西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

ラジオ深夜便・心の時代で「親日国トルコの素顔」聞く

2010-01-21 | 文化論、科学・技術論
今朝、ラジオ深夜便で親日国トルコの素顔(一橋大学大学院教授 内藤正典)を聞いた。知らなかったいくつかのことがわかった。

・トルコでは今年は「日本年」であるようだ。1890年、今から120年前に親善のため日本にやってきたトルコ(トルコ帝国)の軍艦(エルトゥールル号)が帰国途上、紀伊半島沖で遭難、串本の漁民が数十人助けたようで、それから勘定して「日ト友好120年」なのだと言う。最近、イラク・イラン紛争のとき、イランのテヘランに取り残された日本人をトルコ政府が飛行機を飛ばして救出したのだと言う。(多くの日本人は忘れている。昔、日本人に助けられたのを「思い出してくれた」のだ。)

・1920年代、第一次世界大戦後に苦労して共和国になり、トルコはアジアの西端であるとともにヨーロッパの東端、イスタンブールは、その象徴的都市、現在、そのボスボラス海峡の地下鉄を日本企業が工事しているようだ。その上の橋の工事にも過去日本企業が参加している。

・トルコは、1920年代以降ヨーロッパに「入ろうと」努力、だからNATOに加盟している。そこで、現在、アフガニスタンに治安維持部隊を派遣している。アメリカやNATO部隊で唯一戦死者を出していないのがトルコ軍という。同じイスラム教徒ということもベースにあるが、「テロリスト」をかくまっていないかと民家に踏み込む場合、事前に女性の部屋から女性を退去させてから点検するそうだ。アメリカ軍は、土足でドヤドヤ踏み込むようで、反感を買っているようだ。(アメリカ軍は、昔、日本を攻撃するとき研究を重ね『菊と刀』(ルース・ベネディクト)のような認識を持っていたが、アフガンでは研究不足なのかな。)

・その他、パトロールの時は、戦車から機関銃を構えてはいけない、サングラスをかけてはいけない、という軍紀も民衆を安心させているようだ。

・内藤さんによると、イスラム教は元々平和主義で「アメリカに追い詰められてやむを得ず防衛しているのだ」との認識だ。

・トルコでは、殆ど日本のような「自殺」という現象はないようだ。「何故、日本は自殺者が多いのか」と聞かれるようだが、トルコ人には理解できないようだ。イスラム教では、不幸なことは、自分の責任ではなく「神様の思し召し」となるらしく、ストレスを感じなくてよい「構造」になっているという。

・イスラム教徒を「無理に戦闘的に仕立てているのは」、言ってみればキリスト教徒のせいではないか、とのことだ。現在、イスラム教徒だけが世界的に信者を増やしているようだが、それは、平和的でおだやかな教えのためではないか、と内藤さんは言っていた。

まあ、一寸、見方を変える必要があるかもしれない、と思った。持続的に研究していこう。

(この番組とは別のことだが、トルコ帝国がロシア帝国の南下政策に「おそれ」を抱いていた時、日露戦争で日本が勝利したため、トルコは喜んでイスタンブールに(東郷平八郎連合艦隊司令長官に因んで)トウゴウ通りをつくった・・・、と聞いたことがある。)