西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

赤瀬川原平著『四角形の歴史』を読む

2006-04-05 | 色々な仮説や疑問
赤瀬川原平著『四角形の歴史』(毎日新聞社刊)を読んだ。「こどもの哲学 大人の絵本③」で、絵もたっぷりあって1200円だが30分以内で読めるというか見れる。私は、前から建築や都市の形に関して「○□△の思想と論理」ということを考えている。赤瀬川さんは別に『老人力』という言葉、本も生み出した。藤森照信さんらと「路上観察」をやりだしたことが、空間にも興味を持ったことに繋がっているのではないか。岩波新書で『千利休』を書いていて、究極の茶室は「楕円形」ではないか、と言っていたのを覚えている。同じ作家の椎名 誠さんは「素晴らしいぐにゃぐにゃ風景」ということを同じ岩波新書『活字の海に寝転んで』で書いている。自然(山、川、動植物)は全て「ぐにゃぐにゃ風景」だが、人工の秩序が□になったのだ。窓や絵画のフレームが基本的に四角で「ぐにゃぐにゃ」を切り取っているわけだ。ところが、その人工的四角四面が溢れてくると息詰まってくる。(行き詰ってくる)そこで、「ぐにゃぐにゃ」を意識的に導入して、息詰まり、肩苦しさを崩そうとしているのが現代であると思う。

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