西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

最近、読むべきと思う本

2014-08-20 | 生活描写と読書・観劇等の文化
最近、台風や前後の短期的豪雨によって洪水や土石流など土砂崩れが起こり多くの住宅が飲み込まれ、破壊され少なからぬ人命も失われている。今日は、広島県広島市安佐南区の山裾に迫った新興住宅地背後からの土砂崩れ、土石流による被害の状況をテレビ画面で見た。 広島県は土砂崩れ被害が一番多い県と言う。1999年にも大きな被害を受けたようだ。

広島県土は、花崗岩が多く、それが風化等で「まさ土」という土砂崩れの起こりやすい土質になっていることが自然的基本条件だ。そこに最近頻繁に起こっているのゲリラ豪雨が来れば、ひとたまりもないことは、予測できたのに・・・。

私は、前から「住宅立地の重要性」を「リッチな立地を探せ、出来れば、そこへ計画的に移動したら」と言っている。私自身、金沢市で生まれ育ち、寺町台という高台に住んで、低地の犀川の氾濫など目にしているので、若いころから住宅の立地を選ぶ時には、洪水の起らないことをまあ一番の条件にしてきた。現在地も、付近では一番高い場所である。

地震は、長い目で確率的に予測されているが、洪水、土砂崩れは、地震より予測精度が高く、より早く避難できたのに、などと「非難的に」思ってしまう。

ここで、人類史を振り返ってみよう。繰り返し起こる洪水に対しては人類は記憶にとどめ(後世では記録にもとどめ)、慎重にそこから「逃げ」、「高台」に居を移してきた、と言える。それが、人口の増加や「土木技術」の「進歩」でやや「安心して」いたきらいがある。更に学ぶため以下の二冊を取りあえずあげておきたい。

〇『人類史の中の定住革命』(西田正規著、講談社学術文庫、2007年発行)

〇『災害住宅誌ー人々の移動とすまい』(牧 紀男著、鹿島出版会、2011年)

牧さんは、面識はないが、京大建築学科の後輩のようである。色々な分野を学んで今は京大防災研究所勤務のようだ。歴史学がベースにあるようだ。


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