カルテ番号 み・5(1)
三木裕子は、今日が誕生日だった。
61歳。
40年間、大きな組織で働いた。
以前は公団といって、利益を出さなくても大丈夫な組織だった。
親方日の丸、などと揶揄されていた。
給与も休日もその他の条件も、とても優遇されていた組織だった。
その後、半官半民のような株式会社に変わったが、ゆるさはあった。
そして、昨年、定年退職した。
退職金はやたらに言えないような大きな額だった。
社員にとって、良い時代だったともいえる。
おかげで、年金だけで充分やっていける。
退職金の一部で家をリフォームした。
この先、身体の負担にならない、住みやすい家に変えたのだ。
一人で生きていくには、家事に余計な手間をかけずに暮らしたい。
離婚したのが、31歳だった。
あれから、30年。
離婚したのは正解だった。
子供は一人で、裕子が引き取った。
結婚しても仕事を辞めなかったのが、よかった。
その子も10年前に結婚して、四国に嫁に行った。
裕子に似て、独立心の強い子だった。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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