それは、土曜日の朝、母からの1本の電話で始まりました。
気づくのが遅れ、見ると、何度も不在着信が。
「はーい、どした?」とのん気に出てみたら、母の言葉にビックリ仰天。
『おじいちゃんが、心臓の血管が詰まって、いま、病院なんじゃけど、看護婦さんが、家族はみんな呼んでくださいって・・・・・』『はい??』
家族を呼んで下さい・・・・・これって、命が危ない、ってことよね???
一緒にいた長女に『おじいちゃんが危篤だ』と伝えた途端、長女がボロボロ泣きだしました。ママが大泣きするものだから、チビッ子たちもわけもわからず、もらい泣き
私は・・・・・・というと、あのパワフルなスーパー爺じの父が??とまるでピンと来ません。実感が無い、というか・・・・・。
一昨日に父と電話で話した時も、『今、ゴルフ中、アッハッハ』と高笑いしてました。
いまでも、車を運転するどころか、バイクにも乗るし、ゴルフのスコアは80台。私より元気な81歳です。
救急救命センターの家族待合室で、待っていた母と合流しました。救急救命センターなんたるシリアスな名前。
『ど・ど・どうしたの??』と聞くと、母も『よくわからんのよ』と言うのです。
どうやら、状況はこうでした。
前日、常用薬が無くなったので、父はかかりつけ医院へ。その前日には、自分で運転してゴルフへ行ってます。
かかりつけの大先生は、81歳の父よりも年上。時々誤診もあるけど、40年以上のご縁です。2代目の若先生もいますが、父の担当は、昔馴染みの大先生。
その時に、心電図をとり、血液検査もしました。これは毎回のことで、特別だったわけではありません。
『はい、大丈夫。明日は血液検査結果を聞きに来てください。』・・・と、言われて、フツーに帰宅しました。
翌朝、父は採りたて野菜を私や長女の所に持っててってやろう、と家庭菜園に出かける準備をしていました。朝7時頃のことです。かかりつけ医院の若先生から、電話がかかってきました。
『今すぐ、救急車呼んで、●●病院に行ってください。あちらの病院とは、受け入れで話がついてますから』って。
『はいっ???』
『心臓の状態が、深刻なので、一刻を争います』
『えっ???』
それでも、救急車を断って、自分でタクシー呼んで病院へ行く、というなにがなんだか、キツネにつままれたままの両親。
だって、意識はしっかりしているし、自覚症状ゼロ。ひつこいようですが、前日ゴルフにも行ってます。
総合病院では、あれよあれよと言う間に、『心臓の血管が詰まっているので、脚の付け根から冠動脈にカテーテルでステントを運んでバルーン処置しますけど、場合によっては、開胸してバイパス手術になります。』
『処置の途中に、血栓が飛んで、脳へいくかもしれない』
『何があるかわからないので、ご家族は呼んでください』となりました。
それから、待つこと数時間、手術をすることは無く、動脈にちゃんとステントがはまって無事、処置が終わりました。先生から『あぶなかったですね。もう少し遅かったら救命できませんでした』って。『ひぇぇ~』
危篤と早とちりした私は、オットやら息子やらも、大げさに呼び寄せてしまいました。
だけど、一歩間違えれば・・・・・という状態だったようです。
たまたま薬が切れて、病院に行ったタイミングが、ジャストフィットだったのか、たまたま担当じゃない若先生が父の検査結果に目を通したのがラッキーだったのか・・・・・偶然の積み重ねのおかげで命拾いしました。
当日は、さすがにグッタリしていた父でしたが、翌朝はもうケロっとしている。重篤な患者さんの多い救急救命センターの中で、なにやら場違いに父だけ、元気です。
月曜日の昼には、『退院した』との連絡がありました。た・た・た・退院???一般病棟に移ることもなく、救急救命センターで2泊しただけで、退院しました。
なんと、現代の医療は、スゴイのでしょう~。
やっぱり、うちの父は、パワフル爺じです。これで、ヘタしたら、私より長生きしそうです・・・・・ ランキング参加中です。ポチッとお願いします