西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

人も歩けば情報に当たる

2010-09-12 | 言語・字・言語遊戯
「人も歩けば情報に当たる」という言い方は大分前に思いついたが、世の中でそういう言い方が「流通」しているかどうかは知らない。まあ、最初に言い出したかどうかを別にして、それは私が何も参照せずに言い出したことなのだ。

「歩く」ということは、人間が外出した場合、もっとも普遍的に行う行為である。犬が毎日一度は「散歩に連れてって」というのと同じく、人間も一度は散歩した方が良い。

で、今日は久しぶりに午後、家人と奈良まで電車で行って、そこから歩き回った。

奈良女子大近くの旧町家活用の喫茶兼古本屋に行った。三年ほど前に一度来たことがある。ご主人に聞くと5年半ほど前にオープンと言う。私が奈良女子大を定年退職した頃だ。この店は、床は奥の庭まで畳敷きである。畳は古ぼけている。コーヒーを注文、畳に座りゆっくり休んだ。そこで、先ず「第一の情報」に当たった。奈良に住む映画監督・河瀬直美さんに会ったのである。

と言っても、こちらが名乗ったり、名乗らなくても「河瀬直美さんですね?」と聞いた訳でもない。先日、奈良国際映画祭に行って顔は知っているので、間違いない。ついでに小学校低学年と思われる息子さんも一緒に来ていた。

ここの主人は、河瀬さんと昔からの知り合いらしく、「河瀬直美アンテナショップ」になっているようだ。河瀬さんと主人の会話を聞いていると、河瀬さんは、奈良女子大で子ども用の企画があるというので息子を連れて来たが、日が違っていて残念と言っている。

河瀬さんは入口近くに陣取っている我々の横をすりぬけて奥の方に行って、ごろりと畳の上で横になった。我々の横をすり抜けるときに私は彼女が河瀬さんと気づいた。すらりとしたスリムな人である。

息子は、漫画の『三国志』を熱心に読んでいる。河瀬さんより更に奥に髭の男性が一人横になっていたが、ひょっとして「河瀬旦那」かな、と思ったが確証はない。

私は、家人にそれとなく情報を伝えた。そして、決してミーハーのような行動はとらず、普通の市民同士というスタンスを守った。

河瀬さんは奈良に住み、奈良を舞台とした映画を撮っていきたい、と言っている。今日の行動を見ていると、奈良で普通に生活し、息子も育て、その上に映画もしっかり撮っていくという意気込みは本物と感じた。

店を出て東向き北通りに来た時、第二の情報にぶつかった。5,6年は会っていないT.T.先生に偶然出会った。挨拶はしたが、急いでいるのか「じゃあね」と言って去って行った。しかし、元気そうなT.T.先生に会えたのは良かった。

それから、東向き通り、餅飯殿(もちいどの)通りを往復歩いたが、また三条通りも少し歩いたが、店舗の大幅な遷移(移り変わり)を目撃した。これが第三の情報へのぶつかりだった。これらの情報は、家にじっといたのではぶつからなかった情報に違いない。

「人も歩けば情報に当たる」は、真理ではないかと思った一日だった。

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