昨日、佐賀地方局ニュースで耳にしたのですが、産婦人科医師不足は、佐賀でも深刻のようで・・・
今年、佐賀大学医学部で産婦人科を希望した医師は、一人。昨年、一昨年はゼロだったそうです。
お産となれば、昼夜時間の自由がなく、その上、患者に訴えられることが多いのが原因らしいのです。

「人間を観る」田代俊孝編著 法蔵館 の中に、養老孟司氏が上記目次タイトルで書かれていたことを思い出しました。
養老氏は、「都市」という言葉を、人間が頭で作り上げた世界。全て自分の意でコントロールできると錯覚している世界。
「自然」と言う言葉を、人間の意のままにならぬものという意味で使われていますが・・・
p59

都会の中で物を考える現代の日本人に考え方の変化が起こってきた。(略)
その第一が「仕方がない」と言わなくなるということです。
(略)
「都市の民」とはどういう人かというと、人のつくった世界に住んでおりますから、何か悪いことが起これば必ず人の「せい」にするのです。戦後日本人が人の「せい」にするようになってきたのは、じつは自然から離れただけのことです。
(略)
人の体は自然ですから、そこに起こることは本来は仕方がないと言うべきなのです。歳をとるのも死ぬのもほんとうは仕方がないのですね。当たり前といえば当たり前です。
医師の怠慢による医療ミスまで弁護するつもりはありませんが、何もかも「医師のせい」にする「都市の民」が多い結果、子孫が困る事態に陥っているような気がしています。