生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

2300 ・トイレが少ないパリ。デモが多いパリ

2015-04-11 15:36:39 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2300(150410)をお届けします。

・トイレが少ないパリ。デモが多いパリ

 息子の運転で昨日4月9日、パリの中心部に出ました。6区のサン・ジェルマン・デ・プレ教会(現存するパリ最古の教会)の近くで妻が買い物をし、ついでにボナパルトという名のカフェで軽食。実はトイレを借りるのが主で、その店に入ったのでした。

 パリはよく知られているように、公衆トイレが極めて少ない街です。大観光都市でなぜこうもトイレを造らないのか、不思議です。治安が良くないので、トイレを造らないという説もあります。

 中世のパリは、多くの人々が犬や人の糞尿を道路にまき散らし、それはそれは臭くて不潔な街だったそうです。それが原因の一つとなって黒死病(ペスト)が大流行し、毎日たくさんの人が死んだ歴史があります。

 何とかしなければならないとなって、ナポレオン3世の時代に、あの大型の地下水道が建設されたのでした。それでも公衆トイレは発達しませんでした。有料のものがわずかにあるばかりです。

 サン・ジェルマン教会ならトイレを貸してくれるだろうと入ってみたのですが、礼拝堂の周りをぐるっと一周してもどこにもそれらしきものは見当たりません。”人間に冷たい教会”という印象をもちました。

教会の雰囲気

 この日のパリは急に気温が上がって20度を超えたそうです。若い女性が半そででさっそうと歩く姿はいいものです。今年は冬が長く続き、ようやく訪れた春本番を体いっぱいで喜んでいるような感じなのです。

 パリは、トイレは少ないけれど、デモやストはしょっちゅうだそうです。先日3月の中旬には、医療関係者が政府の保険関連法案強化に反対して3万人ほどがデモをした。開業医、看護師、薬剤師、歯科医、医学生らです。

 働く人が自分たちの役割りをきちんと認識し、社会のため(もちろん直接的には自分のため)に正当な権利としてデモやストで訴える。権利意識が普段の生活のなかに深く根付いているようです。周りの人々も、デモやストを当たり前の行動として受け止めている。日本では、政府側や経営者側に奪われてしまったような「正当な権利」です。

 パリで困ったことは、都心部の交通渋滞です。午後4時過ぎに帰途についたのですが、ルーブル美術館の前のチェイルリー庭園の横を抜けるだけで20分以上もかかりました。1台か2台ずつしか前に進みません。強引な割り込みも多い。パリの人々の交通マナーは、決してほめられたものではありません。

 ボクが住む大阪の人の交通マナーも良くないと定評ですが、それより悪い感じです。実際、昨日も若い人の運転する車が横から急に飛び出して来て、急ブレーキ。後ろの車に危うく追突されかけました。

 治安も良くないとのことです。公共交通機関でパリまで行こうと思ったのですが、息子に反対されました。メトロ(地下鉄)は主として低所得者の乗り物で、とくに治安が悪い。息子の同僚が通りで携帯電話を操作していたら、それを通りがかりの男に奪われ、走って逃げられたとか。

 スリや盗難も多いそうで、決して安全ではありません。その点、日本の治安の良さはまだまだ胸を張れる水準です。大切にしたいものです。

 こちらでは、2歳と生後4か月足らずの孫二人のお守りをしながら、ゆっくり、のんびりした時間を過ごしています。いまは10日、土曜日の朝、8時半を回りました。空は曇っています。薄暗い感じです。