三冬は剣客として一流だ。
だが、大治郎レベルには届かぬ。
一流でも幅はあるものだ。
女の体では、最後の壁を突き破れぬと小兵衛はいう。
その三冬に縁談があった事を大治郎に告げる。
例の如く、三冬と試合をして勝ったなら、という条件だ。
大治郎は相手の名前を聞いて、悩む。
嘗て試合をした相手だった。
大治郎が勝ったが、三冬では勝てない。
しかも、性格が悪い・・・
それだけでなく、鈍感大治郎も三冬が好きだと意識する。
悩んだ顔で、小兵衛に会いにいく。
そして、一喝された。
剣の師匠は厳しいのだ。
とはいえ、親としては、陰ながら応援したい。
御用聞きの弥七に協力を頼む。
「実はな、お前の智恵も借りたいのだ」
「先生のおっしゃる事なら、盗みでもいたしますよ」
「御用聞きのお前がかえ?」
「ええ、いたしますとも」
弥七にとっても師匠の小兵衛だ。
絶対の信頼をおいているから言える言葉だ。
腕は一流だったが、性格が三流の相手。
己の腕を過信して、小さな道場主に敗れる。
その帰りに野菜売りの老爺にぶつかり、八つ当たりに刀を抜く。
そこに小兵衛が(軽く)相手をして、足を切る。
こうして、三冬との試合は不成立となった。
父親の田沼意次も相手の正体を知り、今後は三冬の好きにさせると誓う。
(「三冬の縁談」より)
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