生き生き箕面通信

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2316 ・「福島第一原発は石棺を」と、小出裕章・元京都大助教

2015-04-27 10:14:53 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2316(150427)をお届けします。

「福島第一原発は石棺を」と、小出裕章・元京都大助教

 小出裕章氏が4月25日に外国特派員協会で記者会見し、「福島第一原発の放射能被害を封じ込めるには、『石棺』しかない」と述べました。この会見の模様を、共同通信は次のように配信しました。

 「原発の危うさに長年警鐘を鳴らしてきた元京都大原子炉実験所助教の小出裕章氏が25日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見した。事故発生から4年が経過した東京電力福島第1原発について『チェルノブイリのように石棺で(放射性物質を)封じ込めるしかない』と述べ、溶け落ちた核燃料の取り出しを目指す政府や東電の方針を否定した」

 「小出氏は、第1原発の現状について『4年たっても現場に作業員が行けない事故は原発以外にない』と指摘。1~3号機では、溶け落ちた核燃料が原子炉格納容器内に散らばっているとみられることから『機器を使って取り出せる燃料の量はタカが知れている』と話した」

 この箕面通信では、福島原発事故が起きた直後(1週間後)に、「原子炉の石棺化を」と書きました。2011年3月18日発信の832号です。タイトルは、「福島原発は絶望的――原子炉は「石棺」化し、……」でした。

 あれから4年。政府、東電はともどもにいまでも溶融核燃料の取り出しを試みようとしています。小出さんが指摘するように、人間が近づくことなどできないほど高い放射能を出し続ける核燃料を、仮に取り出せたとしても、どこに保管しようというのでしょう。保管しなければならないのは10万年単位です。

 また石棺に閉じ込めたとしてもそれで解決するわけではない。チェルノブイリでは石棺が老朽化して放射能が漏れだしたことから、新たなドーム型の覆いを作り、今後100年間を持たせようとしています。

 福島では、地下水を遮断する工事もうまくいかず、放射能汚染水の貯蔵タンクもパンク寸前です。しかも、遮断されていない地下水は、海に漏れ出しています。安倍晋三という男が公言した、「完全にコントロールしている」など、大ウソもいいところです。

 ひとたび過酷事故が起きれば、人間の手に負えない。そんな厄介な原発を、政府や電力会社はやみくもに再稼働しようとしています。現在の経営者連中と、原発の権益でうるおう政府関係者、官僚の欲得のためです。厄介な核のゴミの処理は後世につけ回しという無責任さです。

 再生エネルギーの開発に全力を挙げ、ハイブリッド発電で効率を上げれば、原発に頼る必要はさらさらないことが明確になっています。にもかかわらず、「場合によっては日本も核保有国になる」という野心をひそかに燃やす政治家らの思惑が先行するなど、原子力ムラの意志が貫かれようとしています。

 フクイチを石棺化するとともに、日本の原発再稼働政策自体を石棺に封じ込めたいものです。