日本語おもしろ発見

日々の生活から

天ぷら、天丼、カツレツ、カツ丼、豚カツの語種は?

2009-02-09 17:55:46 | 日本語豆知識
 語彙調査が大詰めを迎えています。来月頭の研究発表会をもって、ほぼ終了です。

 さて、今日は語種の話です。日本語の語種には、和語、漢語、外来語、混種語があります。

 天ぷらは、ポルトガル語のtemperoから来ているので、外来語です。表記にはテンプラ、天麩羅、天婦羅といろいろありますが、外来語です。

 どんぶりは、日本固有の語なので、和語です。表記には「丼」の字を当てるのは、なぜでしょう。「丼」という漢字には、井戸に物を投げ入れた音の意味があるそうで(『集韻』に記述があるらしい)、名詞「どんぶり」を、副詞「ドンブリ」に対応する漢字「丼」の字を当てたことによるのかもしれません。

 従って、天丼は、外来語+和語の混種語になります。

 では、カツ丼の語種は何でしょう。丼は和語でいいのですが、「カツ」は?これは、「カツレツ」="cutlet" の略ですので外来語です。([k???tlit]が「カツレツ」になるのも面白いですね)。

 従って、カツ丼も、外来語+和語の混種語です。

 最後に、豚カツ。「豚(トン)」は音読みなので、漢語です。カツは外来語。

 従って、豚カツは、漢語+外来語の混種語です。

 落ち着いて作業をするとわかるのですが、急いで作業をしていると、ついつい間違えてしまうんですよね~。たとえば、天丼だと漢字にだまされて、漢語にしちゃったり・・・。この天は、テンプラの天だから、外来語なんですよね。調査には注意力も必要です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする