西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

「空気を読む」ことについて

2010-01-16 | 時論、雑感
『日本辺境論』(新潮新書)で内田 樹さんは、「日本人は、誰でも、まあ右でも左でも「空気を読むことがうまい」ことでやってきた」という趣旨を言っている。

まあ、誰でも場の大勢が「読める」ということだ。新年になって各政党は左右を問わず大会を開いている。今日から民主党大会、小沢一郎氏の元秘書(国会議員含む)が逮捕されて大変だなと思う。どうなるか見守りたい。

日本共産党は、今日が大会の最終日のようだ。ネットでホームページを見ていて、元委員長、議長の不破哲三さんの過去の「核密約」のインタビュー記事があり、読んでみて最後にきて「あれっ」と思った。

引用:「不破 日本は軍事力が足りないという議論をしばしば耳にしますが、日本にいま一番足りないのは外交力なんですね。しかも、日本はいまの世界で、外交力を発揮できる絶好の条件をもっているのに、いまの政治はそれを生かそうとせず、逆に投げ捨てることばかり考えてきた。そこを百八十度転換しなければいけないときなんですね。

 外交力発揮の絶好の条件というのは、第一に憲法第9条、第二は被爆国としての非核の立場です。

 戦争を防止できる平和の国際秩序を、という声はいま世界中に広がっています。これは、憲法9条を国際政治に生かせる絶好の条件が広がっている、ということなんですね。

 アメリカのオバマ大統領が核兵器廃絶をアメリカの国家目標にすると宣言したことは、日本国民の非核の声が最大の核保有国をも動かし始めたものだと評価してもよいでしょう。だから、志位委員長は、オバマ大統領に共感と提案の書簡を送り、対話の一歩が始まりました。その時に、「核抑止」論をもちだしたり、「日本核武装」をとなえたりするのは、自分が時代に逆行し、世界の“空気の読めない”愚か者であることを証明しているだけだと思います。

 いまこそ、日本が「非核の日本」の旗をさらに高くかかげて、核兵器のない世界、核廃絶の実現をめざす世界的な運動の先頭に、確信をもって立つべきときだと思います。北朝鮮の問題でも、「非核の日本」の立場を名実ともにつらぬいてこそ、北朝鮮の非核化を道理をもって主張し、推進することができます。

 そのためにも、核密約の正体がいよいよ明るみに出てきたいま、必要なことは、その真相を公開させ、密約を廃棄して、非核日本の立場と矛盾するすべてときっぱり手を切ることです。この機に乗じて、非核三原則を骨抜きにし、密約を合法化しようなどの試みを絶対に許してはなりません。

 憲法9条と非核日本、この道をすすんでこそ、憲法前文がいうように、日本は、国際社会における「名誉ある地位」を占めることができる、このことを最後に強調したい、と思います。(おわり)」

ここに「「核抑止」論をもちだしたり、「日本核武装」をとなえたりするのは、自分が時代に逆行し、世界の“空気の読めない”愚か者であることを証明しているだけだと思います。」と「世界の”空気の読めない”愚か者(誰のこと?)」という言い方が出てくる。

正に日本共産党は、世界や日本の「空気」を事前に「読んで」今日にきているのだろうと思う。

例えば、いち早く「国会で多数を占める道で政治変革を」とし、宮本議長が議員にならないのは裏でなにかやるのでは・・、と批判されると参議院議員になり国会活動を熱心にし、いち早く自主独立を標榜して「ソ連は(特にスターリン以後は)社会主義ではない」と断定し、マルクス・レーニン主義という言い方を改めて「科学的社会主義」にしたり、「現憲法を(天皇条項を含み)全体として守る」としたり、「市場経済を認めるルールある経済社会が当面の目標」とし、自公政権がつぶれるのを見通して、でもまだ民主党政権では不十分として「建設的野党」とみづからを規定したり、いち早くオバマ大統領の核廃絶宣言にエールを送ったり等々、国民と世界の”空気”をいち早く「読んで手を打っている」ので、欧米共産党のように「ソ連寄りで”空気”が読めなかった」ところが「没落」する中で第四党を維持していると思う。

さて、次に、どういう”空気”を「読む」のであろうか。見守っていきたい。

それに対して、自民党は、国民と世界の”空気”を全然読めなくなったのではなかろうか。