生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1359 ・政府は「原発ゼロ」をなぜ決められないのでしょうか

2012-08-29 06:45:34 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1359(120829)をお届けします。



・政府は「原発ゼロ」をなぜ決められないのでしょうか



 将来の原発比率を検討する有識者会議「国民的議論に関する検証会

合」が昨日8月28日に開かれ、「少なくとも国民の過半は原発に依存し

ない社会を望んでいる」という検証結果をまとめ、明らかにしました。し

かし、そのあとに検証結果を薄める意見をつけ、政府・民主党が9月初

めにもまとめる「エネルギー基本方針」では、「原発ゼロ」をなんとか回避

する余地を残しました。「原発ゼロ」の文言は入れるにしても、その達成

時期は明記しないことで、いくらでも先送りできる仕掛けとする考えです。



 相変わらず仙谷由人(わると)氏が中心になって引っかき回しています。

裏の会議として、非公式に「3プラス2」を開いていますが、この会議は、

国民の意向をかわしていかに原発を生き延びさせるか、という仙谷氏が

主導するものです。「3」は古川元久・国家戦略相、枝野幸男・経産相、

細野剛志・原発担当相の三閣僚。そこへどういうわけか、仙谷氏が割り

込み、自分ひとりだけでは目立ちすぎるため、斎藤勁(つよし)・官房副

長官も加えました。



 仙谷氏はこの日の検証会合には欠席戦術をとりました。「原発ゼロ」を

オーソライズする会議を嫌ってボイコットしたのです。このボイコット自体

が、「オレは『原発ゼロ』は絶対に認めないぞ」という無言の意思表示です。



 この無言の圧力があってか、検証会合の「まとめ」は、「国民の過半は

原発ゼロ社会を望んでいるが、問題として、①原発への安全性への不

安を取り除く方策 ②自然エネルギー拡大の可能性のデータを示す 

③どのようなエネルギーを選んでどんな社会をめざすのか、の3点が

ある」と指摘しました。つまり、こうした問題点がクリアされなければ、

「原発ゼロは無理だよね」と言うことにできるようにしているわけです。



 本来、国民が望む方向が明確になったのだから、問題点があれば、原

発ゼロを実現するためにはそうした問題点をどう解決していくか、という

課題設定をするのが筋です。こうした筋論をすんなりと通そうとしないた

めに、いつまでたっても政府は不信感を払しょくできません。



 昨年あれだけの原発事故を起こしてしまった日本で、また同じ過ちを

繰り返そうとする「愚」。日本の閉塞感の根幹には、政治のこの「愚」が

あるといえます。