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林芙美子の樺太の旅評論 文芸北見54号 先住民訪問「絶筆小説」

2024-07-23 | アイヌ民族関連

土屋孝浩 有料記事

北海道新聞2024年7月22日 22:20(7月22日 22:21更新)

 オホーツク管内ゆかりの人を対象に公募して年1回発行する地域文芸誌「文芸北見」54号が刊行された。網走に私設民族資料館ジャッカ・ドフニ(2010年閉館)をつくったウイルタの故ダーヒンニェニ・ゲンダーヌ(日本名・北川源太郎)さんが育った樺太ポロナイスク(敷香)郊外の「オタスの杜(もり)」を、1934年(昭和9年)に訪ねた作家林芙美子(1903~51年)について考察した評論などを掲載した。

 「林芙美子・樺太の旅と絶筆小説『雷鳥』」で芙美子の心情に迫ったのは、かつて網走・道立北方民族博物館で学芸員を務めた青柳文吉さん=石狩管内当別町在住=。

 日本統治下の敷香郊外には政府の政策でアイヌ民族を除くニブフ、ウイルタなどの先住民族を集めて住まわせたオタスの杜があり、芙美子はその教育所を訪ねた。

 芙美子の小説「雷鳥」の主人公の青年は、稚内で知り合った女性とともに敷香へ渡り、この教育所教員を経験して東京へ戻る。小説はそこで絶筆に。青柳さんは、芙美子が教育所で出会った子どもたちの中には戦後、ソ連によって日本軍のスパイの嫌疑をかけられシベリアの強制収容所送りになった人もいただろうと推測する。

 青柳さんは・・・・・

 文芸北見発刊実行委員会(平野温美委員長)が440冊作成、A5判218ページ、1250円。コーチャンフォー北見店、網走・フジヤ書店などで販売中。問い合わせは藤川編集長、電話080・5586・4476へ。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1040997/

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