アバウトなつぶやき

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「琳派 京を彩る」展

2015年11月08日 | かんしょう
先週の木曜日、京都国立博物館で開催中の展覧会-琳派誕生400年記念-「琳派 京(みやこ)を彩る」を観てきました。

後期の展示入れ替えで風神雷神図屏風が3点揃ったためか、平日に行ったのにものすごい混雑で、入場まで1時間待ちでした。
もっとも、連休明けだった4日は120分待ちの時間帯もあったようなので、それよりはマシと言ったところでしょうか。





▲ちょっと珍しいタテ開きのリーフレット

館内はどこもすごい混雑です。
特に本阿弥光悦と俵屋宗達の共作「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」の展示ケース前はひどく、順に並んでいても列が動きませんでした。
しかし、それもそのはずです。鶴の姿が流れるように描かれているため、人の間から場面を切り取った状態で観るよりも巻物の前に立ち、右から左に目を移して動きを感じる方が断然素晴らしいのです。止まって観たい気持ちは分かる!でも止まられると困る!!
待っている人があまりに多く、後ろから追い立てられるので、私は早めにその場を離れました。
出来ればもっとゆっくり観たかったです(涙)でも、いつかまた観ればいいか。

後期の目玉とも言える俵屋宗達と尾形光琳と酒井抱一、3人の「風神雷神図屏風」は、同じ部屋に展示されており、一度に見比べることが出来ました。
比べてしみじみと感じる宗達の絵の躍動感。
光琳は宗達を、抱一は光琳を参考にして描いているのだから、やはり本来の持つ動きのようなものが失われていくのを感じざるを得ません。絵としては立派なんですがオリジナルの迫力には適わないと言うところでしょうか。

こう書くと後継の人々を軽んじてるように見えるかもしれませんが、それぞれに素晴らしい作品ばかりです。
尾形光琳はその図案や色使いの大胆さに舌を巻きます。抱一の上品な美しさには息をのみます。
私は抱一の「十二ヶ月花鳥図」が大変気に入ったため、「夏秋草図屏風」が展示入れ替えで観られなかったことを後悔しています。光琳の「八橋蒔絵螺鈿硯箱」が観たかったので後期にしたのですが、前期にも観に来ておけば良かった。前期はこれほど混んでなかったらしいのに。

あと、非常に気に入った作品に「藤袴図屏風」と「草花図襖」がありました。
これらの作品は画家の個人名で知られる作品でなく、「宗達派」という宗達の工房による作品です。
工房の担当者が1人で描いているのか分業しているのかは私にはわかりませんが、とにかく書き込みが繊細で美しいのです。
こんなレベルの高い工房を運営できるなんて、本当に俵屋宗達は実力者でもあると同時に幸運だとも思います。
後世に名を残したわけではないけれど、こうやって作品を残して感動を与える人というのはどの時代にもいるんだろうと思うとなおのこと感動してしまいました。

人気の高い展覧会、感動もするけれど疲れもしますね。
それも含めて記憶には残るので、忘れっぽい私には良いのかもと思っておくことにします。
あぁ、疲れた。
11/23(祝)まで開催してますけど、紅葉狩りとセットで予定している方は時間配分にお気をつけくださいませ。