goo blog サービス終了のお知らせ 

西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

『文文日記 日々是好日Ⅵ』(鈴木成文著)を斜め読み

2008-06-21 | 生活描写と読書・観劇等の文化
鈴木成文先生から『文文日記 日々是好日Ⅵ』が贈られてきた。毎年送っていただいている。建築計画学(住宅計画学)の大家(ダイニング・キッチンを1951年に初めて提案したお一人)だから、その日々の日記を眺めると、大体その年のその学の傾向が察知される。それも「人と人との繋がり」のなかで、展開されるので「ふむふむ」と思う。

でも鈴木先生は、東大建築のご出身(1950年卒、私より14歳上、81歳か)なので、東大建築人脈が中心の「人の繋がり」である。しかし、東大教授を退官の後、神戸芸工大に赴任され、学長もやられたし、若い頃に大阪市大に数年おられたので、関西にも知り合いが多く、私なんかも院生時代から40年にわたる「知り合い」ともいえる。

さて、この『六』を読ませて頂き「そうだったなあ」と思うこと色々だ。
九州の青木正夫先生(九大名誉教授)が亡くなられたこと、他にも亡くなった方々が色々出てくるが、鈴木先生の年齢ならそうなのであろう。傘寿のお祝いの会の記事もある。色々と映画も見ておられるが「ヒロシマ・ナガサキ」と「母(かあ)べえ」は私も見た。あちこち元気に行っておられ、中国にも行かれたようだ。体調についても色々触れて早め早めに「手」を打っておられる様子。牛乳について「疑問」に感じられた記事もあったので、メールで御礼と共に、最近の医食同源に関する私のブログ記事(牛乳記事等)を送った。是非、お元気で米寿、卒寿を目指してくださいね。
(本は、「建築資料研究社」から公刊、1050円)

思わざる父の日プレゼント

2008-06-15 | 生活描写と読書・観劇等の文化
午前中、食後、妻は外出、一人新聞を見る、岩手・宮城内陸地震、凄いなあ、と思う。そして、やがて、南海地震、東南海地震も来るのでは・・・、早く耐震診断、改修、しなければとも思う。

ピンポーン、ベルが鳴った。「宅配便です」玄関先に出て受け取る。

名古屋の娘からの「父の日プレゼント」だ。開けてみると、綿100%のTシャツ、一寸「若い」感じ。予想もしていなかったので嬉しくてすぐに電話をした。

家族一同(夫婦に子供3人)元気に暮らしているようだ。それこそ何よりの「プレゼント」と思う。


家政学会へ行く楽しみ

2008-06-05 | 生活描写と読書・観劇等の文化
5月30日~6月1日まで第60回の日本家政学会が東京の日本女子大であったことは、前に書いている。

で、家政学会に行く楽しみをいくつか数えてみた。勿論、研究発表場に行って、発表をしたり(最近は自らしていない)、聞いたり、質問したり、議論したりする楽しみで、これはポスターセッション(ポスターによる発表)やフォーラムやシンポジュウムにも当てはまる。これを私は「フォーマル・ディスカッション(formal discussion)」の場といっている。恐らく出張旅費もこれに支払われるのだろう。

しかし、夜行われる飲み食いしての懇親会も楽しみである。年配の人で、これだけに来る人もいる。今回は2日目に有名な「椿山荘(ちんざんそう)」で行われた。久し振りに会う人や、異分野の人にも会えて面白い。昼間の議論を更にすることもできる。私は最近、「食分野」にも関心があり、食の人に色々質問した。この懇親会での議論を私は「インフォーマル・ディスカッション(informal discussion)」と言っている。昼よりinformativeかもしれませんよ。

以上は、他の学会でも言えることだが、家政学会のいいところは、1)こじんまりしていて知っている人が結構多い、2)(衣食住等)異分野が一堂に会している、3)女性が多い学会で女性の意見がたっぷり聞ける・・・。

他に家政学会独自の「展示会」がある。検査・分析機器の展示、関連図書の展示等があり、年に一度どういう機器が出たのか、どういう本が出版されたのか一目で分かる。今回は、いくつかのコーナーで引っかかり、本も三冊ほど買った。

ひっかかった一つは、包丁のコーナーで、様々な包丁があって、手にとってみれた。片刃包丁、両刃包丁というのを「誤解」しているのが分かった。日本の伝統包丁は片刃包丁である。出刃包丁、菜切り包丁、刺身包丁など皆そうである。
子供用の包丁もあって手にとってみると結構重い。切るための自重も考えているらしい。昔、金沢の実家には何種類かの包丁があって、研ぎ石もあったことも思い出した。最近の家庭の包丁事情はどうなっているのだろう、と考える時空だった。

逆説の生活論ー子供達への提案ー

2008-05-02 | 生活描写と読書・観劇等の文化
私は、昔、「逆説の住居論」という小文を書いたことがある。それは、一般に、広い住居、明るい住居、温かい住居は、狭い住居、暗い住居、寒い住居より良いと考えられているが、本当にそうなのか、ということを提起し論じたものだった。

それを思い出しつつ、少し子供向けに、衣食住で三つのことを言ってみたい。
まず、薄着をすることである。寒くぶるぶるふるえるような薄着を言っているわけではない。常日頃は乾布摩擦などをして血液の循環を高めておいて一定の薄着が良いのではないか。

第二に、食だが小骨のある焼き魚の小骨をとる練習をしつつ魚を食べること。(箸の使い方、指先の器用さ訓練)

第三に、狭い畳の間に布団で寝ること。この理由は、『キラッと輝くいい住まいー思い入れ住居論ー』(彰国社)に概略書いた。(p.27~28)「その時代には一般的に自分(たち)用のスペースをそんなに取れないからだ。ベッドは部屋の使い方を固定するが、布団ならば上げてしまえばそこは別の用途に使いうる。・・・また、子供たちに対しては、毎日布団の上げ下ろしをさせることによって、生活のけじめをつけさせる意味もある。ベッドだとどうしても「万年床」になりがちなのだ。」その他に、布団の上げ下ろしで若干でも足腰が鍛えられる。これだと、三畳~四畳半の和室で十分である。

床(ゆか)にベッドは、むしろ「高齢者向き」なのである。

熟年時代のしん友づくり

2008-04-06 | 生活描写と読書・観劇等の文化
ラジオ深夜便の4時台にエッセイスト 青木匡光(まさみつ)さんの「熟年時代のしん友づくり」という話を聞いた。これを聞いて、数日前に入学式で在校生が言った「しん友」(ブログ参照)は、既にこの青木さんが言っていることが分かった。

青木さんの「しん友」の意図も「しん」に様々な字が当てられるということで、新、親、信、心、真のほかに深もあるよ、と言っていた。それで、この「しん友」づくりは、新入生だけではなく、熟年(定年後)においても同じく大切なのだと改めて自覚した。

青木さんは、小樽商科大学出身、私より8歳年上、商社等に就職するも42歳で独立、ヒューマンメディエーター(人間接着業)と称し、事務所は「ヒューマン・ハーバー(人間の港)」と称している。

定年後は、会社のしがらみ人間関係を脱して、「しん友」を沢山つくって楽しく生きなくっちゃ、ということだ。私の入っている地域SNSで75歳を過ぎて毎年「しん友」を10人以上つくることを目標にし、着々実現しているtomityanさんを思い出した。あやかっていきたい。

花見

2008-04-05 | 生活描写と読書・観劇等の文化
明日は天気が下り坂、桜は満開を過ぎ散り始めている。だから、晴れている今日が今年の花見の最後のチャンスのようだった。友人のFUTANさんの呼びかけで近くの「土師山公園」に行った。近鉄・高の原駅東の北である。

参加者は10数人だが、地域SNS「けいはんな」、けいはんなのまちづくりを考える会、けいはんな市民雑学大学の中心メンバーが多かった。桜花は散り始めている。

熊本つながり3人、岐阜つながり2人、京都つながり2人、あとは名古屋、奈良そして金沢の私である。

花見は、日本的風習、芭蕉も「さまざまなこと思い出す桜かな」と詠んでいる。
http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/fecdcf7e04993fd01e602eaf18a4fe06
確かに色々と思い出す。幼児の時から毎年行った兼六園の桜、十一屋町小学校の正門入ったところの記念写真に入る桜、野田中学の桜、付属高校運動場の桜などを思い出している。

(写真は、土師山公園の桜)

孫(まご)軍団が帰る

2008-04-02 | 生活描写と読書・観劇等の文化
春休みの3月29日(土)から4月2日(水)まで4泊5日で名古屋の3人の孫軍団が母親(私達の娘)と共に滞在していた。二番目の女の子が明後日小学校の入学式なので、今日帰ったのだ。一番目が、12歳になる長男(6年生)、二番目が女の子6歳で小学校入学、一番下は男でもうすぐ1歳の誕生日だ。

私は勤務先からの帰りに「荷物持ち」で高の原から京都駅まで送っていった。帰って、自宅内を見ると正に「台風一過」、玩具、カード、絵本、漫画、雑誌、セーター類、下着類、毛布、布団等々、少しは片付けさせたのだろうが、まだ家中に散乱している。整頓するのに二三日かかるのでは、と思った。下着類は洗濯して、送るのかな・・・。

うるさかった室内も「シーン」としている。又、夏まで夫婦二人の静かな生活だなあ。 少し淋しいが、それが続くからこそ、孫達が来ると「ぴりっ」として「わいわい」となるのだ。生活の「メリハリ」である。

育児は育自、育児なしは意気地なし

2008-03-20 | 生活描写と読書・観劇等の文化
今日の新聞に「夫が家事に積極的→第2子誕生」という記事があった。(『朝日』11面)厚労省の調査。子どもが1人いる夫婦のうち、夫が休日に家事や育児をしない家庭の20.5%で2人目が生まれた。これに対し、夫の家事・育児への参加時間が2~4時間だと51.2%、4~6時間は56.3%、6~8時間は63.8%となり、参加時間が長くなればなるほど、2人目の子どもが生まれることが多い傾向だった。-とある。

私は、老若男女すべてで「基礎的生活力」(炊事、洗濯、掃除、育児・介護、おしゃれ、買い物、近所付き合い)が必要と言っているが、特に若い人たちの結婚披露宴に招かれて、新婦側の客としてスピーチする場合、新郎に対して「育児は育自、育児なしは意気地なし」と言ってきた。

私の場合、家事も育児も結構してきたと思うけれど、事情で一人娘だったが・・・。

奈良へ散歩?ー色々のことあり。

2008-03-15 | 生活描写と読書・観劇等の文化
義歯の調整に奈良の歯医者まで行った。今日は日和もよく「春だなあ」という感じで散歩気分、歯医者の帰りに昼食として例の「まぐろ小屋」で「あらに定食」を食べた。義歯なので煮た柔らかい魚が良い。少し情けないが・・・。

「まぐろ小屋」のマスターは還暦になったばかり、4月に入ったら奥さんとチェコ、オーストリー、ハンガリーに出かけるという。丁度、私の高校(金大付属高校)の同期生で元チェコ大使の石田寛人君の『プラハ 金沢 街角だより』(時鐘社新書)を読みかけだったので、そのことを少し話した。マスターによると、4月は未だ夏などより「安い」とのこと、私も「行きたいなあ」の気持ちなのだが・・・。(まぐろ小屋:http://maps.google.co.jp/maps/ms?hl=ja&ie=UTF8&msa=0&ll=34.686705,135.828717&spn=0.001526,0.002521&z=18&msid=117469149049471677079.000448823fc022b1a065c&iwloc=0004488251aef25cd1dd4

どうも近くの奈良女子大の入学手続き日らしく、母親と新入生らしき人達も店に入ってきていた。外に出ると奈良女のM.先生がカメラ片手に学生たちと通るので聞くと「暖かいので午後の散歩」とのことだ。

その後、私は喫茶店「アン・メリー」でコーヒー飲みつつ『日経新聞』を見て、文化欄情報から、本屋で須賀敦子全集3巻(3冊)買ってしまった。面白そうである。

暖かいニュータウンの専用歩道をぶらりぶらりと帰った。家の近くに来たら近所のK.おじいさんに会った、先だって奥さんを亡くされたばかり、散歩の途中、私はお悔やみを言ってから、そのK.さんの献身的看病振りが近所の評判になっていることを付け加えた。K.さんは涙ぐんでおられた。

「パワフル奥さん」小芝ルリ子さんを訪ねて

2008-03-13 | 生活描写と読書・観劇等の文化
本日、木津川市加茂町にN.W.さんと「パワフル奥さん」とも言うべき小芝ルリ子さんを訪ねた。今度、我々の住む「けいはんな学研都市地域」(木津川市、精華町、京田辺市、枚方市、四条畷町、交野市、奈良市、生駒市)で、有志で「けいはんな市民雑学大学」を立ち上げることになり、講義する「市民教授」の第一号として小芝ルリ子さんにお願いすることになったため、ご挨拶に伺ったのだ。

小芝邸は、「山の上」、回りに畑もある。家は15,6年前に建てられた洋館、外国人の牧師さんが当初住んだが、事情で14,5年前に小芝さんが買い取ったという。ここに共に再婚の夫(元JRマン)と住むが、14年ほど前に、「ハーブ研究家」となり、又、夫との「丁々発止」の生活から「役に立つ夫会」を立ち上げ話題となる。元々は1945年、東京生まれ(62歳)、青山学院大学英米文学科出身、中学の英語・数学の教師となる。その後の経緯は詳しく伺わなかったが、塾経営もされ、ハーブ研究家、絵本作家(孫のために描いた『グランマのお散歩』がアメリカで認められる)、あちこちで講演、最近、楽器リコーダーにも取り組み「西村さん、音楽のない人生は楽しくないですよ」と言われた。私も「オカリナ」を始める羽目となったが・・・。

3階の屋根裏まで見せてもらった。全体に絨毯を敷いた洋館は一寸「いや」なようで、終の棲家は別につくりたい、という。息子の一人はアメリカの大学を出て、今は日本で設計事務所で修行中とのことだ。途中、「はあぶや」を訪れたという城陽市の夫婦が訪ねてきたが、「さあさどうぞ」と招じ入れ、夫さんにハーブティを炒れて頂いた。

とにかく、全部まとめきらないが、「けいはんな市民雑学大学」の第一回講義に相応しい人物だった。3月29日が楽しみだ。講義題は「心のドアーを開きましょうーパワフル奥さん人生自分流」となった。色々、私自身の生きかたにも参考となった。

写真は、小芝邸での「役に立つ夫会」風景


小芝ルリ子さんブログ:http://ha-buya.seesaa.net/archives/200803-1.html


紅梅と白梅、サン・キュウ

2008-03-09 | 生活描写と読書・観劇等の文化
今日は良い天気で気温も上がった。私の庭の白梅、庭に向かい右側隣家庭の紅梅が呼応して咲いている。
飯田龍太の句に「白梅のあと紅梅の深空あり」というのがある。
私(市路)は「紅梅や白梅塀越し挨拶し」という句をつくったことがある。

まあ今日は3月9日、「サン・キュウ」の日だ。温かき日、紅梅と白梅に感謝したい。
Thank you very much indeed!



地域の図書館に行き館内散歩

2008-03-06 | 生活描写と読書・観劇等の文化
今日、精華町役場に行く用事があり、ついでに付設の町立の図書館に久しぶりに入ってみた。私の家の近くには、高の原に奈良市立北部図書館もあって、閲覧だけならこちらも利用できて良い。他に国立国会図書館関西館も近くにあって、図書館密度の濃い地域と言えよう。精華町図書館のタッチパネル式検索機の「著者検索」で自分の名前を打ったら一冊だけ入っていることが分った。『いい家みつけたーロンドン借家住まい日誌ー』である。1986年晶文社刊のやや古いものである。

最近は、ビデオに加えてCDやDVDも相当あることが分った。「暇になったら(何時のことか?)」ゆっくり見せてもらおう、リアルに旅行に行く前に「予習」も出来るかな、と思った。雑誌書架もざっと見てみた。『科学』(岩波)3月号は「市民科学のリテラシイー」特集でパラパラと見てみた。中々面白そう、コピーを頼もうと思ったら「最新号は駄目、来月になったらできます」とのことだった。

自分ちの書架(二箇所)、積水ハウス総合住宅研究所及び西山記念文庫の書架、そして三つの図書館の書架を、総合的にイメージして位置づけ使いまわす発想が必要と思った。何だか知的に楽しそうな作業だな。
(写真は、精華町図書館、奈良市北部図書館、国会図書館関西館、西山記念文庫)




日曜点描、読書と散歩

2008-03-02 | 生活描写と読書・観劇等の文化
日曜日、NHKラジオ「こころをよむ」シリーズ『風景からの町づくり』(中村良夫著)を読む、前に同じ著者でNHKテレビ「人間講座」で『風景を愉しむ風景を創る』を読んだことがある。

午後、二人で散歩に出る。兜谷公園を通り、イオンまで、本屋で又文庫本2冊買う。ドナルド・キーン著『果てしなく美しい日本』、只木良也著『森の文化史』(両方、講談社学術文庫)だ。喫茶店で前者を少し読む。1958年頃の(アメリカ人への)日本紹介だ。私は高校1,2年生だった。「そうだったなー」と思う。

中村良夫さんによると、現在は「果てしなく醜い日本」になっているのかもしれない。でも散歩しつつ、色々な樹木に触れ、『森の文化史』に触れ、まだ「間に合うかな、間に合わせねば・・・」と思った。


桑子敏雄著『感性の哲学』を読む(2)個性を豊かに、挨拶と掃除

2008-02-27 | 生活描写と読書・観劇等の文化
前稿で述べたキーワード「身体の配置」と「空間の履歴」を個々に考えると、一人一人は生まれてこのかた、皆、個性を自然と持っていると言える。だから声高に個性を豊かにする教育を!と言わなくても良い。元々個性があるのだから、それに気づかせれば良いのである、と桑子さんは言う。

そこで、次に、桑子さんは、先ず「挨拶と掃除」を徹底してさせるべし、と言っている。
「挨拶」は、自分と他人との「つながり」の第一歩であるし、「掃除」は、自分と空間(環境)との「つながり」の第一歩であるからだ。

桑子敏雄著『感性の哲学』を読む(1)身体の配置と空間の履歴

2008-02-27 | 生活描写と読書・観劇等の文化
 NHKブックス914桑子敏雄著『感性の哲学』をざっと読んだ。「感性」というキーワードは、感性で捉えて理性で判断する、といった理性より「一段低い」位置づけの感性ではなく、「環境の変動を感知し、それに対応し、また自己のあり方を創造してゆく、価値にかかわる能力」である、と桑子さんは捉える。
 その場合、第一に「身体の配置」という自己の置かれた空間の位置、内容の把握、第二に「空間の履歴」という概念、つまり、その空間の過去から現在までの特に自己の身体の配置に伴う歴史の把握が重要となる。この「空間の履歴」というキーワードは、1997年2月はじめのある朝、脳裏に浮かんだとのことだ。

 この本は、今少し丁寧に読む必要があると思うが、ざっと読んで、私が1996年11月に「公表」した「人々、環境そして歴史とのつながりの豊かな住居、住環境」形成への提案と重なる部分があると、思った。