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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

2299 ・なによりも「個人の尊厳」が大事ですよね

2015-04-10 13:37:15 | 政治

こんにちは。
生き生き箕面通信2299(150410)をお届けします。

・なによりも「個人の尊厳」が大事ですよね

 日本では、フランスは「個人主義の国」とみなされています。それはあくまでも「個人の尊厳」を大事にする個人主義です。フランス革命とそれに続く多くの血を流した結果、勝ち取った「宝」です。

 フランス革命時に作られた国歌「ラ・マルセイエーズ」は、驚くほど戦闘的な歌詞で7番まで続きます。とくに最後の7番は「子どもの詩」で、やはり戦いへの決意を盛り込んでいます。

 ちなみに1番を日本語訳でみると

  「行こう 祖国の子らよ 栄光の日が来た
   われらに向かって暴君の 血まみれの旗が掲げられた 
   血まみれの旗が掲げられた
   聞こえるか 戦場の残忍な敵兵の咆哮を 奴らは我らの元に来て 
   我らの子と妻の喉を掻き切る

   武器を取れ市民らよ 隊列を組め
   進め 進め 汚れた血が我らの畑の畝を満たすまで」

 7番の「子どもの詩」は最後のフレーズが

   「僕らは気高い誇りを胸に
    先人の仇を討つか 後を追って死ぬのみ」

 この国歌「ラ・マルセイエーズ」を歌うたびに、革命以来の伝統が自然と記憶によみがえる仕組みです。どこかの国の「君(天皇)が世は 千代に八千代に(栄えあらまし)」という国家とは方向が真反対です。

 日本の民主主義や言論の自由、個人の尊厳は、すべてマッカーサーさまから与えられたものです。いわば棚からぼた餅式に手にすることになった”賜(たまわ)り物”です。

 しかも日本には、聖徳太子以来の「和を以って尊しとなす」という以和貴の思想が根付いています。

 サラリーマン社会でも、「上司に対して異を唱える」ことは自己規制しがちです。明治維新で日本の近代化のために、福沢諭吉が「独立自尊」を説きましたが、一部の人を除いてその真意は定着したとは言い難い。戦時中には、「上官の命令は絶対。お前たちは天皇陛下の兵隊である。上官の命令は陛下の命令と心得、絶対服従である」と、叩き込まれました。

 そうした流れの中で、「全体の空気を読む」のが習いとなり、「もの言えば、くちびる寒し秋の風」がすっかり身についてしまった。

 それは「公共の福祉」が幅をきかせる素地となり、「公共の福祉」というだんびらさえ振りかざせば、全ては制限ないし禁止できるところまできています。

 自民党の憲法改定案には、至るところの「公共の福祉に反しない限り」という文言が盛り込まれ、「言論の自由」や「表現の自由」をはじめ、個人の尊厳に関わる大事な人権がいかようにもコントロールできる仕組みにしています。

 その反面、個人の自由を「何でもできる自由」とする放縦の自由に履き違える風潮もあります。しかし、人類が培ってきた自由は、「よりよき共生のための自由」のはずです。自らが自らの「尊厳」に値する人間であるために、よりよき共生の社会を作り上げる。だから、全体主義や集団主義は排する決まりにしたはずです。

 その点で比べると、フランスは日本よりずっと先の地点まで到達しているように見えます。日本ではむしろ、安倍晋三という男によって「後戻り」させられつつあるのではないでしょうか。しかし、「個人の尊厳」を今一度、「宝物」として大切に思いをいたし、いずれ近く「倍返し」したいものです。

 


2298 ・「人の心の中に平和のとりでを」と、ユネスコ憲章前文

2015-04-09 11:49:16 | 政治

こんにちは。
生き生き箕面通信2298(150409)をお届けします。

・「人の心の中に平和のとりでを」と、ユネスコ憲章前文

 ここパリのエッフェル塔の近くにひとつ目立つビルが建っています。ユネスコ本部ビルです。

 ユネスコが画期的な動きをみせたのは、かれこれ4年ほど前の2011年10月ことでした。パレスチナをユネスコの加盟国として正式に承認したのです。

 本部ビルの前には、ユネスコ憲章の前文の一節を刻んだ碑が建てられています。「戦争は人の心の中に生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信をおこした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった」と、心の中に築く平和のとりでを呼びかけています。

 この憲章の精神に反し、パレスチナ加盟に猛反対したのがアメリカとイスラエルなどで、報復としてユネスコへの拠出金を止めてしまいました。その結果、総予算の25%近くもが失われる結果となりました。国際舞台でのアメリカの身勝手な振る舞いです。

 日本では、世界遺産決定に関連する話題ばかりが注目されるユネスコですが、正式名称は「国連教育・科学・文化機関」であり、教育を通じて世界の和平を実現しようとする国際機関です。

 ノーベル平和賞を受賞したマララさんは「世界の子どもたちが教育を受けられる社会を」と訴え続けています。その教育の役割りをなんとか実現しようとするのが、ユネスコなのです。

 そして、心の中に平和のとりでを築き、その精神に基づいて和平を達成していこうと誓うのが、日本国憲法9条です。

 昨日4月8日の箕面通信で、内藤正典・同志社大大学院教授の言葉を引きました。「日本国憲法9条の『国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する』こそ、現代のイスラム世界で起きているカオスのような戦乱を平和に導く唯一の精神であり、実効性の高い規範でもあるのです」という指摘です。

 この指摘は何も中東にかぎらず、日本をとりまく東アジアの情勢についてもいえることです。

 ところが、安倍晋三という男は、集団的自衛権を使えるようにしようと懸命です。「積極的平和主義」などというまやかしのスローガンを掲げて、事を荒立てることを画策しています。

 安倍という男は、平和国家たらんとする日本の国是に背く輩(やから)です。そんな男をいつまでも総理大臣としてのさばらせておくことは、日本の恥です。恥ずかしい。

 5月3日は憲法記念日。日本国憲法は68歳になります。その憲法さんを殺そうとするのが、安倍晋三という男です。殺人罪(憲法違反)で裁判にかけるべきだとすら思います。

 *ところで、このところ箕面通信でいくつかのミスをしました。昨日の2297号で、フランスの人口構成に関連して、「パリ市の人口の半分をアフリカ、アジア、中東の人々で占める」と書いたのは、全くの事実誤認で、あえて弁明するなら、「パリのメトロ(地下鉄)で見かけると、半分くらいはアフリカ、アジア、中東の人々という印象」という意味でした。

 また2295号で、「右派の『国民戦線』が躍進著しい」に関連して、「第一党に躍り出た」という点も、事実誤認でした。フランス議会ではまだごく少数政党にとどまっているのが実態です。お詫びして訂正します。ごめんなさい。

 


2297 ・フランスで憲法9条を考える

2015-04-08 12:03:13 | 政治

こんにちは。
生き生き箕面通信2297(150408)をお届けします。

・フランスで憲法9条を考える

 ここフランスは多民族国家です。人種のるつぼです。いまやパリ市内では人口の半分がアフリカ、アジア、中東の人々だそうです。そういえば、近くのショッピング・センターや公園でも、ブルカをまとったムスリムや明らかにアフリカ系、アジア系と分かる人々を多く見かけます。

 そして、その人々がいわゆるフランス文化とはなじみにくい面をもっているため、さまざまな摩擦を生んでいます。とくに、「低賃金で仕事を奪われる」という不満が強く、「福祉ただのりで、福祉費の国庫負担が増える」といった反発もあって、移民制限政策を掲げる右派の「国民戦線」が勢いを増しているわけです。

 現在の中東、北アフリカは収拾のつかない混乱状態の最中にあります。IS(イスラム国)、シリア、イラク、イエメン、エジプトやチュニジア、そしてパレスチナとイスラエル、そこにアメリカや欧州勢、ロシア、中国などがからんできて、誰にも何が何だか分からない状態になってしまいました。

 とくにISの出現で、国民国家の限界が見えてきたという主張も出されるようになりました。

 こうした混乱状態から平和を導き出す唯一の道が、憲法9条の精神だと指摘され、ボクモまったく同感です。

 多文化共生論が専門で同志社大大学院グローバル・スタディーズ研究科教授の内藤正典さんは、タリバン勢力との争いで混迷を深めているアフガニスタン問題で和平の道をさぐるため、タリバン代表とアフガン政権代表らを招へいして、同志社大で討論会を開くなど地道な努力を重ねてきました。

 その内藤教授が、「大切なのは信義です。ウソをつかず、信頼関係を築くことです。場合によっては、相手の懐に飛び込んでいくことも必要です。それなくして対話はなく、対話がないところに平和はないからです。そしてそのためにもっとも必要なことは、決して武力や相手を威嚇や、攻撃をしないことです」と、説いています。

 そのうえで、「日本国憲法9条の『国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する』こそ、現代のイスラム世界で起きているカオスのような戦乱を平和に導く唯一の精神であり、実効性の高い規範でもあるのです」と指摘しているのです。

 内藤さんは、「イスラム戦争」(集英社新書)を出し、その中でペシャワール会の中村哲さんの言葉を引用しています。

 「長年にわたってアフガニスタンで医療をはじめとする人道援助を続けてきた医師の中村哲氏は次のように指摘しています。

 『9条の威力とは、そういうものだと思います。日本は軍事協力に消極的だった結果として、世界に敵をつくってこなかった。アフガンでは敵意ではなく、恩人としての意識だけが残った。それは日本のブランド力、歴史的遺産とも言うべきでしょう。

 だから、集団的自衛権を使えるようにすることは、ひと言で言えば<危険>です。近隣国の敵意が増して緊張状態をつくり出すだけで、防衛になっていない。戦争以外の手段で国を守るのが戦後の理想だったのに、戦争ができた昔に戻す動きに見えてしまいます。

 米国の介入でアフガンの人々の暮らしは明らかにひどくなりました。活動を長く続けていて、こんなひどい状況は初めて。昔は考えたこともありません。

 近年の戦争はなるべく自国の兵隊の犠牲は出さないように、無人機で攻撃する。手段を選ばない汚い戦争です。あの仲間に加わるのかと思うと、身が汚れるような気がします。

 大事なのは、人間の犠牲を減らすための外交努力です。自分は殺されるのは嫌だから、相手も殺さない。これが普通の感覚じゃないですか』(中日新聞2014年5月3日より)」

 以上、長々と引用しましたが、まもなく5月3日、憲法記念日です。改めて「9条」をいとおしみ、それだけではなく「平和を築く強力な味方」として活用したいものです。とりわけこれから続々と出されてくる集団的自衛権行使のための「安倍の安保法制」を木端微塵に粉砕したいものです。

 *こちらはいま朝の5時を回ったところです。外はまだ真っ暗です。


2296 ・安倍晋三という男が自分の弱さを隠すために「危険な強がり」

2015-04-07 15:13:08 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2296(150407)をお届けします。

・安倍晋三という男が自分の弱さを隠すために「危険な強がり」

 わずかな緑色を萌え出して樹々が春の装いをはじめたフランスの公園。昨日4月6日も青空が広がり、少し冷たいけれど気持ちいい風が吹いていました。私たち老夫婦が宿泊している所は、パリの郊外で、林の中に住宅やスポーツ施設、釣り池などがある自然豊かな地域です。

 そんな地域にも、地方選挙のポスターが貼ってあり、政治が動いています。こちらフランスのオランド大統領の支持率は一時19%まで落ち込みましたが、今年1月には例のシャルリー・エブド事件に対する「対テロ徹底戦宣言」で40%まで急回復しているとか。

 それにしても安倍晋三氏の50%維持は驚異的です。この高い支持率は、野党がだらしなさすぎることが第一の要因なのでしょうが、安倍政権を支える勢力の巧みな宣伝に国民が簡単に騙されているからだとも思います。

 芥川賞作家の田中氏が「宰相A」という小説を書き、その評論にこんなくだりがありました。

 以下、引用です。 

 田中が強く指摘するのは、安倍の〈弱さ〉である。

 〈相手をせせら笑う不遜と、私と会って目も合わせなかったうつろでオーラのない表情の落差。つまり安倍氏は明らかに、政治家としての自分を強く見せようとしている。強くあろうとしている。

 なぜか。安倍氏は弱い人間だからだ。強くあろうとするのは弱い証拠だ。だったら、あるがまま生きればいい。弱いことは、人間として決して悪いことではない。

 だがここで、血筋の問題が出てくる。(中略)祖父と大叔父と実父が偉大な政治家であり、自分自身も同じ道に入った以上、自分は弱い人間なので先祖ほどの大きいことは出来ません、とは口が裂けても言えない。誰に対して言えないのか。先祖に対してか。国民に対して、あるいは中国や韓国に対してか。違う。自分自身に対してだ〉

 「戦後レジームからの脱却」と称し、安倍首相が憲法改正や自衛隊の国防軍への移行を主張するのは、自民党の意志でもある。だが、ここまで強気に進める理由を田中は〈そういう党の中にいる安倍氏が、偉大で強い家系に生まれた弱い人間だからだ〉と見る。そして、タカ派に分類される安倍を〈弱いのに強くなる必要に迫られているタカ、ひなどりの姿のまま大きくなったタカ〉と表現するのだ。

 〈安倍氏が舵取りの果てに姿を現すだろうタカが、私は怖い〉──ここまで田中が憂虞するのは、政治的・軍事的な理由からではない。

 幼くして父を亡くしたことのせいか、田中は〈男性的でマッチョなものが、根本的に怖い〉のだという。男であることが不潔に感じ、〈何度も死のうとした〉ことさえある。そのときのことを〈死んでみせることで、周囲に強い人間だったと思わせることが出来るのだと、勘違いしたからだろう〉と田中は振り返るが、だからこそ、弱い自分でいることを許されない安倍は危険な状態なのではないか、と田中は案じるのである。

 この田中による指摘は極めて重要だ。安倍首相の強硬姿勢が彼の政治的信条に基づいた行動なのであれば、まだ議論の余地もある。だがそうではなく、安倍自身の血筋というプレッシャーや、本来のパーソナリティである弱さを隠すために過剰に強くあろうとして偉大な祖父が成し得なかった偉業に挑んでいるのであれば、それは暴走だ。

 しかも、こうした暴走への危惧は、きっと安倍首相には通じないだろう。なぜならそれを受け止めることは、自分の弱さを認めることになるからだ。

 自分の弱さを否定するために、戦争への道をひた走る首相。──『宰相A』で描かれた恐怖は、いま、まさに日本で進行している現実である。
(水井多賀子)

 以上、引用おわり

 安倍氏は、優秀な学歴の官僚たちに囲まれ、いわば「劣等生・安倍」を日々、認識させられる場所で仕事をしています。本質的に「弱い安倍」としては、どうしても「強い安倍」の姿を見せ続けなければならない。

 本質的に「弱い安倍」うじは、その本姓を隠さずに行動してきたなら、今のような”暴走”をすることはなかったのではないでしょうか。

 しかし、歴史には、「暴走・アベ」として残るのでしょう。日本の国民としては残念です。しかし、せめて他国の国民に迷惑をかけることだけは二度としてほしくないものです。

 *こちらは現在4月7日の朝8時を10分くらい回ったところです)

 


2295 ・フランス人の独立芯が生み出す、揺れる政治状況

2015-04-06 13:52:11 | 政治

こんにちは。
生き生き箕面通信2295(150406)をお届けします。

・フランス人の独立心が生み出す、揺れる政治状況

 小さな子どもたちが大きな袋を引きずりながら走り回っていました。昨日4月5日(日)のことです。二男の住まいがある3階の部屋の窓から見下ろす広場を子どもたちが走り回っていたのです。

 フランスは4月4、5日がイースターで祝日。そして本日6日(月)もイースター明けの休みです。子どもたちは、お菓子が入っているカラフルな卵や、卵形のチョコレートが隠されている所を探し出すため、元気よく走り回るのです。

 カトリックの国フランスの復活祭は、パック(Paques)といい、キリストの復活とともに春の訪れを歓び祝う一大イベント。卵は、生命の再生を象徴しています。

 昨日の午前中は一昨日のモン・サン・ミシェル行きの日から一転、雲一つない抜けるような青空でした。風は冷たくても、気持ちのいい朝でした。近くの公園では、グースのつがいが広い池の中を仲良く泳ぎ回っており、実に平和な風景でした。

 しかし、フランスの政情は不安定なようです。前回の選挙では、オランド大統領を支える与党も、サルコジ前大統領の野党も国民からは支持が弱まり、代わって右翼政党と位置づけられる「国民戦線」が女性党首のルペンさんに率いられて急浮上し、第一党に躍り出る大善戦の結果となりました。

 再来年2017年の大統領選挙では、ルペンさんが生き残り、さらに2022年には大統領選を制するかもしれないという予測すらあるようです。

 近年の「国民戦線」はイメージを一新し、穏健路線に切り替えています。かつての攻撃性は影をひそめ、低所得者を中心に支持を急速に伸ばしたのです。

 ボクも共感できるのは、「グローバル主義には反対するが、グローバル化は進めなければならない」という主張です。国家の枠を超えて大衆を搾取するかのごとき巨大グローバル企業が跋扈するグローバル主義には反対だが、国家が世界と共に繁栄を追求する開かれたグローバル化はもっと進めなければならないという主張には、うなずけるのではないでしょうか。

 そうした立場から、「反EU」です。「EUからの脱退」も掲げています。もともと独立心の旺盛なフランス人には、国家連合から国家統合をもめざす路線は、性に合わない面がありといえます。

 独立心と言えば、フランスの原発重視も、かつてのオイル危機から触発され、輸入石油に頼っていられないという意識、つまり「エネルギーの独立」に由来するものです。

 女性党首のルペンさんは、「イスラム原理主義はフランス社会を分断する」として排斥しますが、フランス文化を共有してともに平和に暮らそうとする普通のイスラム人は受け入れる立場です。もともと労働力が不足したといってイスラム国からの移民を促進したのは、賃金を低く抑えようとするフランス財界の身勝手と決めつけて批判しています。

 「国民戦線」はポピュリズム政党と批判されています。これに対しては、「民衆の、民衆による、民衆のための政治をポピュリズムと呼ぶなら、私はポピュリスト」と、堂々としています。

 要するに、ルペンさんは「古き良きフランス」を取り戻そうと主張しているのです。その意味では、日本の安倍晋三という男が繰り返している「日本を取り戻す」と、重なるところがあるといえそうです。

 しかし、ルペンさんの「古き良きフランス」は毅然と独立した国を基礎に置いています。片や安倍晋三という男は、相変わらずアメリカさまにへつらう隷従・属国姿勢をますます鮮明にしています。「民主の、民衆による、民衆のための政治」という言葉を使ったことは一度もなく、そうした観点は持ち合わせない人間です。

 日本ではあまり注目されませんが、フランスの「国民戦線」の動向から目が離せません。