水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1284」

2017-05-21 19:05:25 | Weblog



カルテ番号 わ・9(21)

「氣を直接、もっと受けてみたいです。
ここに来て、私全体が変化したがっているみたいです。
変な言い回しですが、時期が来た、とでも表現するような。
先生に会えた事もそうですが、もっと変われる気がします」
院長は頷いて、マットに横になるように言った。
「リラックスして、自由にして下さい。
話をしながらでもいいですよ」

洋子は目を瞑って手足を少し広げて、仰向けになった。
まるで、幾度も通っているかのようだった。
そして、思った。
以前、それがいつの時代か分からない。
その時も同じように、この先生から治療された。
気功かどうかわからないけれど、安心して仰向けになっていた。
この感覚、記憶は何だろう?

院長は頭の方から、そっと頭部に指を触れた。
その指がやや額に触れた時、洋子はいきなり涙が流れた。
悲しいとか、懐かしいとかではない。
何の感情だかわからない。
感情の高まりも感じない。
だが、涙の量は半端なく流れていった。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1283」

2017-05-20 18:54:05 | Weblog



カルテ番号 わ・9(20)

洋子はまだ気功を受けていない事に思い当たった。
話しだけ聞いているのは失礼にあたる。
「あの~先生、気功治療をお願いします。
不安症はもう消えてしまっている感じですが、お願いします。
気功って受けた事がないので、体験もしたいのです。
話だけ聞いてもらって時間を使ってしまい、すいませんでした」

院長は笑って言った。
「いいえ、もう玄関を入って来た時から始まっています。
話をしているだけのように見えますが、気功もしています。
というか、自然と気功に包まれているのですよ。
もちろん、直接、もっと濃くする事もできます。
あるいは、距離を離れてする事もできます。
渡部さんの依頼が優先ですが・・・」

洋子は思った。
やはりそうだったのか。
ここに入ってから、自分の感覚が落ち着いていた。
特別にしなくても、もう気功を受けていたのだ。
でも、やはりもっと直接受けてみたい。
ぜひ、先生にしていただきたい。
その先に、もっと変化があるのだと思えるから。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1282」

2017-05-19 19:24:37 | Weblog



カルテ番号 わ・9(19)

渡部洋子の顔が明るくなった。
長寿族同士が近くにいると、何かが共鳴するようだ。
それは、お互いの心身に素早く影響する。
感覚が鋭くなる。
能力がより目覚める。
そして、生命力が全体的に上がるようだ。

洋子が言った。
「やっぱり先生だったのですね。
私が長い間夢で逢っていた先生ですね。
いいえ、先生が憶えていなくてもいいのです。
私の夢の中の話ですから。
私が信じられたなら、とても満足です。
そして、とても安心です」

風間陽水が答えた。
「私に解らない事でも、否定しませんよ。
そういう事もあるでしょう。
それに、どうやら間違いでもないかもしれません。
もう少し時間をかけて、渡部さんには説明する事があります。
今日、いきなりでは混乱するような話です」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1281」

2017-05-18 19:37:56 | Weblog



カルテ番号 わ・9(18)

年齢は37歳だという。
通常は46歳で発動だ。
だが柳玲香は35歳。
吉永百合も40歳で発動した。
地球の変化、いや、地上の生物危機が近いという事か。
46歳というのは、直近に何もない時の目安かもしれない。

早く発動する人が、日本だけなのかもしれない。
それならば、日本に何かが起こるという事だ。
今、愛田恵子は海外だ。
多分、そのあたりの情報を持って帰ってくれるだろう。
いいや、当分帰らないかもしれない。
愛田恵子の生き方は、風間陽水の予想を外れる。

渡部洋子は、もちろん気づいていない。
風間陽水を昔から知っていると思い込んでいる。
その懐かしい感覚というのは、長寿族同士のものだろう。
過去世の記憶を持っている能力かもしれない。
とすれば、風間陽水も過去世でも長寿族だったのだろうか?
長寿族に関しては、当人も解らない事だらけだ。
だが、急速に渡部洋子に対しての親近感が湧いていた。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1280」

2017-05-17 17:04:29 | Weblog



カルテ番号 わ・9(17)

院長の言葉は、半分嬉しく、半分ガッカリだった。
洋子の奇妙な話を正面から受け止めてくれている。
それは嬉しい。
だが、洋子を知っているとは言ってくれなかった。
落ち着いて考えれば当たり前だ。
洋子だって、ここに来て急に沸き起こった感覚だ。

院長はゆっくりと言葉を続けた。
「私の知り合いで、未来を見る人がいます。
いいえ、見えていないのに言葉が出てしまうのです。
また、100年以上も時代と共に生きている感覚を持った人もいます」
吉永百合と愛田恵子の事だが、長寿族とは言わない。
「ある日、何かに目覚めてしまう人を直接知っています。
この世界は、説明不能の事が沢山、沢山あるのです」

風間陽水は渡部洋子を観察しながら話している。
最初に玄関から入って来た時から、少し感じていた。
もしかしたら、と思う。
それにしても・・・それぞれの能力が違う。
まだわからないので、言葉を選びながら話を続けた。
どうして、こんなにも集まるのか、という戸惑いもあった。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1279」

2017-05-16 19:00:38 | Weblog



カルテ番号 わ・9(16)

「先生、私、先生とお会いした気がします。
ずっと以前です。
こんな事を言うと変だと思われるでしょうね。
前世とか、そういう昔の事みたいです。
先生は私の事、憶えていませんか?」
洋子はある意味必死になって訊いた。
知らないと言われるのが怖かったのだ。

院長は慎重に思い出しているようだった。
そして、静かに話し出した。
「渡部さん、決して変だとは思わないですよ。
私も多少常識とは違う世界に関わりました。
前世があるかどうかは別として、その記憶を持っている人にも会いました。
また、その記憶を共有する人達もいます。
別な時代や世界に生きていたとするのが自然だと思っています。
その証明は出来ないわけではありませんが、とても困難です。

そんな事は証明する必要が無いと思っています。
信じない人達は、どんな事をしても信じません。
大切なのは、その事に気づく、認める事によって何が変わるかでしょう。
信じても、信じなくても、他の人達はどうでもいいのです。
出会った人が、どう変わるか、どう活かすか、それが大切です。
渡部さんは、どうやら別な世界での私を知っていたのでしょう。
その話、私は楽しみですよ」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1278」

2017-05-15 18:31:30 | Weblog



カルテ番号 わ・9(15)

一目惚れなどの男女間の恋愛ではない。
デジャヴといわれる既視感とも違う。
よくわからないが、もっと深いつながりだ。
何百年ぶり・・・
え?
そんな事があるわけがない。
マンガじゃないのだ。

心ではない。
もっと深い所からの感覚。
今まで体験したことの無い所からの感覚。
少し時間が経つにつれ、その感覚が浮かび上がる。
そうだ。
知っている。
この人を知っている。

遥か昔。
いつの時代がわからない。
知っている。
いや、仲間、あるいは家族だった人。
こんな感覚は、私が変になっているから?
洋子は二人に分裂して、考えている。
感覚が目覚めた洋子と現代の常識の洋子。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1277」

2017-05-14 18:53:59 | Weblog



カルテ番号 わ・9(14)

「不安症という事でしたが、今も不安ですか?」
院長は40代半ばから後半くらいだろうか?
洋子とは10歳以上離れている。
それなのに、懐かしい。
まるで幼馴染みに会ったかのようだ。
どうしてだろう?

返事をしようにも、言葉が出ない。
「先生・・・」
院長も少し奇妙な表情をした。
「私・・・何て言っていいか・・・
先生とは、初対面ですよね」
院長は少し考えているようだった。
「おそらく、初めてだと思います」

洋子は心が騒ぎ始めていた。
こんな気持ちは変だと思う。
そういう冷静な自分もいる。
あの夢の先生?
それもしっくりこないと感じている。
どうしたらいいのだろう?

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1276」

2017-05-13 20:24:12 | Weblog



カルテ番号 わ・9(13)

途中の実家には寄らなかった。
寄りたい気持ちも無かった。
目指す治療院は実家から20分もかからない。
こんな治療院があるなんて洋子は知らなかった。
以前も実家よりも北に向かう事はほとんどなかった。
20代の頃、スキーで通ったのが最後かもしれない。

治療院はすぐ見つかった。
時間が思ったよりも早かったが、玄関を開けた。
「ごめんください、渡部と申します」
「どうぞ、お上がり下さい」
不思議な感覚だった。
初めてで、初めてではない感覚。

洋子は幾つも病院を渡り歩いた。
毎回、緊張がある。
相手の医師や治療者とは馴染めない。
幾度話しても、壁はとれない。
それが、最初から壁がなかった。
緊張がなかった。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1275」

2017-05-12 19:02:41 | Weblog



カルテ番号 わ・9(12)

次の休みの日に予約をした。
あの長い夢に出て来る先生を探した事もあった。
ところが、急に顔を思い出せなくなった。
夢を見なくなって、夢の中の人とも縁が切れたのだろうか。
もちろん、今は淋しさもない。
体調が良くなっているからだろう。

夢の内容を、あれほどしっかりと憶えていたのに。
もはやほとんど思い出せない。
断片的に、ビルの廃墟があった気がする。
灰色の景色だった気がする。
先生以外の人もいたはずなのに、全く思い出せない。
先生、と呼んでいた事は憶えていた。

洋子の休日がやってきた。
約束の時間に間に合うように家を出た。
車はこの県では必需品だ。
運転出来ない人はマレだ。
洋子も自動車で通勤していた。
ノルマで買った会社系列の車だった。

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