生き生き箕面通信

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生き生き箕面通信520 ・朝日の舟橋洋一主筆に質問。「沖縄に基地をすっと置いておくのですか」

2010-05-05 06:50:25 | 日記
お早うございます。核不拡散条約(NPT)再検討会議でイランの演説に非核保有国から拍手が沸き、国際的にはアメリカへの信頼が揺らいでいることを示す結果となっています。
生き生き箕面通信520(100505)をお届けします。

・朝日の舟橋洋一主筆に質問。「沖縄に基地をずっと置いておくのですか」
 本日の朝日朝刊に掲載された舟橋洋一主筆の「拝啓鳩山由紀夫首相」という論説を読んで、愕然としました。余りにもアメリカの代弁一辺倒で、「では沖縄の基地問題は将来を見通して根本的にどうすべきなのか」「東アジアの平和を21世紀にどう構築していくか」という最も論ずべき視点が完全に欠落しているからです。

 舟橋主筆はこう書いています。「米政府要人は『鳩山政権は政府の体をなしていない』『一体、誰と相談して物事を進めればいいのか』『日本に対する信頼は劇的に失墜している』『日本はまともに相手にする国とはみなされなくなりつつある』といった手厳しい言葉を投げかけています」と。

 さらに、「(要人のひとりは)愛の鞭が必要だといいました。民主党政権を子どものうちにしつけておかないとそのうち、ぐれてしまうと懸念しているようです」とも書いています。

 これに続いて、中国脅威論を展開し、「『沖縄から海兵隊が出て行ったら、尖閣諸島はどうなると思う。次の日から尖閣諸島には中国の旗が立つだろう』と米政府高官の一人は言いました」と、アメリカの言い分をたっぷりと聞かせてくれています。

 舟橋氏の主張を端的に表現すれば、「日本の政府はこどもように何も分かっていない。沖縄の基地をないがしろにすれば、すぐにも中国のいいようにされますよ。だから、アメリカの主張するように現行案の辺野古で決着させなさい」というものです。

 アメリカの政府高官の言を無批判に代弁し、いわば日本にアメリカの意向を伝える子どもの使い、メッセンジャーボーイとなっているのです。それは舟橋氏の考えそのものでもあり、アメリカの政府要人の口を借りた形で、実質的には朝日の論説そのものを展開したものです。

 最近これほどまでにアメリカにハンドル(操作)された”一流紙”の論説をみたことはございません。いま世界では「核なき世界」「平和な世界」をめざそうという努力が始まっています。それに対して舟橋氏は「中国が軍事力を高めている。これに対抗できる抑止力が必要だ」ということだけを表に出しています。いまさら中国と軍事力強化競争をせよというのでしょうか。

 舟橋氏に伺いたいのは、「沖縄からいつになったら基地はなくなるのでしょうか。中国の軍事的圧力がある間はずっと沖縄に基地を置いておく必要があるという主張でしょうか」ということです。

 アメリカ自身が「中国の軍事力強化に対応して、グアムを強化する」という世界戦略の一環のなかですでに動き出していることをどのように見ているのでしょうか。アメリカはそんな動きはしていないとされるのかもしれません。それならそれでいいのですが、、だからといって「普天間からは撤退を願いたい」という交渉が、なぜ発想されないのでしょうか。グアムに全面移転しても、西太平洋の制海権についてはグアムからでも充分ににらみをきかすことができるくらいは誰でも分かることです。

 アメリカの目を通してしかモノを見ようとしない人がいることは承知していますが、朝日の主筆が「アメリカのメガネ」で見た論説を朝日の紙面を使ってここまで臆面もなく書き立てる現実に愕然とし、慄然ともします。すさまじいまでのジャーナリズムの劣化です。