水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1265」

2017-05-02 18:23:19 | Weblog



カルテ番号 わ・9(2)

慣れというか馴染みというか。
洋子よりも10歳以上年上の人のおじさん。
夢の中ではいつも想う相手になっていた。
恋人のようにではなく、身内のようにでもなかった。
強いていえば、尊敬する先生のように。
そして夢の中では、先生、と呼んでいた。
先生の苗字も名前も不明のままだった。

洋子は家族縁の薄い生い立ちだった。
小学校の頃、母親を亡くした。
妹が一人いたので、洋子が家事をしていた。
父親は無口で、仕事はするが家事はしなかった。
そして、娘達にもあまり接しない暮らし方だった。
ずいぶんと冷たい父親だと思っていた。

妹が二十歳で難病になり、一年持たずに亡くなった。
その時に父親が涙を流していたのを、こっそり見ていた。
父は娘達に愛妻の面影が浮き出る事に、戸惑っていたのだ。
どう接していいのか、わからなかったのだ。
そして、距離を置いて暮らしていた。
妹が亡くなり、妻を二回も亡くしたと感じていたのかもしれない。

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