東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

ポストのある風景

2014-01-07 23:38:04 | ああ懐かしき、、

P1010060 昨年末、郵便局のお歳暮を使ったらおまけでもらったカレンダーです。早速仕事場に掛けて表紙を剥がすと1月2月は懐かしい風景。

 まだ20代だった頃勤めていた上野の不忍池の畔にある下町風俗資料館の玄関の絵です。

 ただでも懐かしいですが、自分が実際に関わったものがふたつもばっちり写っているんです。

 ひとつめは当然ポスト。当時はまだ郵政省だったように思いますが、手続きを踏め資料館の入口に資料として設置してもらえるということを知り、設置してもらっては、と言い出しっぺでした。当時は図でに円筒形のポストが東京の区部で現役で、とう風景は(あったのかもしれないけれど)滅多に観るものではなくなっていました。

 設置してもらう上での条件のひとつに、あくまで資料としての設置であるということを明示するように指示あって木札を横に立てていたように憶えています。

投函口も塞いで中に入れられないよう工事されました。あれから既に20数年経って周囲にすっかり馴染んでいるような感じに見えます。

 二つ目は画面中央に見える石臼。これは、赤羽駅西口の再開発の際取り壊しになった古い家並みの中にあったもの。住宅公団の方に頼んでいただいてトラックで運んできたものです。

 当時は誰かに用を足されたりしてよく洗っていましたけれど、今はどうでしょうか。他の方にはどう見えるかわかりませんが、20数年経て、ここの入口の点景のひとつに馴染んでいるように見えます。昔の赤羽西口をまだ憶えている方、ここにお立ち寄りの際には、ちょっと観てやってくださいね。P1010061


煮出し

2014-01-07 23:14:28 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1010059
 江戸時代後期、天保年間より以前の今戸焼の土人形には東北の相良、堤、花巻の土人形などと共通して、顔料の他に植物を煮出した汁を使って透明感のある彩色に使っていたという作例が古い伝世品に残っています。

 例えばひとつの同じ型から抜き出された人形の種類であっても作られた時代の彩色の仕方や使われた色料は違うわけです。

 

 黄色については、顔料の黄土や石黄など古い時期からのものですが、「きはだ」(黄柏)も古いやり方の黄色の出し方のひとつです。

 昨年末、干支の馬の「小姓馬」や名古屋の饅頭喰いの一部にこの「きはだ」の煮汁をたくさん使ってなくなってしまったので、2年か3年ぶりに「きはだ」を煮出しました。

 染織でよく使われる草木染のひとつですが、昔は人形にも一部使われていたのです。その煮出し方は私は適当に我流ですが水に浸したきはだのチップを湯煎にかけて煮ます。あまりたくさん水を使うと薄くなってしまうのが嫌なので少し煮出して一番汁、そのあと3度目4度目と煮出して、冷めた汁をペットボトルに移して冷蔵庫で保存します。媒染を入れたり、お酢を入れたりもしますが、きはだは割と安定した黄色なので、一回の煮出しで出た汁は2年くらいは色として保存して使っています。

 ちょうど干支の馬の5番目の「鬼平」(正確には「馬乗り火事装束のお侍」)の一部にきはだを使うので少しだけ膠と混ぜて塗りはじめました。何度も重ね塗りして黄色みを強くしていきます。P1010063


今年もよろしくお願いいたします。

2014-01-07 22:52:31 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1010057 今年はじめての更新になります。

昨年に引き続き、今年もよろしくお付き合いくださいますようよろしくお願いいたします。

 普通ならば元旦には更新していたのですが、年末から足腰の痛みのため、仕事場へも行かず、ずーっと寝ていました。それでも3日から仕事場で作業を少しずつはじめています。

今年の干支は馬で、昔の古い今戸焼の土人形の中では、人形として作られた種類の多い動物です。

画像には4種類しかありませんが、5種類目を今塗り始めました。本当は昔もっと種類があったのですが、、、。それでも5種類手がけることができるというのは恵みの年という感じです。

今年も少しでも多くの今戸焼の土人形の古典に取り組んでみたいと思います。

 ご訪問くださる皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。