西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

三砂ちづる「着物で生活革命」

2009-03-09 | 生活描写と読書・観劇等の文化
国際的な疫学研究者、津田塾大教授の三砂ちづるさんの「着物で生活革命」(2)をNHKラジオ深夜便「こころの時代」で聞いた。

(1)を聞いていないので、本筋の「着物で生活革命」そのものの意味を本人から聞いたわけではないが、(2)の趣旨として、日本人の昔の生活で見直すべきこと色々あるのでは・・・、何が何でも西洋流がいいとは限らない、ということなので、その線で着物も位置付けうるだろう。

我々の分野での関連で言うと、「椅子座」が日本人の姿勢を悪くしたのではないか、という。そういう面があると思う。「近代住居学者」とも言うべき西山夘三先生が、晩年、「最近、正座がしづらくなった。若いころ、もう少し正座をする機会をつくるべきだったかな。」と言われるのを聞いて驚いたことがある。
私自身は、法事やお茶事の時に特に困る。皆さんはどうですか。

三砂さんは、西洋の女性、コーカサスの女性、アフリカの女性の体格と日本人女性の体格を比較すると、誤解を恐れずに言うと、日本人女性の体格は一般に貧弱、それを立ち居振る舞い、着物、薙刀などの武道等で補ってきたのでは、という。洋服は、西洋人のように肩の筋肉が元々しっかりしていないと肩が凝る。日本人の「なで肩」では着物の方が合理的、という。

長年の外国住まいから日本人の生活上の良さを指摘している。

(1)誰がすべきと決まっていないことでも、やったほうが良いなと思って率先してやる精神・・・例えば、ゴミが落ちていると自然と拾う、落ち葉を自然と掃除する・・・、(外国ですると、「よその人の仕事を奪う」などと非難されることがある)
(2)お金を一円まで厳密に考えない。ブラジルで日本人移民が成功したのは、使用人に対しても、そういう態度(悠長な態度)で接したからでは・・、という。
(3)主張すべきことは、しっかり考えて言うが、べらべら喋るのがいいわけではない。(べらべらは、べらべらでしかない!あまりディベート等の技術論にいくべきではない!)

このほか聞くべきこと:
○津田塾の創始者の津田梅子が言ったのは「全たき女性を目指せ」ということで、それは良妻賢母の女性でも職業婦人の女性でもない。

○乳児のおむつは出きる限り早くとれるように・・・、実際、赤ちゃんの立場になると「したいときに泣く」のであり、「して、おむつが気持ち悪いから泣く」のではない。昔は赤ちゃんのサインを読み取って「持ち上げて例えば庭に向かってした」ものだ・・・。母子のコミュニケーションはそういうことからも始まる。読み取れるようになったお母さんは嬉しそうだ。