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ホストファミリーは先住民族 33歳で取締役に抜擢された女性がキャリアに生かした留学経験

2024-09-29 | 先住民族関連

Hint-Pot 9/28(土) 10:38

教育事業会社に転職「英会話が堪能な日本人を増やしたい」

教育事業に関心を寄せる武隈さん【写真:トライズ株式会社】

 日本の英語教育を抜本的に変えたい――。そんな思いを抱き、英語コーチングスクール「TORAIZ(トライズ)」を運営するトライズ株式会社(以下、トライズ)にて、33歳の若さで取締役CCSO(チーフ・コーポレート・セールス・オフィサー)としてコーポレートセールス部門を統括しているのが、武隈知世さんです。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。武隈さんがどのようなキャリアを積んできたのか、その軌跡について話を伺いました。

【写真】高校在学中に交換留学生としてカナダに滞在していた武隈さん 当時の写真

 ◇ ◇ ◇

英語を軸にキャリアチェンジ 最年少で取締役に

 武隈知世さんは2023年2月、33歳(当時)の社内最年少で取締役CCSOに就任したコーポレートセールス部門で、陣頭指揮をとっています。得意の英語を生かし、一見スムーズにキャリアを積んできたかのように映りますが、現在に至るまでには3度のキャリアチェンジとマインドセットの転換がありました。

 大学卒業後、地元の奈良県で求人広告の営業会社に就職し、社会人としてのキャリアをスタート。会社で得意の英語を活用することはありませんでした。

「自分のストロングポイントである英語を生かし切れないのは残念というか、もったいない気がしましたね。やっぱり、語学力を発揮できる職種でチャレンジしたいという思いが募ってきたのです」

 およそ3年勤めたあと、飲食系のベンチャー企業へ転職。1度目のキャリアチェンジでした。海外進出を計画しているレストランチェーンだったため、持ち前の語学力を発揮できたといいます。チェーン店の立ち上げのため、シンガポールや香港など現地に何度も赴くことがありました。英語を生かした仕事をすればするほど、武隈さんにはある思いが芽生えてきたといいます。

「日本の飲食業界は英語と日本語の両方を上手に使いこなす人材が少ないと痛感しました。日本人や日本の企業が海外進出するためにも、英会話が堪能な日本人が増えればいいな、そういう人を増やしていきたいなと考えるようになったのです」

 そんな思いから、英語に触れる日常を生業にしたいとより強く感じた武隈さんは、教育事業に関心を持ち始めます。

 2度目の転職先として、英語によるコーチング事業を行うトライズ株式会社(旧トライオン株式会社)へ。2017年3月に入社し、当初は受講生の英語のレッスンと学習を管理、サポートするコンサルタントとして従事していました。

 その後、2019年1月に28歳で事業本部の営業部長、2021年5月には執行役員、マーケティング・セールス部長に就任。出世街道をとんとん拍子でひた走っていきました。順調すぎる毎日を過ごしていると、今度は自分自身の力を試してみたくなったといいます。

「これまでベンチャー系の3つの企業で働いてきましたが、自分が大手企業の中でどれくらいできるのかトライしてみたくなりました」

小売企業を経て復帰 顧客の戦略に沿った人材育成を担当

 同年7月、退社して、小売など多岐にわたる事業を展開する世界的な企業の日本法人へ。1年が経過したところで、トライズの三木雄信代表取締役社長から「まだやり残したことがあるのではないか?」と声をかけられたそうです。

「提供しているプログラムやサービスが、受講されている方々のお役に立っているのかどうかをきちんと判断することが大切」と感じていた武隈さん。3度のキャリアチェンジを経て、昨年2月にトライズに復帰しました。コーチとしてレッスンに直接携わるのではなく、法人顧客のグローバル戦略に沿った人材育成をメインに担当しています。

カナダ留学のホームステイ先は先住民メティスの家庭

 武隈さんのキャリアの軸ともいえる英語。大きな影響を及ぼしているのは、高校1年生のとき、交換留学生としてカナダで過ごした1年間のホームステイです。

「選択できた国は5か国でした。その中からカナダを選んだのですが、現地へ行ってさすがに驚きました。学校まで70キロくらいあり、家の周りは何もないので、私の行動範囲は常にその家の人たちと一緒でした」

 カナダといっても大都市ではなく、西部に位置するアルバータ州の田舎だったそうです。そして、ホームステイ先は先住民の家庭でした。独自の文化体系と共同体を持つメティスと呼ばれる先住民で、カナダのいくつかの州とアメリカ・ミネソタ州などに分布しているそうです。カナダ憲法で先住民としての権利が確立されている、主要な先住民グループでもあります。

 学校で日本人はひとりきり。最初の頃はコミュニケーションがうまく取れずに苦労したといいます。それでも、武隈さんはファミリーと寝食をともにするうちに耳で自然と英語を覚え、だんだんと日常会話も不自由なく使いこなせるようになりました。

「学校にも比較的早くなじめ、数か月でクラスメイトとも臆せず会話できるようになりました」と往時を語ります。9/28(土) 10:38

「教科書通りの答えを求めるならネット検索で十分。だけど…」

「アルバータ州は石油産業と畜産業が盛んな土地ですが、ホームステイ先のご主人は仕事をしていなかったと思われます。秋はしょっちゅう銃を抱えてハンティングに出かけていました。私も1度だけ連れていってもらいましたが、日本では経験できないこういった異文化というか、その土地ならではの習慣といったものを実体験できたことは、英語の習得というものを超越し、今、私が携わっているお仕事に大きな影響をもたらしてくれています」

 武隈さんの原点であり、現在を形成するバックボーンともいえるカナダのホームステイ。「教科書通りの答えを求めるならネット検索で十分だと思います。ですが、実際はそうじゃない。ニュアンスやカルチャーの背景があるからこそ、通じるものがあると思います」。

 この留学経験が、社会人になっても枠にとらわれず、しなやかな思考でキャリアチェンジをしてきた原動力になっているのでしょう。

◇武隈知世(たけくま・ともよ)

1990年生まれ。高校1年生のとき、交換留学生としてカナダに1年間滞在し、英会話をマスターする。立命館大学法学部卒業後、2つの企業に勤務。2017年3月、英語コーチングスクールのトライズ株式会社入社。2019年に事業本部で営業部長とコーポレートソリューション部長を歴任し、2021年には執行役員となりマーケティング・セールス部長として活躍。同年8月からアマゾンジャパン合同会社に1年半勤務。2023年2月にトライズへ復帰し、最年少でコーポレートセールス部門の取締役CCSOに就任した。趣味は18歳から夢中になっているDJ。

河野 正

https://news.yahoo.co.jp/articles/c10c7f29db1d286d5b0994d4ab489314c681f742?page=1

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