お寺のオバサンのひとりごと

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あれから1年 その2

2012年03月07日 | 雑感
 先日、福島から避難、佐賀に移住された方(仮にA氏とします)のお話を聞くご縁がありました。

 A氏は、石巻のご出身で、実家は津波に流され、ご両親は、今も行方不明のまま。
実家に行ってみたが、全て消失した町で、景色をたよりに、実家の場所を探すだけで、時間がかかったそうです。
 今も、壊滅した町のテレビ映像を見る度に、現地での言葉にならない衝撃と異臭がよみがえる・・・と話されていました。

 ご自身は、福島市内にお住まいでしたので、古い建物の倒壊やガラスの散乱、ひび割れなどあったものの、皆無事だったそうですが、生後4ヶ月のお子さんと奥様を守るため、自主避難で福島を出る決断をされ、親子3人、佐賀に移られたそうです。

 原発の事故があるまで、原発について全く無関心だったし、佐賀県が九州のどこに位置するかも知らなかったそうです。
 なぜ、佐賀を選んだのか・・・は、問い合わせの応対をしてくれた県庁職員の人の良さ、温かさが伝わったから・・・
  

 今まで福島で積み上げてきたもの全てを失って、親戚も知人もない佐賀で、一から新しい生活を始められたA氏ですが、今は家族3人笑顔で生活できることに感謝している と、声をつまらせておられました。

 引っ越してきて、はじめて、佐賀にも原発があることを知ったそうです。それも原子炉容器の老朽化が進んで、日本一危険と言われている玄海原発1号機があることも、プルトニウムの原子炉があることも・・・

「私たちは佐賀に骨を埋めるつもりですので、もう二度と、原発から避難しなければならない思いはしたくない。子どもを守ってください」
と仰っていました。

 
コメント (2)
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