生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信540 ・普天間は「戦略的対話」で仕切り直しさせましょう

2010-05-26 06:49:11 | 日記
お早うございます。
生き生き箕面通信540(100526)をお届けします。

・普天間は「戦略的対話」で仕切り直しさせましょう
 今朝の朝日新聞は注目に値する議論をオピニオン面(13面)に「どうする普天間基地移設」の見出しで掲載しました。普天間問題に対する本格的な議論がようやく一般紙の一部に出てきたということを意味するものであり、歓迎したいと思います。

 議論は、慶応義塾大学教授の添谷芳秀さんと、米外交問題評議会上級研究員のシーラ・スミスさんの二人がそれぞれの持論を表明する形です。

 とくに添谷さんは普天間移設に関し、「当面有効な代替案がないとなれば、中長期的に態勢を立て直すしかない」との認識を示しました。そのうえで、「5月末の期限は仕切り直しの契機にすればよい。半年後には重要な行事が目白押しだ。沖縄県知事選挙、防衛計画大綱の改定、そしてオバマ大統領の訪日。今年は日米安保条約改定50周年でもある。11月のオバマ大統領訪日は新しい日米安保共同宣言を発出し、そこに日本の主張を織り込む絶好の機会である」と、主張しています。

 沖縄問題は、単なる「移設先さがし」の次元で済む話ではなく、変化する世界、とりわけ東アジア情勢の中で日本の安全をどう確保し、この地域の安定にどう寄与するか、から考えなければ歴史に耐える判断はなく、解決もできないのではないでしょうか。

 シーラさんは、日米安保体制は「日米防衛協力の価値を議論し直すべき」という主張です。現状をこうとらえています。「現在の日本で新たな米軍基地の建設が政治的に非現実的になっていること。いま全く新しい基地、それも米軍の使用だけに供される基地を建設しようという意欲はほとんどない」「アジア太平洋地域がより大きな地域主義を志向し、地域の安定を確かなものにするための協力的なアプローチを見つける努力を強める中、米国はより成熟した在日基地戦略へと努力を転じた方がよいのかもしれない」と。

 さらに、「日本の人々は両国の防衛協力の価値をきちんと説明されるべきだ。米軍と自衛隊による基地の共同使用は米日の防衛協力が成熟していることを反映し、日本の自衛隊に責任を移す時が来たという両国の認識を示すものでなければならない」とし、根本的に考え直すべきと主張しています。

 シーラさんは現在シンクタンクの一員ですが、これからの対日政策決定にあたって重要な影響力をおよぼしそうな予感がします。

 一方、読売新聞は現在の日米安保体制に固執し、世界の時代の変化に対応して新しい地平を切り開こうとする努力が少なく、いわば思考停止に陥っているかのように見えます。私たちの日本をどう創っていくのか、「この国の形」に対して読売新聞ならではの議論を望みたいものです。