生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1351 ・尖閣の上陸合戦なら日本は負けます

2012-08-21 07:21:49 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1351(120821)をお届けします。



・尖閣の上陸合戦なら日本が負けます



 中国のグループに次いで、日本人グループが尖閣諸島の魚釣島に

上陸しました。これは、中国側に「シメシメ。日本には長期的な戦略が

ないぞ」ということを知らしめる結果になったようです。



 早い話、中国が大量の漁船で島を取り囲み、「実行支配」しようとすれ

ば、できないわけはないはずです。一気にそこまで行くとは思われませ

んが、なにしろ「白髪三千丈」の国です。超長期の戦略で徐々にレベル

アップして行けば、日本が海上保安庁の警備を強化したくらいでは追い

つきません。といって、自衛隊の船を出しますか。それこそ、中国の思う

つぼです。中国海軍には空母もあります。



 今回は当然のことながら、アメリカは出てきませんでした。じっと成り

行きを見守るだけです。



 気になるのは、日本が国際政治のなかで戦略がないことです。あるの

は、アメリカ頼み。外務省にしても、自分の頭で考え、世界の中の日本

として生きていく大きな戦略がありません。戦後67年間、「日本の外交

はわれわれアメリカが考えてあげるから、日本は後ろからついておいで」

という対米追随方式に慣れ切ってしまいました。外務省の出世コースは、

アメリカ留学・アメリカ仕込みグループで占められ、いまではアメリカの意

向を自発的にそんたくするまでになっています。



 そのアメリカは、日本が中国ともめることが、「アメリカの国益」であり、

ずっとそのように仕向けてきました。尖閣問題は急に浮上してきた印象

ですが、アメリカが裏でさまざまな仕掛けをしてきたことは容易に想定で

きます。来月9月は、日中国交回復40周年の節目を迎え、さまざまな記

念行事が計画されていました。その友好ムードに水をさす仕掛けは、当

然、周到に用意してきたことでしょう。



 ことは竹島にからむ対韓国政策ですが、安住財務相は、「スワップを

見直す」ことに言及しました。経済の分野にまで、”制裁”色を拡大する

考えです。なんという短絡でしょう。日本の有力閣僚のポストにある人

間が、この程度の思考しかできないのです。非難合戦を経済の分野ま

で広げていけば、いきつくところは双方が傷つくだけです。



 中国との間でも、国交回復40周年記念行事は計画通り友好ムード

を盛り上げる方向で進めるべきと考えます。



 尖閣と竹島問題は、話し合いの場を外交ルートに戻して、領有権問

題は以前のあいまいな状態に落ち着かせるよう最大の努力を払うべ

きではないでしょうか。相手が上陸しようとしても、日本は海保で対応

し、ただ追い返すことに全力を傾けるほかありません。その努力の上

で、国際的には、日本の立場を広く知ってもらう努力をする。いずれに

しても、すぐにすっきりすることはないでしょう。何世代もかかる事案です。

いまはことを荒立てないように、荒立てないように冷静に対処すること

です。弱腰外交などとそしる声に、熱くならないことが肝要だと思います。



 とはいえ、「次」と予告されたような10月に、今度はもっと直接に公務

執行妨害、あるいは明らかに傷害罪に問わなければならない事態を仕

掛けてきたときにはどうするか。



 日本の外交ルートは、中国の外交ルートを通じて、先方の公安当局

とも話し合いのパイプを構築できるか、そこが大きな分岐点になりそう

です。しかし、丹羽中国大使は10月に交代させることになっています。

そんなどたばたの時には、神経を遣う外交交渉は無理でしょう。



 結局、数で勝る中国に押し込まれるだけなのでしょうか。それを見て

いる韓国、ロシアは、次々と日本への攻勢をかけてきます。アメリカは、

見ているだけ。傍観者を決め込むことでしょう。日本政府が、オスプレ

イ配備に懸命になり、辺野古基地などに取り組んだところで、アメリカ

が日本の味方をしてくれるとは限りません。しょせん、自分の身は自分

で守るほかない。自分の頭で考え、自立した外交を行うほかないので

はないでしょうか。それでも押し込まれるなら、それが日本の実力です。