 雄」氏は東大(法学部)を卒業された後、ケンウッドの社長などを歴任され、「モーツァルト・天才の秘密」の著作などもある”まとも”な方なので実験してみる価値はあると思う。

さて、これを第1弾として前回に続いてのシリーズ「第2弾」は次のようなもの。例によってそのまま引用。

☆ CDを高音質で再生するための裏ワザがあるらしいけど・・・・

タダで出来る、CD音質向上の必殺技をご紹介しましょう。「二度読み法」です。

まずは、一度CDを入れて再生し、「何もしなければ、こんな音」と確認してみてください。

そして「オープン/クローズ」ボタンでCDを取り出し、そのままもう一度挿入し、再度、再生ボタンを押す・・・・。

必要な動作はたったこれだけです。

一回読み込んだものを取り出して、再度読み込んだだけなのに、その音質は誰でも分かるほどハッキリと向上します。

一回目は硬い音がするのに、二回目はキンキンしたところがほぐれて、しなやかになり、音に芳醇さが出てくるのです。

私個人の感触でいうと、そのCDプレーヤーの実力を”倍の価格くらい”にアップさせてくれますね。

とりわけ効果が分かりやすいのはクラシック系です。

クラシック音楽は、基本的に直接音と間接音のバランスで成り立っています。「二度読み」をすると、直接音が、よりしなやかに浮き上がってくると同時に、間接音、それまではあまり聴こえてこなかったホールトーン、場の響きや空気感などが豊潤に出てきます。

「なるほど、こういう環境で演奏されていたんだな・・・」という想像力を掻き立ててくれます。

ポイントは、一回読み込んで取り出し、さらにもう一度読み込むことですが、一回目では再生する必要はありません。

CDをプレーヤーに挿入するとしばし、キュルキュルッと言う回転音があって、やがてディスプレイに収録時間や曲数などが表示されます。

その状態になったらすぐに取り出し、またボタンを押して再挿入すればOKです。

多少面倒かもしれませんが、「オープン/クローズ」ボタンを二回多く押す手間さえ厭わなければ、簡単かつ効果的にCDの音質向上を果たせます。

これぞ究極の”エコ的”音質向上法といえるでしょう。

ただし、三回以上はダメです。極端に音質が悪くなります。

さまざまなメーカーがその理由を検証し、私たち評論家も推論を立てました。

有力な説は、メモリー効果です。

デジタルメディアには「この中にはこういう内容が入ってます」というメタ情報が、あらかじめ書き込まれています。

これをもとに、一度メディアをスキャンしておくことで読み取りの精度が高まったり、エラーの出現率が抑えられたりするのではないかという考え方です。

ぶっつけ本番だとプレーヤーが慌てふためいて対応しきれず、本来の力を出し切れない。

しかし、メモリーが既に経験した情報であれば信号処理にも余裕が出て、結果、より良い音質になんるのではないですかね。

ウーム、デジタルの世界でも”いくばく”かの余裕が必要とはちょっと驚くが、簡単に退けるには惜しい理論のような気がする。

よ~し、実験あるのみ。

同じ曲目のCDが2枚あると便利なので探してみると、クラシックは見当たらず、見つかったのが「サキソフォン・コロッサス」(ソニー・ロリンズ)。

     

左側が「DSDマスタリング」〔以下、DSD)盤、右側はさらに複雑な製造工程を経た「XRCD」盤

時期をずらして購入したもので、いわずと知れたジャズの名盤中の名盤、ジャズは滅多に聴かないがたいへん”ノリ”がいいのでこれだけは別格扱いで、ときどき耳を傾けている。

それに1曲目の「セント・トーマス」の冒頭に登場するシンバルの音がどれだけ豊かになるかがハイライトで、オーディオ装置をいじったときは必ずといっていいほど、高域の出具合をテストするための大切な試聴盤でもある。

まず「XRCD」盤を石鹸水で軽く洗浄し、トイレットペーパーで念入りにふき取ってから室内で乾かす。

一方のDSD盤は洗わずにそのまま。

これで比較試聴したところ明らかに違って聴こえた。

DSD盤は刺激的というか粗削りな面が随分目立つが、一方のXRCD盤はまるで「絹の光沢」のような滑らかさ。

しかし、どちらがいいかは単純に比較できないと思った。

自分には上品に聴こえるXRCD盤のほうが好みだが、本当のジャズ・ファンはどちらを選ぶのだろうかとちょっと判断がつきかねる。

XRCD盤特有の音質の個性も無視できないので「洗う、洗わない」の良否は即座に結論が出せなかった。

次に「二度読み」についてはちょっと実験が難しい。

心理的作用が大いに働くからで、結局、まるっきり効果を疑わずに日常、これを習慣にするのがいいのかもしれない。

ほら、「鰯(いわし)の頭も信心から」という諺もあることだし~。

 


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