水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・239」

2014-06-13 19:30:22 | Weblog



カルテ番号 つ・9(13)

治療時間を3時間に延長してもらい、母が亡くなった時からの事を話した。
院長は口をはさまず、津山雅仁が話し終えるまで黙って聞いていた。
「それで、津山さんはどうしたいのですか?」
「どこで間違ってしまったのか、教えて下さい」
院長は少し考えて、ゆっくり話し出した。
「私は、人は間違いだらけで生きていくものだと思っています。
あるいは、正解も間違いも無いのかもしれません。
それぞれが別の生き方をしているだけかもしれません」

津山雅仁は言った。
「病気になるのは間違いだからではないのでしょうか?」
やはり院長は言葉を選びながら、考えて話す。
「苦しい、辛い、痛いという状態になり、生命が弱くなりますね。
でも間違いというより、不都合になった、不調になっただけでしょう。
通常、それは嫌だから治したいと思うわけですが・・・」
「間違いではないのでしょうか?」
津山雅仁は同じ疑問を再び訊いた。

「正しい、間違いを基準にしますと、回復し難いのですよ。
正しい、間違いを判断するのは人の段階では無理なのでは、と思っています」
津山雅仁はその言葉を理解できなかった。
「どうしてでしょう。病になれば間違いでしょう。
原因を正せば、病は回復していくのでしょう?」
院長は笑って、あっさり言った。
「それは勘違いです」


(登場する人物・組織・その他はフィックションです)


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