西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

けいはんな市民雑学大学のこと

2008-11-18 | けいはんな学研都市マター
 「けいはんな市民雑学大学」は、今年(2008年3月末)スタートし、約8ヶ月が経過した。講座も8回行った。ここで、若干振り返りつつ今後の方向性を考えてみたい。
 「けいはんな市民雑学大学」は、6年ほど前にスタートした「けいはんなのまちづくりを考える会」での議論、発想が原点である。その「考える会」では、様々な人々に「けいはんなのまちづくり」に関連する講演会を行ってきており、その講演会をモデルとしてイメージして、より定期的に講座を行おうとするのが、当初の「市民大学」の構想だった。

 それで、「考える会」のあるメンバーの経験から、先発の「東京雑学大学」の経験を伺う会を「考える会」の講演会で行った。そこで、我々も出来るかもしれない、という盛り上がりがあって、スタートすることになった。色々議論した結果、大学名は「けいはんな市民雑学大学」となった。当初の「市民大学」でもなく「東京雑学大学」に範を求める「雑学大学」でもなくて、「けいはんな市民雑学大学」となった。「市民雑学大学」を、例えば「グーグル」で検索すると、我々の「けいはんな市民雑学大学」が約18万8千件のトップに出てくる。正に我々「けいはんな市民雑学大学」が、我が国初の「市民雑学大学」なのである。

 では、「市民雑学大学」のトップを走る「けいはんな市民雑学大学」の理念は何なのか。
それは、「けいはんな」「市民」「雑学」「大学」というキーワードで構成されている。「けいはんな」とは、「けいはんな学研都市」の範囲に入っている「京阪奈三府県」の8市町(京田辺市、木津川市、精華町、奈良市、生駒市、枚方市、交野市、四条畷市)の範囲であり、今までの普通の地方自治体の範囲と異なっている。「けいはんな」には、そこをまとめて考えていこうという気持ちがこめられている。「けいはんな市民」という「市民」も実質存在していないのだが、そこに我々が将来そういう市民になるのだ、という意気込みがこめられている。「市民大学」でも「雑学大学」でもなく「市民雑学大学」であるというのは、単に「スマートな」「市民向けの大学」でもなく、「雑雑とした雑学を学ぶ大学」でもなくて、真に「けいはんな市民になるための、あるいはけいはんな市民に相応しい様々な学を学ぶ大学」であるということだ。

 そこで、8回色々なテーマで講座を行ってきたが、今後どのような講座を充実し、やっていったら良いかについて以上の議論を踏まえて仮説的に提示してみたい。

 「雑学」というのであるから、とにかく世界の大学でやっているどんなテーマも講座で取り上げられうる。どこでも取り上げていないものでも勿論良い。
 歴史学、地理学、文学、健康学、自然学などがベースにあるのではないだろうか。時間、空間、人間、自然に関する学問である。しかし同時に「市民雑学」なのであるから、例えば「市民主体のまちづくり」に関する学問、土木、建築、造園、都市計画、農学などもある。まあ、二本立てといってもよい。

 これらの講座を一回限りにしないためには、例えば「地域SNS」のコミュニティで当該テーマを立ち上げて継続的に、ある意味でバーチャル研究室、ゼミを展開したらよいのではないか。また、「まちづくりを考える会」が、例えばリアルなまちづくり課題を追求しだしたとき、この「市民雑学大学」にストックしている知識や知恵、人材等を最大限動員したら良いと考えている。