アバウトなつぶやき

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タケノコ

2005年04月15日 | せいかつ
 夕方、窓から義母が鍬を抱えて通り過ぎるのが見えました。それを見た長男、すぐさま「ばーちゃん!ボクも行くぅ~っ!」と言って駆け出していきました。
 季節はすっかり春。庭の隅の竹やぶでタケノコが出始めたのです。
 最近は造成が進んで竹林も減りましたが、Y市はまだ竹林が割と現存しています。職場も竹林と隣接しているので休憩時間に奥様方が夕飯用のタケノコを掘り出すほど。
 そんな風ですから、こどもの頃からタケノコは「買うもの」ではなく「もらうもの」か「掘りに行くもの」です。

 そこで思い出すのが数年前に見たテレビ番組。
 嫁不足の農村に、田舎暮らしを希望する都会の女性が数名、集団お見合いに参加するのです。内容はかなり現実的で、相手の男性はいかに素朴な田舎暮らしが素敵か、農業に対して先進的な努力をしているか、広い土地を持っているかなどをアピールします。
 その中で、一人の女性が男前(この表現が良いかと)の男性Aと親しくなりました。話も弾んでいるようだし、このカップルはこのままゴールインかな、と思って見ていると終盤になって朴訥(ぼくとつ)な男性Bが現れ、うちの紹介もしますよ、とその女性を連れて行きました。
 参加者はどの男性も農業をなさっているので、みなさん広い土地をお持ちなのですが、男性Bは「これがうちの山です」と竹林に連れて行き「うちへ嫁にきたら春になるとタケノコ掘り放題ですよ」と言うのです。---で、結局タケノコが好物だった女性はその言葉に負け、男性Bとのお付き合いを決めたのでした。
 
 ワタクシは画面を見ながらつぶやきました。「タケノコぐらい、春になればいくらでも近所からもらえるのに…。」って。だって、うちサラリーマンなのに春のタケノコには困らなかったもん。