あわただしい1週間が始まった。とくに、来週13日から区議会が始まるとあって、今週はその答弁準備に追われることになる。国会議員の時に議員立法で何度か答弁したことはあっても、各会派・議員からの質問に次々と答えるというのは初めての経験だ。先週のうちに「所信表明」的な召集挨拶の原稿を書き上げているので、各議員の質問に対して答える準備を行なうというわけだ。ずいぶん前もってていねいにやることに感心する。何事も初体験なので、世田谷区と区議会の習慣と方法に即して、準備をすることにする。
昨夜はNHKスペシャルで「3・11」の検証番組を見ていた。決定的な瞬間に、誰がどのように考え、動いたのかを克明に追うことは大切だ。自民党時代から連綿と生き続けてきた「国策」としての原子力発電の「安全神話」がかくも無残に、破砕される事態を目前にしながら旧体制・旧思考の残滓が力を持っている現状を私たちは見なければならない。永田町での内閣不信任案否決後に流動化している政局も、「浜岡停止」「発電と送電の分離」など最重要課題での議論を深めないままに、「現状追認」で大連立になだれこむことに危惧を感じる。
過去の過ちを未来の戒めとする……原発依存からの移行を早めようと考えてきた私たちは、穏健にして保守的な主張をしているのにすぎない。ただし、電力需要が供給量の限界を超えるから、それは無謀な理想論だという反論もある。はたしてそうなのか。これは、実際の供給能力と需要のコントロールがうまくいくかどうかという問題でもある。情報開示をしないで、「節電しないと危ないですよ」という心がけ運動は、消費や経済を萎縮させる作用をすることも忘れてはならない。
だからこそ、「地域別の電力需要の開示」を東京電力に求めてきた。明日の夕方には、内閣府に蓮舫節電啓発担当大臣を訪ねて、自治体や住民が安心して電気を使い、また賢くコントロールする手法を後押ししてもらうようにお願いすることにした。電力使用量のピークをカットすることをリアルタイムの情報を得ながら実行・協力することで、びくびくしたり、安心して電気を使うことも可能になる。
今週は、下北沢で坂手洋二さんの劇団燐光群が『推進派』を上演する。徳之島を舞台に基地問題を描いた作品で、6月8日から上演されるが、私は9日(木)の芝居終了後のアフタートークに登場することになっている。坂手さんとは、昨年の秋に『八ッ場ダムはなぜ止まらないのか』を制作した時にロケハンで現地に共に行ったこともあり、深い洞察のシャープな脚本に期待している。今日、区長へのメールを見ていたら世田谷区在住の俳優・劇作家から、7月に原発問題で紀伊国屋ホールで上演予定の作品に、やはりアフタートークで来てもらえないかとあった。演劇の世界でも、これまでタブーとされてきた問題に取り組む動きが出てきているようだ。
「区長へのメール」はたくさんの人から投稿をいただいた。ダイレクトに御意見を受取りながら、これからの政策を考えていく機会を得たことは大変にありがたいと思う。
