オーディオ装置の音質とCDソフトの録音状態は、音楽鑑賞に当たっての「クルマの両輪」みたいなもの。
しかし、オーディオ装置のほうは「血〔お金)と汗と涙」を流せば何とか良くなるが、CDソフトのほうはいかんともしがたく、ただ録音元から与えられるままである。
不合理極まりない話だが、録音状態はそのままでもCD盤そのものに加工を施すことで何とか「聴きやすい音」にする工夫もあるようでこれまで自分もいろいろやってきた。
以前のブログでも記載したことがあるが、CD盤にレーベル面から薄くカッターナイフで一直線にキズを入れる、これは「江川カット」と称されオーディオ評論家の江川氏が発案されたもの。
またCD盤の外周のエッジの角張った部分を丸くする方法もある。これは1枚500円で請け負う専門の業者もネットで見かけた。
両方とも決して迷信ではなくて立派に科学的根拠に基づいており、前者は「洩れ磁界」による迷走電流を断ち切るものだし、後者は信号を読み取る際のレーザー光線の乱反射を少なくするというのが理由だった。
そして、これらに加えて最近新しい情報を仕入れたので2点ほど紹介してみよう。
既に読んだという方もいるかと思うが「大人のオーディオ大百科」(2011.6.8)という本に「Q&A方式」で載っていた。
猛暑の時期は要約するのも億劫なので、ソックリ引用させてもらおう。
☆ CDを洗うと音がきれいになるって話があるけど本当?
1980年代、CDが生まれた当初は音の変化がないといわれたがそんなことはない。プレスによっても違うし、会社によっても違うし、使用した回数によっても違う。
したがって、CDそのものを使いこなしてより良い音にしようというアイデアはこれまで沢山考案されてきた。
最も分かりやすいのは、プレス工場でCDの表面についた油の皮膜を洗い流すという方法。
買ってきたままでも十分聴けるのだが、それを普通の石鹸で洗って、水で流して、水分を丁寧に拭き取って暗いところで乾かしてあげると音がすごく違ってくる。
洗っていないディスクは、音にとげとげしいところがあって、くっきりしすぎで、輪郭がちょっと強すぎるという感じがある。
それが、洗われることでもまろやかになって、しなやかに音楽が奏され、みみにとって心地よい麗しい音になる。
私の師匠である音楽評論家の「中野雄」先生はNHKFMの「ラジオ深夜便」でクラシックを担当している。
もともと、レコード会社の出身なので、そのときの経験から、新品ディスクを必ず洗ってかけている。
あるとき、リスナーから投稿があって「同じCDをもっていますが、ラジオで聴いたほうが音がいいのですがなぜでしょうか?」と。
CDを洗わずにそのままかけるというのは、油や垢がたまった状態だから、それをすっきり流してあげると本来の音が出てくるというわけ。
これは人間も同じですね、何日もお風呂に入らないと気持ち悪いが洗うとすっきりする。CDだって、気持ちよく再生してあげよう。
以上のとおりだが、単純に「信用する人」、あるいは「信用しない人」など様々だろうが、やってみても手間がかかるだけで別にお金がかかるわけでもなし、騙されたつもりで実際に試してみるのも一つの方法。
CDの音を良くするもう一つの方法と、実験結果は次回ということで。