カルテ番号 ち・3(2)
何も訊かないので母親がじれたのか話し出した。
「2年前からなのです。
大学を卒業し、家から通える銀行に就職しました。
仕事も順調にこなしていたようでしたが、ある日職場の上司から連絡がありました。
連休明けの月曜日でした。
朝から何も話さない、声が出ないようです、という内容でした。
熱などは無いようですので、そのまま自分で帰宅してきました」
母親はその日を思い出したのか、顔を曇らせて話を続けた。
「その日もですが、次の日になっても何も話せないので銀行は休ませました。
それからは幾つもの病院に行きましたが、症状は変わりません。
3か月して銀行には退職届をだしました。
頭に異常はなく、ショック性の失声症という診断は同じで、薬も出ません。
心療内科で原因を解明する、ということで通いましたが、娘がとても嫌がり、かえって良くないと思い、それからは嫌なところには行かないようにしています。
今回は娘が何故か乗り気のようなので、すぐ連れてきたわけです」
通常は何かショックや過大なストレスの蓄積からなるといわれているようだ。
その為、治療法としてはカウンセリングや心療療法の幾つかをするようだ。
だが、見たくない原因の究明などしなくてもいいと思っている。
原因など解明しなくても身体や心は回復する。
心の場合は、むしろ下手にいじると潜ってしまい、こじれることさえある。
あるいは、表面だけ治ったふりをしてしまう。
だから、心のショックは訊き出さない。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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