水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」
カルテ番号 も・6(25)
「実は・・・」
茂木滋は、ここに来た経緯を話し出した。
公園で太極拳をしていた婦人から話を聞いて知った事。
その婦人の言葉の中で、自分の琴線に触れるモノが有った事。
生命力の活性。
それが、どういう意味でどういう事を指すのかはわからない。
だが、その言葉に反応して、ここまで来たと話した。
「そうですか。
あの方は、先日来られた人です。
とはいえ、10年前からのクライアントさんですが。
一人で病から立ち直った人ですよ」
院長は穏やかな顔で言った。
「いやいや、婦人は、先生に出会ったから回復できた、と話していましたぞ。
他の人では、ダメだったろう、と」
院長は少し間を置いてから話し出した。
「そんな事もないでしょうが、縁でしょうね。
ちょうど、タイミングが合ったということが」
茂木滋は、そういう一言一言に注意を払っていた。
「縁、とは、タイミングが合う事ですか」
「まぁ、そんなものでしょうねぇ。
その人だけ、と思いがちですが、そんなことはありません。
人は多種多様な人とも合います。
だだ、タイミングが合う場合、縁というのでしょう」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~
18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Yakkoo」)
カルテ番号 も・6(24)
自分よりもかなり年下だろう。
もしかしたら半分くらいかもしれない。
だが、この雰囲気、言葉、は自分よりも年上のものだ。
不思議だが、自分よりも人生を重ねてきた人のように感じる。
そうか。
こういう人間もいるのか。
不意に茂木滋は可笑しくなった。
ここ数年の心の衰退が幻のようだった。
面白い。
世の中は、面白い。
人間は、面白い。
そして、人生は・・・面白いのかもしれない。
戦後の地獄のような生き方。
生きる為とはいいながら、他のものを奪って生きてきた。
騙して生きてきた。
誰も信用などしなかった。
本当に面白かった事など、少しもなかった。
そして、ただ、枯れるだけだと思っていた。
こんな人生、何の意味があるのか、と思っていた。
それが、僅かの気づきで変わるのか。
面白い。
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カルテ番号 も・6(23)
死期、寿命というものの認識が違っていたら・・・
漠然と、もうそう長くないのだと思い込んでいた。
だから会社を引退し、その後も特にする事もなかった。
もししても、大した事はできまい、と思っていた。
だが・・・50年あるとしたら・・・
やりたい事がある。
出来る事がある。
寿命の考え方、認識を変えるだけで、人生が変わる。
生きる意欲が変わる。
これが・・・治療か。
本当の治療というものか。
目先の病も大切だろう。
だが、回復の本当の姿は、もっと大きいのだろう。
「先生、いろいろ失礼した。
私は目が覚める思いをしました。
先生が治療家だという意味が、解る気がします。
身体や心を回復するだけではないのですな。
もっと先、生命というものなのですな」
院長は言った。
「茂木さん、僅かの言葉だけで、そのようにとらえてくれるなんて・・・
茂木さんの今までの人生が、とても濃いものだったのですね」
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カルテ番号 も・6(22)
「信じられん。130歳まで生きられるのか」
院長は普通に答えた。
「はい。そのくらいまでは大丈夫でしょう」
茂木滋は、しばらくして言った。
「病気もせずに生きられる、ということですかな?」
院長は笑って答えた。
「それはわかりません。
それを決めるのは、茂木さん本人ですから」
どういうことだ?
「病気になっても、130歳まで生きられるということですかな?」
院長はあっさり答えた。
「重い病気で、治さなければ無理でしょうね。
もちろん大きな怪我でも同じです。
重い病や大きな怪我は、治しても生命力が削られますから寿命も減るでしょう。
私は、今の身体で、いつまで生きられるか、という事に答えました。
ですが、そこまで生きるのかは、本人次第です。
キチンと生きれば、おおよそ、あと50年くらいは大丈夫でしょう」
茂木滋は、死期というのは勝手にやってくるのだと思っていた。
そして、平均寿命といわれる線を基準にして考えていた。
だが、この院長の言うのは違う。
死期は自分で作るものらしい。
身体の生命力は、かなり長くあるのだという。
本当かどうかはわからない。
それまで、そんな考え方をした事がなかった。
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カルテ番号 も・6(21)
院長は淡々と言った。
「かなり無理してこられた身体ですね。
でも、生れ付きの生命力が高かったのでしょう。
生きる力が強い人は、身体に無理をさせてしまいます。
ですから、本来の持つ寿命よりも多少短いのではないか、と思われます。
そうですねぇ・・・
あと50年くらいでしょうか」
茂木滋は一瞬言葉を失った。
あと50年だと。
自分は80歳だぞ。
あと10年生きれば御の字だ。
それを、130歳くらいまでだと・・・
「先生は・・・本気で言っているのですかな?」
「はぁ、診た感じでの予測ですが・・・」
茂木滋は、少し混乱した。
冗談でもお世辞でもなさそうだ。
だが、あまりにも非常識な予測だろう。
そして、ひょっとしたら、という変な気持ちにもなる。
頭では、130歳までなど無理だとわかっているのだが・・・
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カルテ番号 も・6(20)
院長はすぐには答えず、マットに寝るように言った。
「身体、診させていただきます」
そして腹部、胸部を5秒おきに掌で移動させていく。
やがて、頭部に移動して、しばらく指で触っていた。
手を置く時間は、それぞれ僅かだが、かなり熱い。
温かい、ではなく、熱いのだ。
「先ほどの、あと何年生きられるか、という質問ですが・・・」
院長は頭部に指を置いたまま、話し出した。
「そんな事は、人間では、わかりません。
生命は、とても大きく広く深いので、人間の段階で見極めるのは不可能です。
さらに、未来は不確定ですし。
でも、今の状態からの予測なら、ある程度言えます」
茂木滋は、その答え方で、信用した。
わからない、と言える人なら信用できる。
「今の状態からで結構ですわい。
先生は、何年くらいと予測しますかな?」
何年と答えるだろうか、楽しみだ。
ところが、その答えは予想を裏切った。
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カルテ番号 も・6(19)
治療院外見、看板などからは、やる気がない経営者だとみえた。
会ってみると、仕事にやる気がないとは思えない。
むしろ、この淡々としている雰囲気から、かなりデキるとみえる。
職人の中にいるタイプだ。
仕事はデキるが、商売っ気はまるでないタイプ。
むろん、業界の地位などうっとうしいと思っているようなタイプだ。
腕がある工務店だが、やがてはつぶれてしまう。
仕事のやる気満々タイプは、信用できない。
そういう衣か、本気でも一時的だ。
しかも、やる気満々タイプの腕は、一流とはいえない。
本当に仕事がデキるのは、淡々としている人達だ。
仕事は一見、易しそうにしかしない。
手抜きに見えることさえある。
自分に自信があるから、他人にアピールする必要がない。
認めてもらおう、などとは思わないのだ。
80歳の茂木滋からは、かなり若い。
だが、プロの治療家だとみた。
値踏みをする必要はないだろう。
自分の希望を言って、あとは任せる。
「そうですな、あと何年生きられますかな?」
試すつもりはないが、何故かそんな言葉が出た。
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カルテ番号 も・6(18)
「ごめん下さい。予約していた茂木と申します」
「どうぞ、お入り下さい」
院長は40代くらいに見える。
思ったよりも若い。
「早く着いてしまったが、よろしかったかな?」
「かまいませんよ。遠くから疲れていませんか?」
「いや、疲れはないです」
挨拶をして、簡単な記入をした。
「電話では、身体を診て、気功体験をしたい、という事でしたね。
特に何か気になるところでもありますか?」
茂木滋は、その間も院長を観察していた。
人を観察するのは、それまでの人生の癖でもある。
人は本心の表に衣を着こむ。
単純な衣は、地位だ。
名刺に書いてあるのが、衣だ。
次に自分を大きく見せたがる。
自分がいかに優秀かを、それとなく話や態度に出す。
声の大きさなどにも表れる。
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カルテ番号 も・6(17)
茂木滋は自分で運転はしない。
といって、会社を持っていた時のように運転手もいない。
一人で遠くの場所に行くことなど、ほとんど無かった。
まぁ、久しぶりに、そういうのも悪くないか。
そう思えてきた。
調べると、温泉地でもある。
あまり大きくない宿を予約した。
治療院には、体調不良を診てもらいたい。
気功体験をしてみたい、と予約しておいた。
期待はしないが、思わぬ拾い物も人生にはあるだろう。
無くても、痛手はない。
気晴らしに旅行したと思えばいい。
そして、当日、茂木滋は早めに出かけた。
駅からはタクシーで治療院まで行った。
午前中に着いた。
予約時間よりも早かった。
どうやら、他に誰もいないようだ。
どうみても、流行っているようにはみえない。
むしろ、つぶれそうにもみえる。
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